第173話(RK3-2)
子飼リョウ譚 第3部 第2話
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レジオ39、つまりO-TC-537のゲートが出現した。
斥候には、必要最低限の情報しか、持ち帰ってこない男を指名した。
決して、能力が低いわけではない。
真面目な男なのである。
しっかりと、私の望みである“必要最低限の情報”を持ち帰ってくることだろう。
白山アツシに、必要以上の事前情報を与えないために。
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白山アツシは、その“必要最低限の情報”を読み、嬉しそうな顔でO-TC-537へのゲートをくぐっていった。
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私は、観客に紛れて、円形闘技場での、すべての白山アツシの闘いを見てきた。
いつも、無駄のない闘い方をする。
初見であるはずの相手の動きを知り、相手の弱点を知っているような。
不思議でならない。
ただ、答えがわからない。
というよりも、私の想像を超えたところに答えがあるから、気づけないのかもしれない。
私は、肉厚の重量のある長/短のグラディウスを、白山アツシに贈った。
このグラディウスなら、白山アツシの全力の力にも耐えることができるだろう。
ここまで生き残ったことへのプレゼントと、
まだまだ生き残ってもらい、観察を続けたいという思いからである。
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白山アツシは、ジャロルタクスを突き刺した長グラディウスを引き抜き、[ヒール1]で応急処置を施している。
これまでの他の異世界の報告書からも、白山アツシは、必要とあらば、相手を殺すこともいとわない男である。
それが、はじめから殺さないことを決めていたかのような振る舞いである。
即死にならない腹部への攻撃。
すぐさまの応急処置。
殺さない理由は、なんであろうか・・・。
でも、これで、ジャロルタクスは、助かるだろう。
私の中に、ある仮説が生まれた。
白山アツシは、未来を知っているのではないか。
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