第132話(AH3-13)
白山アツシ譚 第3部 第13話
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俺は、神秘の洞窟、(そこは巨大なダンジョンであるのだが)、を一度も道に迷わず、一回も罠にはまらず、魔物を必要最低限だけ倒して、最下層にたどり着いた。
ゲームでは、タイムアタックをやり込んだダンジョンだ。
さすがに、自分の左足がかかっているとなると、失敗は許されないし、急がなくてはならない。
過去最高の記録が出たと思う。
大賢者レオナルド:「あなた、何者なのよ~。ますます、惚れるわ~♡」
どんなに惚れられても、俺は、女性が好きだ!
ごめんなさい、本当にごめんなさい。
絶対に無理。
まじで無理。
苦笑いしながら、心の中で叫ぶ俺がいる。
最下層の大広間には、グリーンドラゴンが寝そべっていた。
その背後の祭壇には、蓄魔の宝珠がはめ込まれた杖が祭られている。
グリーンドラゴンの大きな清んだ瞳が、俺を見つめている。
グリーンドラゴンの大きな重低音の温かい声が、大広間に響く。
グリーンドラゴン:「よくぞ、ここまで来た」
アツシ:「・・・」
グリーンドラゴン:「ブルードラゴンの炎が、左足に入っているのだな」
俺は、グリーンドラゴンを見つめたまま、静かに頷く。
グリーンドラゴン:「では、どちらかを選べ。この場で蓄魔の宝珠で治療して立ち去るか、・・・我を倒して蓄魔の宝珠を持ち去るか・・・。どっちだ?」
グリーンドラゴンは、俺のことを凝視したままだ。
アツシ:「この場で、蓄魔の宝珠で治療して、立ち去る」
グリーンドラゴン:「欲のないヤツだな。でも、それが正しい。不必要な物欲は死を招く。ぐあっ、はっ、はっ、はっーーー」
まあ、欲しいかと問われれば、もちろん欲しいのだが。
必須かと問われれば、必須ではない。
俺は、アイテムのコレクターではない。
必要十分なモノだけあれば、それでよい。
グリーンドラゴン:「大賢者レオナルドよ。随分と久しぶりだな」
大賢者レオナルド:「そうね、用事がないからね」
グリーンドラゴン:「ぐあっ、はっ、はっ、はっ、相変わらず、そっけないことだ」
大賢者レオナルド:「私は、人族の美男子が好きなのっ。ドラゴンは対象外」
グリーンドラゴン:「ぐあっ、はっ、はっ、はっ、わかっておる。さあ、レオナルドよ、お前が、その美男子の左足を治してやれ」
大賢者レオナルド:「もちろん、そのつもりよ。アツシ!、祭壇に行くわよ♡」
蓄魔の宝珠が、俺の左足からブルードラゴンの炎を吸い取っていく。
ズキズキとする痛みが消えていく。
グリーンドラゴン:「完全にブルードラゴンの炎は抜けたようだな。して、そなたは、何を目的に生きているのだ?」
アツシ:「魔王討伐」
大賢者レオナルド:「ふふふ、そうなのね♡」
グリーンドラゴン:「また、大きなことを言うヤツだ。ぐあっ、はっ、はっ、はっーーー。よかろう、ますます気に入った。これを持っていくがよい」
グリーンドラゴンの鱗をゲットした。
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