第191話(SH4-5)
八王寺シュウ譚 第4部 第5話
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夜の静寂が徐々に薄れ、空が淡いオレンジ色に染まり始める。
湖畔の水面は静かに揺れ、朝の光を受けてキラキラと輝いている。
そして、太陽の一部が顔を出し、湖面に黄金の道が伸びる。
広大な湖畔に佇む屋敷の近くに、巨大なグリフォンが優雅に降り立った。
翼を広げ、風を巻き起こしながら、その鋭い爪が地面に触れる。
俺はその背中から軽やかに飛び降り、足元に広がる草原の感触を確かめた。
なんだか、だいぶと、久しぶりの地面である。
巨大なグリフォンの黄金の羽毛が朝陽に輝き、その威厳ある姿が一層際立っている。
巨大なグリフォンから光が放たれ、西風神プタロスの姿へと戻っていった。
西風神プタロス:「ふー、やれやれ、疲れたわい」
西風神プタロスは、屋敷の方へと歩き出した。
俺も、それについていく。
・・・・・・・・・・
屋敷の前には、老人が立って、こちらを見ている。
その目は優しさと知恵に満ちている。
老人はゆっくりと歩み寄り、温かい笑顔で俺たちを迎え入れてくれた。
老人:「プタロス。随分と久しぶりじゃの。何百年ぶりだろうか」
西風神プタロス:「ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ。エテトスよ。相変わらずじゃのぉ。もう少し驚いて、再会を喜こべんもんかのぉ。ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ」
エテトス:「ふっ、ふっ、ふっ。驚いて、喜んでいるわぃ。わからんのか?」
西風神プタロス:「わかっておるわい。ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ」
二人はハグをし、屋敷の中へと入っていった。
この老人は、南風神エテトスであった。
西風神プタロス
東風神オヌロス
南風神エテトス
北風神ヴェルアス
が総大魔神オルウスの側近4柱と呼ばれた兄弟なのだそうだ。
数百年前に、唐突に、側近を解雇された。
西風神プタロスは、理由を求めて、総大魔神オルウスのもとを訪れたときに、ブルイドンに拘束され、監獄島に送られたということだ。
西風神プタロス:「エテトスよ。その後の天界の様子、いや、総大魔神オルウス様の様子を教えてくれ」
南風神エテトス:「そうじゃの。儂も解雇されておるから、それほど詳しくは調べ切れておらんが、・・・」
そういって、南風神エテトスは、数百年間のトピックスを語り始めた。
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