8 王の無言 ゾニエル怪物の幹部ジョロウ蜘蛛怪物
戦いは長期化し夜になっていた
目を緑色に光らせたカブターと一緒にゾニエル怪物たちの激戦区、その最前線に来ていた。
人、ザルタス、ゾニエル、マジンドール、三方向で戦闘を繰り広げているが人間側の損耗率はすさまじい。
装甲車で搬送されていく警察官たちや軍人たち
撃てええええええええええええええええええええええええ!
パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!
数人がかりでゾニエル怪物に発砲するも
うわああああああああああああ!
案の定、弾雨をもろともせず前進してくると手足を振るい一撃で人間たちの命を刈り取っていく。
ああああああああああああああああああああああああああああああああ!
血しぶきが空を舞い、いくつもの断末魔の悲鳴があがった。
そして、それだけの犠牲を払いようやく怪物たちの中にも命を落とす者が現れる。
俺がカブターに並び立つとカブターは言った。
勘違いするな。俺と貴様は敵同士、一時的に共闘しているにすぎない!
そうだ。それでいい。お前は、俺の敵だ!
先にいくぞ!
飛び込んだカブターがカブトガニゾニエル怪物に殴りかかる
はあ!
右フック
はあ!
左ローキック
はあ!
左で軽く突き飛ばし距離を取り
はあ!はあ!
レバーに左、右と叩き込む
拳を振るうがゾニエル怪物はビクともしない。
加えて言えば、志道は格闘経験者ではない。特殊な戦闘訓練を受けたわけでもない。メディアや携帯端末などから得た知識を見よう見まねでマネて拳を振るっているだけの素人だ。
そのバトルセンスに多くを期待することが間違いと言ってもいい。
いつの話かはわからないが、ゾニエル倒すために設計されたであろうジェノサイドと違い。対ザルタスのための力であるインセクターではパワー不足だ。
カブターがいくら殴ったとてゾニエルの皮膚はあまりに硬く、手数でなんとか押しているかのような手応えだ。
当然、以前の勝利も俺が手助けをし弱らせた末に勝ち取った勝利でしかない。
俺はジャンプしてカブターの隣に着地すると
はあ!
カブターが殴ったあとにタイミングを合わせ拳を振るう
ぬん!
カブターとは対照的に重い一撃がカブトガニ怪物が逆U字にはね飛ばす。
す、すごい!
それを横で見ていたカブターから驚きの声をあがる
俺も負けてられるか!
はああああ!
辺りのゾニエル怪物を一掃し終わると。
わああああああああああああああああああああ!
悲鳴がした。
見れば、いまにも襲われそうな
カマドウマゾニエル怪物が府警を襲おうとしていた。
はあ!
カブターが両手を広げてわが身を盾にするとカマドウマ怪物の攻撃が振り下ろされ、背中から大量の火花が噴き出す
ぐああああああ!
府警におおいかぶさるように身をていするカブター、その背をカマドウマ怪物がカブターを何度も殴りつけ火花を散らす
ぐああ!ぐあ!ぐお!
きゃあああああああああああああ!
悲鳴をあげる府警をカブターが元気付けた。
大丈夫だ!俺が守る!
新たに拳が振り下ろされようとしている。
そうはさせるか!
ぬん!
俺は横から飛び込むとカマドウマ怪物を殴り飛ばした。
すまない!
いくぞ!
ああ!
駆けあがるように立ち上がると2人でゾニエル怪物たちを殴りつけ敵陣に切り込んでいく。
ぬん!ぬん!ぬん!
はぁ!はぁ!はぁ!
誰ともなく刑事が言った。
すごい・・・。たった2人でゾニエル怪物たちを抑え込んでいる!
驚く警察官たち、自分たちは誇り高い警察官と兵士であり、まともに戦えない相手を前にしても一歩も引くことはできない。
そんな決意と逃げ出したい本心のはざまで俺とカブターの存在は人々に希望を与えていた。
彼らを死なせるな!
「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」」
沸き立つ警察官と兵士たちがあちこちでゾニエル怪物に戦いを挑む。
人5対ゾニエル1でもゾニエル怪物が優勢だ。
ザルタス怪物たちとマジンドール怪物たちが人間を利用する形でゾニエル討伐に加勢する。
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・
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・
・
警察官と兵士たちの加勢を目にして心強い気持ちになる。
ありがとう。
決死の思いで拳を振るう
はあ!
