第58話(AH2-1)
白山アツシ譚 第2部 第1話
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白山アツシ譚 第2部 開始--------------------
俺は異世界ゼロとつながるゲート・ゼロの前にいる。
ゲート・ゼロは会社設立よりも遥か以前からあり、現在は魔王討伐ミッションが禁止されている。
それは、このゲートをくぐった者で戻ってきた者はいないからである。
現在は、出てくる魔物をここから先に一歩も行かせないための防衛に専念している。
ちなみに、他のゲートよりも魔物が強い。
つまり、俺の訓練にはもってこいとのことである。
背後で、健軍さんが腕を組んで俺の戦闘をみている。
俺と魔物との戦いが終わるたびに、振り返りを行う。
その振り返りをメモしたノートは、山のように積みあがっている。
宝の山である。
健軍さんの指導の下、遥か昔にこのゲートを守っていた剣豪が残した兵法書に記されている剣術の奥義を俺は身体に叩き込んでいるのである。
繰り返し、繰り返し、身体に覚えさせていく。
量をこなすことは重要である。
そして、振り返りを通して質も上がってきている。
いまは、量と質のバランスがとれてきていることを実感している。
頭でロジカルに理解したことを、身体が反射的に動くように。
身体が反射的に動く動作が、剣術理論的に常に正しいものであるようになるように。
ともかく鍛錬を重ねている。
たまに、大江カオリさんと子飼リョウさんが見学にくることがある。
2人が見学しているときの魔物はなぜか強い。
俺は大江カオリさんにかっこいいところを見せるために、大技を繰り出す。
魔物が強くなっていても、それは俺の大技の前では誤差である。
健軍さんが渋い顔で見ている。
「大技に頼りすぎるな」と言いたいのだろう。
いいじゃないですか、今日ぐらいは。
大江カオリさんがいるんだから。
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