表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
螺旋のスタンドアローン  作者: 雨傘流
41/44

40話

「クリス・ミラー……」

 聞いたことがある名前だ。それにアレックスと面識がある。

 思い出した。

 前にアレックスが僕に話してくれた親友。その名前がクリスだった。

「クリス。なぜお前がここにいる?」

 アレックスが問う。

「知り合いなんですか?」

 美崎がに聞く。アレックスは短く「親友だ」と答える。

 やはり、僕の記憶は正しかったようだ。

「生きていてこうやって歩いている。ならどこにいようと僕の勝手だろう?」

 質問の答えになっていない。僕たちはクリスがここに存在していること自体が疑問なのだ。

 こいつはそれをわかっていて答えていない。

「僕はあんたが死んだって聞いたけど?」

 僕が言うと、クリスは少し驚いた顔をする。

「あぁ、もしかして君は僕のことをアレックスから聞いていたのかい?」

「そんなことはどうだっていい。問題は死んだはずのあんたがどうして生きているんだってことだ」

 目の前に存在する以上、こいつが幽霊などではない間違いない。

 しかし生きていたとして、そんなやつがなぜ五年前の血の王のマネゴトなんてしているのか。

「生きていたら何か不都合でもあるのかい? 少なくともアレックス、君は僕が生きてい方が都合がいいだろう? 過去の十字架が一つ、無かったことになるのだから」

 質問に答える気がなくなったのか、クリスはのらりくらりとした返答ばかりを続ける。

「どういうことですか?」

 美崎が問う。

「クリスは元、俺たちと同じ螺旋の番人のメンバーで俺が殺した。透の時と同じだ。寄生されて手遅れの状態だった」

「だが生きていた。それだけのことさ」

「そんなはずはない、俺がお前の頭を打ち抜いた。その感触はたしかに覚えている!」

 アレックスがそう言うとクリスがため息を吐く。

「ヒントは与えたはずだよ、僕は人間に近い奇怪虫。あの時、君に頭を打ち抜かれたことでクリス・ミラーは確かに死んだ。だがそれは寄生した寄生虫の死とイコールではなかった。それだけさ」

「ならお前はクリスじゃない」

「いいや、僕はクリス・ミラーだ。この体は奴の体の細胞が変化したもの。僕の頭には彼の記憶がある。僕の思考は彼のそれと同じだ」

「奇怪虫ごときがふざけるな!」

 アレックスが叫ぶ。

「ふざけていないさ」

 クリスが左手でポケットから琥珀色の石を取り出す。数はざっと数えて十個程。

「それは……」

 間違いない。コハクだ。それも大量の。

「この間君たちの研究所に行った時の戦利品だよ」

「そいつを使って何をしようってんだ? 虫野郎」

 アレックスが聞く。

 だがクリスはそれを遮るように右手を前に出す。

「残念、話はここまでだ」

 クリスの持つコハクが赤く光る。

「戦いの時間だ」

 クリスが楽しそうに笑った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ワーム野郎が……死者を利用しやがって(゜Д゜;)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