右拳がオラウータンゾニエル怪物を殴り飛ばすがそこまで意味はない。
ザルタスと均衡する程度の力しかない俺ではゾニエル怪物の表皮は硬すぎる。それに強い!
そのときだった!
ギイイイイイイイ!
目の前のオラウータン怪物が殴り飛ばされ悲鳴をあげる。
お前の相手は俺だあああああ!
両手で叩きつけるように肩をつかまれた。
ゴキブリゾニエル怪物だ!
しゃらあ!
ぐお!
遠心力でぶん投げられる。
がれきの上に叩きつけられた
早く相手を見なければと反射的に前を向くと
目の前に拳が迫り
しゃらああ!
頬を殴り飛ばされた。
なんて重い一撃だ!
だが痛がっている暇はない!
ゴキブリ怪物!
俺はやつの肩をつかみやつも俺の肩をつかみぐるぐるぐるぐる回り互いの背中を壁に叩きつけ合った。そのたびにコンクリートの壁が崩れていく
こんんのおおおおおおおおおおおおおおおお!
カブターああああああああああああああああ!
ゾニエル怪物ですら手を焼くのに相手はそのゾニエル怪物の幹部。
なんて馬鹿力だ!
そこにさらに別のゾニエル怪物の幹部たちが現れる。
ザリガニゾニエル怪物とイカゾニエル怪物とジョロウ蜘蛛怪物だ。
万事休すかと思われたそのときだった。
それを助けたのはザルタス怪物の幹部たちだった
バサバサ!と空を飛んできたコウモリ怪物がザリガニ怪物をつかむと1000mほど空高く上昇していく。
待て!
イカ怪物が触手を伸ばしてコウモリ怪物を叩き落とそうとするも、触手が見えない糸にからまって身動きが取れなくなる。
くっ!なんだこれは!
暴れるほど糸がからまり、いつの間にか背後に立っていた蜘蛛怪物が首筋にガブリと噛みつき毒液を注射していく。
ゴハッ!
神経毒で両膝を折るイカ怪物が頭からガッツリ丸かじりにされると同時
グシャ!
ザリガニ怪物が高高度から叩き落とされ痙攣している。
さらばだ!
ジョロウ蜘蛛怪物がひとり逃亡する。
ゴキブリ怪物がそれを見て悪態をついた。
馬鹿が、古代人類であるザルタスを過小評価しすぎだ!
俺は戦慄を覚えた。
明らかに身体能力で劣るはずの戦闘に勝利してみせる異常事態。
これがザルタスの実力!
カブター!よそ見をするな!
ゴキブリ怪物が叫ぶと
しゃらあ!
殴り飛ばされる
痛くなんてない!
そう強がり右拳でゴキブリ怪物の硬い頬を打ち抜く。
はあ!
ゴキブリ怪物はカウンターを合わせようと左拳を振るってきた
しゃあ!
戦いの場はいつのまにか河川敷「かせんじき」の橋に来ていた。
激しい戦いを繰り返すうちにかなりの距離を移動していたようだ。
数十メートル下ではサラサラと小川が流れている。
俺とゴキブリ怪物は互いに後方へとジャンプして一度距離を取った。
場の空気が変わったからだ。
この圧力は・・・。圧倒的強者の気配・・・。
その予感は当たった。
ザルタスの女王クロネコザルタス怪物が姿を表したのだ。
そしてそれに対抗するように空から急降下してきたのは黄金のダニ
ゾニエルの王、ダニキングだ!
クロネコ怪物はぶやいた
ダニキング・・・。
次の瞬間クイーンとキングが姿をかき消すほどに高速移動する
コンマ一秒で目で追えないほどの、激しい!激しい戦いを繰り広げ!
途中からやつが参戦した。自らをジェノサイダーと名乗るやつがだ。
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二つの王に割って入るように着地する。
ザルタスの女王、そいつの相手は俺に譲ってもらおうか?
いきなり鋭利なクイーンの爪が襲いかかるがそれをパシッ、と受け止める。
な!
止めたことに驚くクイーン。
頼む。
もう一度頼むとニヤリと笑うクイーン
ふ、おもしろい。お前がやつを狩るか。
私の血を吸って育ったあのダニを、無名の、それも人間が狩るか。
ああ!
よかろう。
俺は地面に着地すると一歩、前に出る。そして大仰なセリフを言うことにした。
見ろ。そして知れ。大いなる闇ジェノサイダーの力を・・・!
俺は
ぬん!
これを使う。
4本のビームソードを右手にはさみ、さらにビームソードを左手に4本はさむと同時に8本のビームソードを起動させた!
