第4話(AH1-4)
出水室長と辛島副室長が入ってきた。
出水室長は社長直属の戦略室の室長であり、50代後半のダンディーな男性。
辛島副室長は出水室長の右腕であり、40代前半のハイヒールがトレードマークの超絶美人。
どちらも社内では超有名人であり、実質的に会社方針を決めているのはこの二人だと噂されている。
ステータス・ウィンドウがみえた7名が集められたとのこと。
この7名は主務を現所属、兼務を戦略室内のニュー・ゲート・グループとなる辞令を受けた。
辛島副室長はニュー・ゲート・グループのチーフだということを知った。
前世での記憶をたどると、確かにシュウは2003年から戦略室兼務になり、ほとんど戦略室の業務をしていた。そして、2005年で退職となり、その後、シュウと連絡を取ることができなくなっていた。
シュウの両親に尋ねると、転職して海外赴任中と教えてくれたが、それ以上は詳しくは教えてくれなかった。
現世では、俺もそのニュー・ゲート・グループの一員になったということか。
もしかしたら、シュウが失踪した理由がわかるかもしれないし、シュウの失踪を防ぐこともできるかもしれない。
そして、もしかしたら大江さんと仲良くなれるかもしれない。
辛島副室長から今後について一通りの説明を受けて解散となった。
その夜、俺は自室のベッドでステータス・ウィンドウを眺めていた。
氏名:白山アツシ
年齢:25歳
職業:リーダー
レベル:1
体力:20/20
魔力:10/10
知力:50
攻撃力:30
耐久力:30
素早さ:30
幸運:50
スキル:[ステータス・ウィンドウ],[言語翻訳]
魔法:[ファイヤ1]
そして、辛島副室長の説明を思い出していた。
・入社基準に魔力内在の有無があった
・1年間の新人育成プログラムの中に魔力を引き出すトレーニングが盛り込まれていた
・2年目初日の健康診断で魔力が引き出せたかを、ステータス・ウィンドウ・オープンできるかで確認した
・ステータス・ウィンドウ・オープンできる人材は毎年1%前後
これからのミッションでこのステータス・ウィンドウは必須スキルとのこと
・具体的なミッションは明日に個別に説明がある
なかなかファンタジーな話である。
ステータス・ウィンドウが見えるという事実がなければ、まったく信じられないことである。
突飛すぎてニュー・ゲート・グループのメンバ以外には言えない。
頭がおかしくなったんじゃないかと言われてしまうだろう。
両親には絶対にいえないなぁと思う。
タイムリープし、現世ではステータス・ウィンドウが見える。
なぜ俺にこのようなことが起きたのか。
神が俺に何かを求めているということなのか。
とりあえず、おいそれと話せることでもないので、自分の胸にしまって、現世を生きていこうと思う。