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再会は花のように  作者: 猫寝子cat
2/7

side:C 第一話 「チグリジア」

文字数多め、月一投稿と言いましたね?

……あれは嘘だ。

なんとなく筆が乗ったので投稿。ただし文字数は少ないです。

これからは姉チグリジア編である「side:C」、弟フィソステギア編「side:F」を順番に投稿していきます。

これからもよろしくお願いします。

「着いたぞ」

「……そう」


 視界が暗転した次の瞬間、私はまったく知らない場所に来ていた。


「ここが俺の本拠地、魔王城だ」


「…………そう」

 そうか、来てしまったんだ……コイツの城に……。

 そこは黒を基調とした豪勢な造りで、私たちが立っている赤いカーペットの先には玉座があることから謁見の間であることが分かった。


「ふむ、そうだな……貴様、名前はなんだ」

「言わない」


 もう私は、ステアと敵なんだ……。


「そうか、ならば新しい名を考えよ」

「……わかった」


 それなら私は、この名を付けよう。


「チグリジア」

「では今から貴様はチグリジア・ビスタリオだ」


 私は村の皆をこの手で殺し、魔族という人類の敵になった。

 今までの優しい女の子、『サルビア』はもう死んだんだ。

 ここにいるのはチグリシア。ただの魔族。


「……ビスタリオ?」

「魔族はみなが家名を持つ。今付けたのはそれだ」

「そう……」

「では、これから魔族化の儀式をする」


 私は、今から人間を止める。人類の……敵になる。

 それでも、私の目的はただ一つ。


「この魔方陣の中に立ち、俺の血を飲め。それで貴様の肉体は魔に染まる」

「……わかった」


 渡された杯に入った血を、一息であおる。

 それを飲むと、体中が悲鳴を上げた。


「っ!? あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 体が根底から作り変えられていくのがわかる。

 綺麗な黄金だった髪は漆黒に染まり、肌は病的なほど真っ白に。体がどんどん作りかえられて行く中、しかし魔族の象徴ともいえる異形の角は生えてこなかった。

 そして、体の変異のせいか、意識が段々と薄れていく。

 最後にせめて、コイツに私の目的を告げてやる。


「いずれ絶対に……絶対に貴様を殺す!!!」

「ほう? 面白い……せいぜい足掻け、元人間」


 そこで、私の意識は途切れた。

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