シュイーーーーン!と機動音が鳴る。
そしてそれぞれ必殺状態にすると8本のビームソードの分厚さが倍になる
色とりどりのビームソードが光り輝く!
対するダニキングが気力を高めるとダニのオーラが周囲を威圧する
それに対抗して俺も気力を高めると7種の宝石のような虫たちが現れる。
7種の虫たちとダニのオーラが激しくぶつかり合う
気力が高まり周囲を爆発させていく。
いくぞ!
ぬん!
足に力を込め、彗星のような高速タックルかます。
そのまま両手を構えるダニキングに突撃した。
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休むなカブター!
しゃらああああ!
背面後ろ蹴りを両腕をクロスさせ受けきり
すかさず飛び込んで来ると拳を振り下ろされ殴りつけられる
ぐああ!ダメだ!痛みに耐えろ!痛みより相手を見るんだ!
激痛に耐え、目だけはゴキブリ怪物の挙動を細やかに見ていた。一瞬の油断をしないことで攻撃を避け続ける。
ここまでだ!終わりだ!カブター!
ゴキブリ怪物が最強の一撃を放とうと両手を前に突き出すと両手を下に振りかぶり反動をつけて
しゃらあ!
ジャンプする100mは飛んだと思われる大ジャンプのあと右の拳を振りかぶる
すると黒いオーラが拳にまとわれた
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
ダーク・ローチ・フィニッシュ!がさく裂する。
俺も持てる最大威力の技で迎え撃つ
はああああああああああああああああああああああああ!
緑色の力が右拳に宿る。
ダメだ。これだけじゃ足りない。もっと力を込めるんだ!
はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!
目の前の敵目がけて迎え撃つ
右の拳に神が宿ったかのように緑色の力が巨大に発光して限界を超える
はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
黒と緑、二つの力が激突する。
瞬間的に勝利を確信するゴキブリ怪物
カブター!お前の命運もここまでだ!
そのときだった。
「「志道、負けないで!」」
三上と三原のそんな声が聞こえた気がした。
俺には信じてくれる人たちがいるそう思うと力が沸き上がった。
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
その気迫が力となって黒い拳が砕け散り目の前に緑の拳が迫った。
な、なに!
うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!
大爆発を巻き起こす。
爆発の中からゴキブリ怪物の胴と頭が落ちた。
力が拡散すると最後に立っていたのは俺だった。
か、勝った・・・。
周囲を見回しても彼女たちがいるはずもない。
いまもテントにいるはずだ。
極限状態で見た幻聴だったのかもしれない。
そのときだった!
おーい!志道ー!
向こうのほうからかけてくる影が見えた。
その陰の輪郭が見えてくる三上だった。
三上!なんで!それだけじゃない三原もこちらに走って来ると抱き着いた
どうしてここに!
志道が戦ってるかと思ったらいても立ってもいられなくなっちゃって!
心配したんだから、よかった・・・。
抱き着きホロリと涙を流す三原
す、すぐに避難して・・・あ、あれ?
そのまま倒れるように座り込んでしまう。
立てなかった。
私に捕まって!
そう言って右に三上が回り込み、お疲れさま。と言って左に三原が回り込むと肩を支えてくれる
ごめん。
2人の肩を借りて起こしてもらった。
・
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・
・
・
ぬん!
ムチのように振りかぶった右手のビームソードたちがダニキングを殴り斬る。
斬撃がダニキングを切り裂くがやつの能力だろう。
傷が瞬時に再生してしまう。
ダニキングの手にした指輪を中心にすさまじい力が増大していくのがわかった。
突撃してくる攻撃を左に避け片足を抱え込むと
ぬん!
一本背負いでコンクリートの柱に叩きつけ、同時に両手の爪風のビームソードで足を切り飛ばすが、
切り離した切断部から足が瞬間的に再構成されていく。
化け物か!
両手で跳ね上がるとそのままタックルしてきた。
ぬん!
すかさずダニキングの首をつかみ投げ飛ばす。ダニキングがコンクリートの柱にぶつかると柱が3本砕け散る。
当然、それで死ぬような相手ではない。
ぬん!
右の突きと同時に指の間のビームソードで斬りつけるも両断するにとどまる。
それでも平然と動くダニキング、じゅくじゅくと泡を立てて斬れた細胞がすぐに再生していく
やはり強い。なら!
