第195話(KO4-4)
大江カオリ譚 第4部 第4話
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大江シオリ会長:「なかなか大胆な仮説ですね」
藤崎フミマロ社長:「つまり、・・・これまでの異世界はすべてつながっており、それらすべての異世界は、あるひとつの世界の構成要素であるというのだな。我々の世界に多くの国があるように」
江津コウジ副社長:「そして、今回のゲートは、これまでのゲートとは異なる挙動をしており、別の世界へのゲートであると考えられると・・・」
大江シオリ会長:「いったい世界はいくつあるのでしょうか。我々の住むこの世界、異世界人の住む世界、そして今回新たに発生したゲートの向こうにある未知の世界。少なくとも3つはあるということですね」
子飼リョウ:「はい。みなさまの考察の通り、私も、その3つ目の世界へのゲートの可能性が最も高いと考えております」
十中八九で天界ゲートだと知っているアツシさんと私は、どきどきしながらこの議論を聞いています。
時折、意見を述べたり、意見を求められたりしますが、子飼先生が魔界の魔神であることだけは隠しつつ、発言していきます。
さすが子飼先生、うまく結論を誘導していきます。
子飼先生のこれまでの実績や信頼があるからというのも合わさって、子飼先生が言うならばというところも、もちろんあります。
それでも、子飼先生は、この情報レベルで、仮説も使いながら、矛盾がないことを説明し、第3の世界の存在の可能性が高いことを相手から引き出していきます。
まるで、相手が自分自身でその結論を導き出したかのように。
大江イオリ御祖母様、大江シオリ会長、藤崎フミマロ社長、江津コウジ副社長の方々は、もちろん、そのようなことはわかっていながらも、一緒に議論して、一緒に考えて、一緒に結論を出すという行為に満足しているように見えます。
大江イオリ御祖母様:「フミマロさん、コウジさん。それで、ゲート開発の状況はいかがなのかしら」
江津コウジ副社長:「はい。コア部分をアーキファクトから流用し、ゲート発動装置の試作品は完成しています」
藤崎フミマロ社長:「ゲート発動に必要なエネルギーの解析と1回分のエネルギーの蓄積は完了しています」
江津コウジ副社長:「あとは・・・、コア部分に、はめ込む宝玉ですね・・・。どちらか1つしか、エネルギー的に試すことができません」
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この国の皇室とゆかりの深い神々を祀る神宮は25社あります。
その中のひとつに、赤の宝玉と白の宝玉が祀られている神宮があります。
約百年前に、大地震があり、その神宮にある「異界への岩戸」と呼ばれている洞窟の入り口が少し開きました。
そして、この洞窟の奥にはアーキファクトが眠っていたそうです。
大江サオリがこの会社を創業し、その後、このアーキファクトの研究が始まりました。
神宮の宝玉を研究材料にするのだから、当時はいろいろと神宮ともめたと聞いています。
政府が仲介し、この国の王を動かし、神宮を説得するまで何年もかかったそうです。
研究は、困難を極めます。
明らかにこの世界の現代の技術では造れない。
古代文明の技術なのか、異世界の技術なのか。
でも、このアーキファクトの研究により、わが社の技術力は他社を圧倒することになっていく。
解析力/分析力、考察力、創造力、製造力など
すべての技術分野で高い力を得ていくことになっていきます。
その技術の一部を、主にエンドユーザー向けの製品に還元しています。
そして、その利益を使って、アーキファクト研究や異世界研究を進めています。
エンドユーザーにとっても、社会生活を潤し、文化を変えていく、なくてはならない企業として、わが社は認識されていきます。
世界中の人々の期待を超えていく製品や体験を提供し続ける企業。
その根底にあるもの、それが異世界研究であり、異世界について検討/検証を続け、アイデアを生み出し続ける作業なのです。
それを成し遂げていくのが、わが社の優秀なエンジニアの方々なのです。
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