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第8話(AH1-8)

ルナ村を見た瞬間、既知感が押し寄せてきた。

ルナ村で店をまわり、服、靴、皮の鎧、鉄のショートソードを購入しながら確かめていく。

やはりこの村のことは知っているというか、前世で大好きでやりこんだRPG“ホシゾラファンタジー(ファンからはツンデレファンタジーと呼ばれている)”のスタートの村そのものである。

RPGでは、勇者は村長の三男アランである。


とりあえず、村長の家を訪ねることにした。


村長の家の前には村の若い男子が10名集まっている。

中心にいる老人、というか村長だと知っているが知らないふりで、何事かと聞くと。

村長:「旅の冒険者の方ですかね。もしよかったら力を貸していただけないじゃろか。隣接の森にゴブリンが住処を作ろうとしているのじゃ。村人の安全のために、何としてもゴブリンを一掃したいのじゃ。」

俺は頷き、この討伐隊に加わった。

このゴブリン討伐はRPGでの初めのイベントである。

勇者アランはここで活躍し、自信をつけ、魔王討伐の旅に出発するのである。


ただ、この異世界ではリーダーは村長の2人の息子である。

三男はそもそもいないようだ。

うーん、三男はいないのかぁ。

俺の知っているRPGそのものなのだが、勇者が不在である。

とりあえず、流れにのって、ゴブリン討伐にいってみるか。


討伐隊は森へ入っていった。

わりとゲートのある古墳もどきの近くにゴブリンの住処はあるようだ。

このゴブリンが間違ってゲートをくぐると元世界のダンジョンにゴブリンが現れるということか。


討伐隊は長男の合図で一気にゴブリンに切り込んでいった。

ゴブリン15体、討伐隊は村の若者10名+俺。

作戦なしの突撃。

俺がちょっと待ったという隙も無く、村人たちは戦い始めた。

長男次男はそれなりに戦えるようだが、残りの村人8人は見るからに素人である。

戦国時代の農民一揆はこんな感じだったのかなぁと頭をよぎったが、そんなことを考えている時間はない。

ゴブリン優勢である。

俺はワンテンポ遅れてしまったが、ショートソードでゴブリンをばっさばっさと倒していく。

レベル1とはいえ、剣技は健軍さんのおかげで磨いてあるので、Dランクモンスターのゴブリンは余裕である。

それに、RGPをやりこんでいたので、ゴブリンの弱点もしっている。

村人とやりあっているゴブリンを後ろからどんどん心臓一突きで倒していく。

結局、俺がゴブリン10体討伐、長男が3体討伐、次男が2体討伐である。


ゴブリンの死体はそのままにしておくと、別の魔物が寄ってくるということで、集めて焼くそうだ。

その前に、長男次男がゴブリンの胸をかっさばき、魔石を取り出している。


RPGだと倒すだけで魔石は入手できるが、現実は手間であることが分かった。


ゴブリンを焼き終えてからルナ村へ凱旋した。

村人たちがパーティーの準備をして待っていた。

結局、勇者アランはいなかった。

このパーティで勇者アランが魔王討伐の決意を語るはずであったが。


その晩は村長宅に泊めてもらった。

村長には隠し子もいないとのことで、RPG設定の勇者アランがいないことが確定した。

さてさて、魔王討伐のために誰をサポートすればいいのやら。。。

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