23話
「好きな人っているの?」
そう尋ねられて私、|佐伯綾音はわからい、いない、と答える。
私は、恋愛に冷めている。周りはそう言う。
確かに私は好きな人が出来たことはない。だけど別に恋人を作りたくないわけではないし、どこかの人みたいに画面の中の彼に恋している訳でもなければ同性愛者でもない。
だからそんなレッテルを張られるのは正直、不愉快だ。
それに私は高校生、とりわけ同年代のみんなのような浮つい恋愛はしたくない。面白いから、イケメンだから、背が高いから、そんな理由で男の人を選びたくない。
付き合うならいいずっと側にいたいと思える、そんな男の人が良い。
友達にはそんなんじゃ一生恋愛なんて出来ないよ等と笑われたが、別にどうでもよかった。
そんな私にも春が来た。
まだ片思いだけど、初めて出来た好きな人。
その人はよく登下校で通る河川敷にいる男の子だった。
同歳に見えるけど、いつも制服を着ておらずただ遠くの方を見つめているだけの男の子。
よ見た目は普通だけど、変な子だなぁそれが私の彼へのイメージだった。
そんな時私がいつものように河川敷を歩いていた時ガラの悪い他校の男子生徒にぶつかってしまった。
私はすぐにやってしまったと思った。当然相手は私に怒り始めてしまった。
そんな困っている状態の私を彼は助けてくれた。
その時、私は恋に落ちたのだと思う。
それ以来、名前も知らないその男の子のことが忘れられなくなってしまった。学校でも、夜寝る前も、私はその男の子の事が頭から離れない。
私も学校のみんなと同じだ。
助けられて簡単に恋に落ちてしまう。
単純だなぁと自分でも笑ってしまう。
それでも私はよかった。その程度この思いを捨てる同機にはならない。
けれど私はこの時の後悔することになる。
まさかあんなことになるなんて……
後悔してももう遅い。あの頃の私はただ目の前のキラキラに抗えなかった。
だから私は目の前の危険に気づくことが出来なかった。




