14話
「正気ですか?」
今回の任務の内容を説明した時、美崎が最初に述べた感想はそれだった。
今、僕達がいるのは先程よりも小さい作戦室。全員、片手には三柴から渡された今回の任務の資料を持っている。
「大体何ですかこれは? 完全に捨て駒じゃないですか。こんなのは任務とは言いません。なぜシユウさんはこんな命令を了解ししたんですか?」
「美崎」
アレックスが美崎を睨む。それはいつもの美崎をからっかった目ではない。真剣な眼差しで美崎を黙らせる。
「シユウ、お前は本当にこれでいいのか?」
僕は黙って頷く。
「同じ事を鬼島さんにも言われたよ。だけど僕の意思はかわらない。これは僕がするべきことだ」
「たしかにそれがベストだろう……だが、他に道がないとも限らん」
「だとしてもその道は必ずしも犠牲が出ないとは限らない。だけどこの方法なら犠牲は僕だけで済む」
犠牲を最小限に出来るのならそれが一番だ。
「だからこそこの任務は僕のほぼ単独で行う。美崎、アレックスは援護だけでいい」
「一対一で老生体を相手にするんですか?」
「そうだ」
「一班だけで戦うだけでも無謀だというのに、単独でなんてありえません」
「いいや、それでいいんだ」
むたもアレックスが美崎を止める。彼もまた僕力のことを知る数少ない人物。だからこの無謀とも思える作戦の意図も理解している。
それでも美崎は今も納得のいかないという顔だ。
「大丈夫だ。心配しなくていい」
僕は、真っ直ぐに美崎を見る。僕を信じてくれ。その気持ちを眼差しに込める。
「まったく……わかりました。私も信じます」
「ありがとう」
僕は改めて二人に向いていう。
「今回のミッション僕は少し遅れて転送されることになる。もちろん僕が到着するまでは二人が戦う必要はない。敵の動きを監視していてくれればいい」
そういって僕は作戦室を後にしていく。
作戦室を出て直ぐの廊下で湊が待っていた。
その右手には鞘に収められた刀が握られている。黒人だ。僕はそれを受け取る。
「時間が無い。さっさと連れて行ってくれ」
「えぇ、そのつもりですよ」
湊が歩きだす。僕もそれに続いた。