俺は炎と水と電気を交差するように両手から撃ち出すとそれぞれが化学反応を起こして大爆発を巻き起こし後方に吹き飛んでいく。
逃がすか!
吹き飛ぶダニキングをさらに走って追いかけ、両手のビームソードを投げ捨てる。地面を踏り空中にジャンプ、空中で右拳を腹側に引き寄せ、
右拳に込めるのは赤、青、緑、黄、紫、ピンク、黒のそれぞれのインセクターの力!
これをくらえ!ぬん!
ダニキング目がけ7つの力を叩きつけた!
すべてを両断するインセクターの一撃を受けダニキングが大爆発を巻き起こす
ヘラクレスコーカサスアトラスギラファノコギリアルキメデスヒラタパラワンオオククワガタカブトスラッシュ!
さらに大爆発したダニキングを
ぬん!
左の突きで地面に串刺した瞬間、ダニキングの力が急激に増したのがわかった。
来る!
瞬時に判断して飛びのくと
立ち上がるダニキングの右手に10本の指の指輪からエネルギーが送り込まれていた。
あの黄金のエネルギーだ。光っている!
当たれば今度こそ死ぬ!
空を浮遊してまっすぐ突っ込んでくるダニキング
ぬん!
左腕のXリングの力を4つすべて解き放ち、Vストーンの力を強化する。
自らの拳を握りしめると見た。
力の流れが目で見える。
かつてないパワーがこの手に宿る・・・!
勝つのは・・・俺か・・・お前か・・・いくぞ!
ぬん!
ダニキングがその光る右手を突き出したと同時にXリングで強化された4つのVストーンの力をまとった拳が交差する。
俺の頭の横をキングの拳が通り、俺の拳がキングの胸を打った!
キングの分厚い胸の装甲が砕け散る!
ギィ!
痛みに悲鳴をあげるダニキング
行ける!
その一瞬のすきをついて何度も強化Vストーンの力を叩き込んだ。
俺は深呼吸するようにすーっと息を吸うと
ぬん!
さらに胸に拳が突き刺さる
振るうのは食い込んだ左の拳だけ、そう判断してさらに拳を叩き込む
ぬん!ぬん!ぬん!ぬん!ぬん!ぬん!
赤、青、緑、黄の光が拳から発光し明滅しやつの体に破壊のエネルギーが叩き込まれる
何度も!何度も!
ぬん!ぬん!ぬん!ぬん!ぬん!ぬん!ぬん!
何度も!何度も打ち付ける
ぬん!ぬん!ぬん!ぬん!ぬん!ぬん!ぬん!ぬん!
叩き込まれた拳がいよいよ装甲を貫通するとキングの胸に突き刺さる
拳をねじりこむように右に思いっきり回転させた。
ぬーーーーーーーーーーーーん!
ドクドクとダニキングの胸から青い血がしたたる
ぬん!
最後にダニキングのくちばしを左手で引きちぎり投げ捨てる。
右拳を引き抜き、弱った胸部を両の拳を叩き込んだ。
ぬん!ぬん!ぬん!ぬん!ぬん!ぬん!ぬん!ぬん!ぬん!ぬん!ぬん!ぬん!ぬんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!
ギィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
悲鳴をあげるダニキングはだらんと腕をたらすと次第に目の光を失っていく。そして・・・。
バタン。
倒れズルズルとがれきの山の上を滑って行った。
かっ、勝った・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は!
ぼーっとしてしまった。
激しい・・・激しい戦いだった。
忘れないうちに戦利品を回収しておこう。
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!
地震か・・・あれは!
ダニキングの頭部が体から切り離されひとりでに動き出すと巨大化し、無数の蜘蛛のような足が生えて化け物になった!
なんだと!
そこにボロボロになりながらかけつけたのかカブター。
目の前の怪物を見て唖然としている。
突然目の前が爆発すると周囲が無差別に爆発していく。
原理はわからないが間違いないダニキングの攻撃だ!
ならば!
俺はダニキングのクビなし死体まで走ると力の源であるであろうキングの指輪を奪い取る。
1粒でかなりの性能を発揮するようだがキングの指にはそれが10本の指すべてについていたのでそれをすべて奪い取り一個ずつ指にはめていく
左の小指に
カチッ!
左の薬指に
カチッ!
左の中指に
カチッ!
左の人差し指に
カチッ!
左の親指に
カチッ!
すでに体の外にあふれる力を感じるがまだまだ強くなれる。
右の小指に
カチッ!
右の薬指に
カチッ!
右の中指に
カチッ!
