12
「ただいま、ハインツ。」
「おかえり、ノア。」
あれからすぐ僕たちは結婚した。
医学魔術が発達したこの国では男が妊娠することも可能で、僕のお腹の中には新しい命が宿っている。
「ただいま、パパだよ~。」
意外なことにもノアールは僕を大切にしてくれた。
彼には彼の人生があると思い、結婚前に「好きな人がいるのなら別れてもらって構わない。」と告げると珍しく不機嫌な顔で「ハインツの馬鹿。」と言われた。
それがまるで捨てられた子犬のようで不覚にも胸がキュンとしてしまったのは、彼には内緒だ。
一緒にいればいるほど僕はノアールに惹かれていった。
最初の頃こそエルヴァへの申し訳なさでいっぱいだったのに今では妹が祝福してくれることを素直に嬉しいと思える。
「あ、今度ちょっと実家に行っていい?」
「なんで。」
「エルヴァがおめでたなんだって。旦那さんも見せたいから是非遊びに来てって手紙もらってさ。」
「、、、、いいけど。私も一緒に行く。」
「ノアは公務で忙しいでしょ?」
「少しくらい私がいなくても問題ない。」
ムスッとした顔のノアールに僕は小さく笑う。
前だったらエルヴァの事を想っているのかと考えたかもしれないけど、今だったら僕に焼きもちを焼いてくれてるのだとわかる。
「わかった、わかった。じゃあ今度の日曜一緒に行こ。」
「ああ。」
後ろからノアールに抱き締められ僕は幸せいっぱいになった。
あの漫画のラストとはだいぶ変わってしまったシナリオに前世の妹はぶちギレるかもしれないけど。
想像すると可笑しくなって僕は声を出して笑っていた。
そんな僕を見て心配そうな顔をするノアールもその笑いっぷりにはつられて笑いだし
僕たち二人の笑い声は部屋の中でいつまでも響いていた。
おわり。
ご都合主義によりアイリスは勝手に自滅したということで。
エルヴァもしくはアイリスが前世の妹とかいう設定でもよかったのかなとか思ったりもしましたが、まぁこんな感じで終了とさせていただきます。
読んでいただきありがとうございました。




