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陽炎歌  作者: 烏(・v・`)
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3

休みの日に、病院に連れていかれた。

一応、野良猫だから、感染症を持ってないか、体調は大丈夫なのかを見るためだ。


そこで分かったこと。

どうやら私は声が出せないようだ。

原因不明だった。



「……だからずっと静かだったのか。」

家に帰ってから、私を膝の上に乗せてずっとなでていた。

「お前に名前つけなきゃな…」

彼の温もりがあったかくて、いつしか、私は眠ってしまった。



夜、彼も、彼の母さんも寝てしまった頃、全身に激痛が走った。

燃えるように熱かった。

苦しい。

とても苦しい。

苦しくてたまらない。


痛みが止まった時、私は小さな子どもになっていた。猫の耳と二つに割れた尻尾を残したまま。

……アニメのようなことが起こるとは思わなかった。


猫の体は便利だ。

夜目がきく。

それは人の姿になってもだった。


彼は悪夢を見ているようだった。

「…はる………くな……」

どうやら、私が死んだ時がフラッシュバックしているようだ。

死ぬ前よりも小さくなった手で、彼の頭を撫でる。

「ぐっ…………」

徐々に穏やかな顔になっていく彼。


苦しめてしまったとは…

分かってはいたが、やはり、悲しいと思った。

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