右の人差し指に
カチッ!
右の親指に
カチッ!
すさまじいオーラが体からあふれる。
ふはーっはっはっ、ふはーはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!やったぜ!
その異変はすぐに起きた。
ぐが!・・・かはっ!・・・体が・・・熱い・・・!ぬごおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!みなぎるぞ!これがキングの力あああああああああああああ!
体はジェノサイダーに変身したままの状態で全身の力を感じ取り精神を集中させる。
ぬん!
大気が震えた。
足の周りが砕け散り、倒壊したビルの窓ガラスがすべて吹き飛んだ。周囲のがれきが浮遊していく。
腹に赤、青、緑、黄の光が灯る、手の中に六角形の謎の固形物が現れ、それを目の前に構えた。
首に1000のドッグタグを下げる
腰から下げた4つのキーホルダーが体に4重に装着され
変・身!
体から出た37つの光がすべてを吹き飛ばすと光に包まれ中からが姿を現す
頭部が縦横縦横無尽な角のある体が赤、青、緑、黄の四色の宝石の輝くと首のドッグタグが胸から両腕にかけて広がり鎖のように巻き付いていき両腕両足のXリングが赤、青、緑、黄から4つ黄金に光りその光は鎧全身へと広がってチェンジする
ルビーサファイアエメラルドイエローダイヤジェノサイドヘラクレスコーカサスアトラスギラファノコギリアルキメデスヒラタパラワンオオククワガタカブトインセクター1000ドッグタグゼロワンツースリー・XXXXXリングフォーム
カブターの37まわり大きくなる
ぬん!
俺は力を込めると空中に浮遊していく
ギイーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
キングの成れの果てが威嚇の咆哮をあげる。
ここまでだ!ダニキング!
キングの力で光り輝く剣を召喚した。
キングソード!
光の粒子をまき散らす剣に最大限力を込める振り上げる
消え失せろ!ぬん!
全力で振り下ろした!
ギイーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
光の剣撃が周囲もろとも邪悪な怪物を打ち払いダニキングは消滅したのだ。
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数時間後、ザルタス怪物の軍勢がゾニエルの大軍勢がいる本拠地を襲撃する。
ザルタスの女王クロネコ怪物が指示を出す
持ち出せるものはすべて持ち出せ!
幹部ほどではないが知性の高い部下たちが家探しをする。
武装、資源、技術まで何からなにまですべてを奪い取る。
こうしてゾニエルの技術はすべてザルタスが回収、古代より続く長く因縁は断ち切られ、ザルタス勢力はまた一つ、高みへと上り詰めるのだった。
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戦いは終わり平和が訪れる。
いつもの日常が帰ってきた。
学校の放課後、すでに空は夕焼け色だ。
桜の花びらがヒラヒラと舞い散っている。裏庭の桜並み木の下、志道と三原は一緒にいた。
まさか転校しちゃうなんてね。
そうだな。三上がいなくなると寂しくなるな。
将来は医者になるって言ってたっけ。
医者か、すごいな。でもあいつらしい。
私ね。将来は弁護士になるつもり。志道は将来何になりたいの?
え?将来か~、そうだな~。
俺、将来旅人になりたいんだ。
旅人?
そう、世界を回って困ってる人を助けたいんだ。
志道らしいね!
できるかな?はは、自信なくって・・・。
志道なら・・・・・・できるよ。
風が吹いた。桜の花びらがひらひらと舞うのが間を埋める。
三原・・・好きだ。俺と付き合ってくれないか。
見つめ合い青春を送る男と女にそれ以上の言葉は必要なかったのかもしれない。
うう・・・ううう・・・。
そんな二人を木の陰から見てボロボロと涙を流す。誰も知ることがなく三上の恋は終わりを迎える。
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桜の花びらが舞い散る道をバイクで走る。。
転校することした。
いずれ志道と会うこともあるだろう。
いずれまたな。
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カブターか・・・。
警察内部、机に放り投げられた資料には写真がクリップで付いていた。
写真の中には怪物と戦うカブターが映し出されている
警視総監は言った
それともう一体の写真は何故ないのだね?
答えたのは側近の男だ。
それがもう一体に関しては現場の者の話では速すぎてとらえきれなかったようです・・・。
なんたることだ・・・
不機嫌な顔をしてから資料を見てにやける男は言った
ふ、プロジェクトメカカブター、実現までこぎつければ我々人類の武器となる。化け物どもが目にも見せてやる。そうなれば我々警察は英雄だ。