19話 足取り
私は倉敷に桐谷の打撲を治してもらおうと頼み込んだ。
「ねぇ、この人の打撲を治してもらえない?」
「私を歩く救急箱って思ってるの?」
「そうだよ」
「ドストレートに言うね……」
そうして桐谷は打撲を治してもらった。
「ありがとう、これで捜査に協力できる」
「ああ、だから私の記憶を読まないでよ」
「気になることがあったからな、他の人には言わない」
「それを保証する物はないよね、だから私の記憶を見るな」
そう言って私と倉敷、桐谷は人の位置を入れ替えるレガリアを持っている人を探しに行った。
「それで、人の位置を入れ替える能力、その人の特徴は知ってるの?」
「いいや、知らない」
「ノーヒントで探すとなると、難しいぞ」
その時、路地から指パッチンする音が聞こえた。
「あれ、位置が入れ替わった?」
「そうだね、これが奴の能力……」
そう言って桐谷は路地に入っていった。
「もう……倉敷も行くぞ」
「分かった……でもどうなっても知らないよ」
私は奥にチンピラがいる事に気が付いた。
「桐谷!前を見ろ!」
「おっと、誰かいたか、私の能力の真骨頂を見せよう」
桐谷はチンピラの記憶を覗いた、そして指で何かを書いた。
「これで良し、こい!」
どうやらチンピラは私たちが見えていないようだった、桐谷の能力なのか?
「能力解除!」
そう言ったとき、チンピラが動き出した。動きを止めていたのか?
「これが私の能力、人の記憶を読み取れたり、人の行動を書き足したり、消したりできる」
「なるほど、わからん」
「そうだなぁ、直前までやることをできなくしたり、暇な奴に何かを強制させるんだ」
「強制ね……」
そう言って私たちは指パッチンで人の位置を入れ替える能力の人のもとにたどり着いた。
「ねぇ、あなた、悪戯でその能力を使うな」
「へぇ、悪戯に使っても、問題ないけど?」
私の左腕の感覚がちょっとだけ痺れてきていた。
「……何かをする前に潰す」
私は回し蹴りを奴に食らわせようとした、だがその回し蹴りは倉敷に当たった。
「ゴハッ!?」
「あ、ごめん」
「分からないのか、私の能力は」
「人の位置を入れ替える能力だよね、わかってるんだ」
その場には桐谷の体が無かった。
「逃げたのか……?」
また奴は指パッチンをした、だがその能力は不発に終わった。
「あれ、どうして?」
「私の能力でキミの能力を封じた、逃げられないようにね」
「この……」
その隙に私は拳を叩きこんだ。
「ドラドラドラドラァ!!!ディグユアグレェィヴ」
私は銃でも、拳でも、何でも扱えるんだ、ママが暗殺稼業をしているからかもしれないが。
「ごはっ……」
そいつは窓をぶち破り、ドアをぶち破った。
「これで大丈夫だろう、さて、あいつの個人情報を開示しないとね」
「東良溝口らしい、あ、逃げた」
奴の吹っ飛んだ方向を見たら。奴が逃げていた。
「逃がしたか……でもいい戦果だな」
「ああ、それでは、また会う日まで」
そうして桐谷は帰っていった。
「……どっと疲れたな、帰るか」
私は倉敷と話しながら帰っていった。
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