第57話 子飼リョウ視点(KO1-12)
大江カオリ譚 第1部 第12話(最終話)
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<子飼リョウ視点>
私は大江カオリさんのレポートを読んでいた。
レポート1:
・昔の知見の整理(古記録、神話、伝説、昔話、おとぎ話、大江家を含む“扉守り一族”の古文書)
・会社創立以来の知見の整理(O-TC-001~532)
・これら知見における疑問点の整理
・ゲートに関する仮説
・ゲート解明に向けてのアクション提案
レポート2:
・異世界O-TC-531に関する考察
レポート3:
・異世界ゼロに関する考察
大江カオリさんのすごさは、少ない情報からでも足りない部分を考察力から補完し、正しい答えを推定する能力だ。
それは直感ではなく、直観である。
つまり、本質を見抜く力である。
私はこれまで長い年月をかけて、知見データベースを改ざんしてきた。
多くの真実と少しの虚を巧妙に織り交ぜることで、正しい答えにたどり着けないように改ざんを行ってきた。
その迷路を仮説により一つの道筋に戻していく。
この仮説を立証するための強力な仲間ができた今、このまま放置すると数年後には解明されてしまうだろう。
それを、私は望まない。
そうさせるわけには、いかない。
異世界ゼロの住人である私としては。
--------------------大江カオリ譚 第1部 完
大江カオリ譚 第1部はこれで終了です。
お読みいただきありがとうございました。
機会があれば、書き飛ばした部分を短編として執筆しようと考えています。
現在、
白山アツシ譚 第2部
を執筆中です。
しばらくお待ちくださいm(__)m