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陽炎歌  作者: 烏(・v・`)
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2

アイツが、黒山杳が俺の目の前で飛び降りた。


別れて、友達に戻ったはずだった。

その間に、部活や、家族や、バイトで何かあったらしい。

学校で見るあいつは、表情を作っているように見えた。


突然、杳は俺を呼び出した。

「さいごのおねがい」と言って。


今でも思う。

なんで助けられなかったんだろうって。

別れた後、アイツが怖くてたまらなかった。避けていたら、いつの間にかあいつは壊れていた。


何かが壊れた笑みを浮かべ、俺を待っていた。


いつまでも頭から離れない。

泣きながら笑う、杳の顔が。



1ヶ月後。とある雨の日。

俺は子猫を拾った。


泥まみれで、ずぶ濡れで、震えていた。

いつもなら関わらないようしていただろう。

何故か、助けたくなった。


なんとか母さんを説得して、家でしばらく預かることになった。


とても小さい上、存在感がほぼ無かった。

泥だらけの体を洗ってやろうにも、逃げ回って隠れてしまうから、洗えなかった。



2~3日後、やっと触らせてくれた。

とてもおとなしい猫だった。

風呂で固まった泥を落として、綺麗に洗ってやった。


真っ黒で艶のある毛並みに、青空のような目の色の、とても綺麗な猫だった。



「ほんとに拾ってきたのよね?盗んでない?」

「なに、俺のこと疑ってる?拾ってきたんだけど。」

人物紹介

黒山 杳 クロヤマ ハル

学校で飛び降り自殺した女子生徒。高校2年生。五人家族。


河本 一優 カワモト カズマ

飛び降りの目撃者。高校2年生。母子家庭。

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