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BLですが、BL感はほとんどありません。


僕はこうなることを知っていたのに結局何もできなかった。


わなわなと怒り震える父に泣き崩れる母


不安な顔を見せる使用人たち。


妹エルヴァが、この国の王太子との婚約を破棄されたのは一週間ほど前のことだった。


それだけならば何の問題もなかった。


エルヴァが王太子と結婚できればこの家は安泰だったろうが、そうでなくてもそこそこ潤いがある現状。


もし二人のうちどちらかが他に相手ができれば婚約解消をしても構わないという暗黙の了解のようなものもあったし、


というよりもそう僕が仕向けたんだけど。



僕はこの世界を知っていた。


転生というのだろうか、昔に妹からせがまれ何度もその推し活を手伝わされた少女漫画「七色にときめく恋の欠片」略してナナコイ


舞台はヒロインであるアイリスが通う事となる貴族が集うアカデミー。


元は貴族の子として生まれたアイリスだったが、彼女は幼い頃に馬車の転落事故により両親と生き別れになってしまう。


しかし家族の執念による捜索の結果、彼女が15歳の時に無事家へと戻ることができた。


それから半年後、晴れてアイリスはアカデミーへ入学することとなる。


長い間貧困街で暮らしてきたアイリスにとって貴族との付き合いは中々難しく気付けば学園内で孤立した存在に。


そんな時出会うのが王太子のノアールだった。


ノアールには婚約者がいたがそんなものはお構いなしに二人の距離は縮まり恋へと進展する。


二人の仲睦まじい姿にノアールの婚約者は激怒し、その腹いせにアイリスを目の敵にするようになり事あるごとに嫌がらせを繰り返した。


結果、それを許さなかったノアールによって婚約は破棄され婚約者の家は没落にまで追い込まれることとなり一家離散。


アイリスとノアールは幸せに暮らしましたとさ。



前世で何が面白いんだと思ってはいたけど、今でも思う。


何が面白いんだ、と。


つまるところを言うと僕の転生した先はこの婚約者にあたるエルヴァの兄、ハインだった。


だからというわけでもないけど、いや少しくらいはあるかもしれないけど


婚約者のある身で他の女に現を抜かすノアールもノアールだ。


確かに嫌がらせは駄目だし正当化できない、にしてもこの男が自分のことを棚にあげ愛した女と幸せになるのは納得できない。


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