第76話(AH2-11)
白山アツシ譚 第2部 第11話
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俺は、戦で魔王軍の多くのネームド将校を倒し、軍議で魔王軍の情報を集めた。
夜、俺が野営テントの中で戦場の地図を広げ、考え事をしていると、
女性の声:「入ってもよろしいですか?」
豹人アツシ:「パサか。かまわない」
美しく品のある女性が静かに野営テントの中に入ってきた。
俺のゲームの知識から----------
パサは
・天空の狐人里を自らの意思で飛び出し、現在は虎人軍の百人隊長
俺の部隊に10人いる百人隊長の1人である
・狐人族の王女であり、狐人国の再興を目指している
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このことをパサ本人は軍において秘密にしている。
狐人パサ:「明日の戦術の確認ですか?」
豹人アツシ:「・・・ああ、そうだ」
狐人パサ:「いつも感心しますわ、その妥協をなさらないところに。ふふ」
豹人アツシ:「ありがとう、誉め言葉として受け取っておくよ、ふっ」
しばらく見つめあって、笑顔を交わす。
正直なところ、好かれているようで、好かれていないようで、よくわからないんだよな・・・
パサが何を考えているのか。
天空の狐人里を飛び出しているのだから、スパイというわけでもないはずだし。
お互いに百人隊長だったときにお互いの実力を認め合い、仲良くなった。
そして、俺が千人隊長になったときに、俺の部下になるといって、俺の返事を待たずに、部下になっていた。
それから毎晩、俺の野営テントにやってくる。
特に用事はないのだが、何かしらの差し入れをもってきてくれる。
そんなだから、俺とパサには、ありもしない噂が広まっている。
パサは気にしていないので、俺も気にしないことにしている。
美人の顔を毎晩見るのは、良いことである。
豹人アツシ:「今日の差し入れはなんだ?」
狐人パサ:「双角牛の干し肉とエルフ地方産の赤ワインですわ」
豹人アツシ:「いつもどこで手に入れてくるんだ?まあ、うれしいけど、ふっ」
狐人パサ:「私は顔が広いの、ふふ」
パサが俺の顔をじっと覗き込んでくる・・・
狐人パサ:「そろそろ・・・何かをする気なのですか?・・・」
豹人アツシ:「・・・・・!!!」
パサが俺の目をさらにじっと見つめてくる。
豹人アツシ:「・・・なっ、・・・なんの・・・ことだ」
俺は明らかな動揺を出してしまった・・・不覚・・・
狐人パサ:「誤魔化さなくても大丈夫ですわよ。毎日見ていれば、わかります、ふふ」
豹人アツシ:「・・・・・」
狐人パサ:「アツシさんについていきたいのです、私は・・・」
俺は警戒を解く。
豹人アツシ:「パサ・・・それはとても危険なことかもしれないよ。それでもいいのか?」
そう言いつつ、これから先、俺はパサを守り通すことが可能かどうかを脳内シミュレーションし始めた。
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