第7話(AH1-7)
昨晩、両親に長期出張へいくことを伝えた。
今、俺はゲートの前にいる。
ゲートの向こうは見えない。鏡のように自分の姿が映っている。
辛島副室長:「頼んだぞ。無事に戻ってきなさい。待っている。」
健軍:「思いっきり飛び込め。冒険を楽しんで来い。ただ、無理はするなよ。慎重にいけ。命はひとつだ。」
俺は二人を見て、頷いた。
そして、気合をいれて、ゲートに飛び込んだ。
そこは真っ暗な空間だった。
俺はファイヤを唱え、右手の上にファイヤボールを作った。
岩の壁に囲まれた小さな空間であることがわかる。
振り返ればゲートがあり、これをくぐれば元世界に戻れるということだろう。
とりあえず、目の前のスロープを登っていけばよい。
スロープの手前には袋に入った金貨が置いてある。
斥候メンバがこの世界で準備してくれた資金である。
スロープを抜けると森の中の広場だった。
こんもりとした古墳のようなところから俺はでてきた。
この出入口を草木で隠し、ステータス・ウィンドウの確認を行った。
氏名:白山アツシ
年齢:26歳
職業:リーダー
レベル:1
体力:20/20
魔力:10/10
知力:50
攻撃力:30
耐久力:30
素早さ:30
幸運:50
スキル:[ステータス・ウィンドウ],[言語翻訳]
魔法:[ファイヤ1]
確かにレベル1に戻っている。
元世界で剣術や体術に絞って訓練していたのはレベル1でも有効な技術だからなのだろう。
気を取り直して、冒険の準備をするために、近くのルナ村へ向かう。