第六章 会社という鎧 ― 衣服で稼ぐ、仕組みで守る
第六章 会社という鎧 ― 衣服で稼ぐ、仕組みで守る
宿、教育、絵本、パチンコ。
すべてが回り始めた頃、天野令己は次の戦場を見つけた。
それは――衣服業界だった。
「見た目だけの服はすぐ飽きられる。
本当に価値があるのは、見えない“内側”だ。」
令己はそう言って、異世界で衣服ブランドを立ち上げた。
名前は 〈AMANO ARMOR〉(アマノ・アーマー)。
見た目は分厚い、でも実は軽い鎧
アマノ・アーマーの看板商品は、軽鎧。
遠目には重厚な鋼鉄の鎧に見えるが、実際は魔糸と軽金属の複合素材で、重さは普通の服と変わらない。
兵士たちは驚いた。
「見た目が威圧的なのに、着心地は羽毛みたいだ!」
中でも人気だったのが、内側に**ステンレス経帷子**を仕込んだモデル。
裏地が美しく輝くが、外からは絶対に見えない。
富裕層たちは、この“内側の贅沢”に熱狂した。
貧乏貴族割り ― 令己の秘密の流通ルート
令己は、ただの商売人ではなかった。
彼は「本当に必要としている人」に商品を届ける仕組みも作った。
夜だけ開く秘密の店舗で、“貧乏貴族割り”という特別価格を適用。
名ばかり貴族の青年や没落家の娘たちが、こっそりアマノ・アーマーを買いに来た。
彼らは次第に社会に復帰し、令己の“顧客であり支持者”となった。
「俺は鎧を売ってるんじゃない。
立ち上がる勇気を売ってるんだ。」
会社という仕組みのパワー
この衣服事業を立ち上げたことで、令己は学んだ。
「金を動かす人より、金の流れを設計できる人が勝つ。」
個人ではできない節税、経費化、融資、信用。
それらすべてを、“会社”という枠組みが可能にしてくれる。
経費で自己投資ができる
銀行(=異世界の金貨ギルド)から融資を受けやすくなる
取引先や顧客からの信用が高まる
会社とは、ただの箱ではない。
お金を味方につける魔法陣だ。
令己は自分の会社を通して、収入と支出の流れを完全にコントロールした。
お金が彼を動かすのではない。
彼がお金を動かす。
夜、令己はアマノ・アーマーの新作を手に取りながら呟いた。
「鎧の中身が人を守るように、
会社の仕組みが俺の人生を守る。」
見た目はただの服でも、その裏には自由を設計する仕組みが縫い込まれていた。




