幽霊に非常識なんて言われた
初めまして、天川裕司です。
ここではシリーズでやってます『夢時代』と『思記』の原稿を投稿して居ります。
また、YouTubeドラマ用に仕上げたシナリオ等も別枠で投稿して行きます。
どうぞよろしくお願い致します。
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
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無課金でやっておりますので、これで精一杯…と言うところもあり、
お見苦しい点はすみません。 なので音声も無しです(BGMのみ)。
基本的に【ライトノベル感覚のイメージストーリー】です。
創造力・空想力・独創力を思いっきり働かせて見て頂けると嬉しいです(^^♪
出来れば心の声で聴いて頂けると幸いです♬
でもこの条件から出来るだけ面白く工夫してみようと思ってますので、
どうぞよろしくお願いします(^^♪
タイトル:幽霊に非常識なんて言われた
俺は幽霊に怒られた。と言うか軽蔑された。
それが未だにショックで立ち直れない。
薄いショックだ。
あいつと初めて出会ったのは出張先のホテル。
何か音がするなぁとか人の気配がするなぁと
思ってひょっと見てみたら、
全く無表情の女がカーテンレールの上から覗いてた。
カーテンレールの上である。
そんなところから普通覗けるはずもなく、
よく見ると顔だけが乗っている…そんな塩梅。
俺は一目散に荷物をまとめ、
別のホテルへ居を移したが、そこでも同じ。
仕方なく出張中はずっと居酒屋やバー、
朝までやってるレストランなど
とにかく人が居るところを転々として、
1人になるのを避けていた。
まぁ1日だけの出張だから何とかなった。
でも、それからだ。
出張を終えて自宅に帰ってきたら、
今度はその自宅に奴が現れるようになったのだ。
「やっぱりか!」とも思いながら俺は覚悟を決めた。
「そんなに見たきゃ見せてやるよ」
「ほら出てこい、逆に俺がお前を凝視してやる」
もうどうなっても構わない。
それでもし俺がやられてこの世を離れても、
今度は俺が幽霊になって逆に追い回してやる…
そこまでの覚悟を妄想のうちで決めて、
俺は奴と対峙することにしたのだ。
この時、少し思い返してみたのだが、
無表情とは言え、ヤツはなかなかの美形だった。
ちょっと俺のタイプの女でもあり、
あれが奴の手なのか?とも思いながらも
あえてその罠に掛かりそれを上回ってやる、
なんて、少し根拠の無い自信に満ち溢れた。
そして寝る前のことだった。
洗面所で歯を磨き、寝室に帰ってきた時の事。
前と同じく強烈なヤツの気配を感じ、
ゆっくり、くるりと言った感じで
俺はキッチンの方を見てやった。
キッチンは寝室の隣で、ドアを取っ払っているからすぐ見える。
するとやっぱりヤツの姿がぼんやり見え出した。
「来たな…」
俺はここぞとばかりにあらん限りの勇気を振り絞り、
奴の前まで堂々と歩いて行って、
「そんなに見たきゃ見せてやるよ」
と数日温存しておいたこのセリフを吐き、
「びよ〜〜〜ん!!!!!」
と思いきり叫んで陰部を出して見せてやった。
するとそいつは何も言わず、
やっぱり無表情のまま、しばらく俺を見つめた。
そしてそれまで少し凄んでいた
その姿勢を全く見せなくなり、
次に明らかに冷めた目で俺を見てきて、こう言った。
覗く女の霊「…結局そんなところなのね。あなたの挽回は」
覗く女の霊「やれるもんならやってみろ、とか、そんなのに怖がるなんてほんの少しでも思ったのか?とか、来るなら来てみろよ。一歩も引く気はねぇぜ、とかさ、そんなの全然なかったね。さすがね現代人」
現代人の俺「………………」
覗く女の霊「普段、心の中でヒーローぶってるみたいだけど、いざとなったらそれなのよねぇ。冷めちゃった。じゃあね、バイバイ♪」
それ以来、あいつが俺の前に現れる事は2度と無かったのだ。
あいつにそんな人間と思われたまま消えてしまった。
なんか非常に損した気がする。
俺のヒーロー観もひどく傷つけられた。いや自分で傷つけたのか…?
そんなこんなを考えながらも、
もう今となってはあとの祭り。
そしてそれ以来、俺は精神的に少し立ち直れてない。
あのとき同時にヤツは俺のことを非常識だと言った。
人の家を勝手に覗くヤツに非常識なんて言われるのか?
とか少し思ったが、そんな疑問を
吹き飛ばすぐらいの薄い精神的ショックが、
今、俺の心と体を取り巻いている。
この淵からどうすれば脱出できるのか?
その方法を未だにつかんでいない俺なのだ。
(※)これまでにアップしてきた作品の内から私的コレクションを再アップ!
お時間があるとき、気が向いたときにご覧ください^^
動画はこちら(^^♪
https://www.youtube.com/watch?v=ZkRmdr9oD7M
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
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