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4 スーパー戦

数日後、学校は再開された。

KEEPOUT「キープアウト」と書かれたテープで通行止めされた図書室の焼け跡

そして俺は見つけた。

天上の裏に蛾怪物の子供の卵が大量に生息しており図書室を利用する生徒たちは知らず知らずのうちに土足で縄張り入り込んでいたのだそうだ。

火災により結果的に根絶やしにされた蛾怪物、後味の悪い勝利だった。

俺も右腕にケガをして包帯を巻いている。手加減できたかどうか怪しい。勝ったことをもっと喜んだほうがいいのだろうか。

図書室の前に呼び出された

志道くん!

2人の女子が俺を迎える。

ああ、三原さん。それに川上さん

図書室のときに蛾怪物から助けた二人の女子たちだった。

こ、この前はごめんなさい!私たち・・・怖くて・・・。

川上さんが深々と頭を下げて言った

志道くんは私たちのために戦ってくれたんだよね。私たちあのことは内緒にしておくから

そうだよ!私たちも応援してるからね!

ふたりとも・・・ありがとう・・・ありがとう・・・。

左右の二人を見回してなんだか涙が出てきた。

それから志道たちは3人で遊びに行くことになった。

差別されるかと思えばそんなことはなく。三原さんと川上さんからはかなり好意的に受け入れられたようだ。

計画どおり2人を助けた勇者象はうまく定着したようだ。

その日は放課後3人で近場のデパートにショッピングに向かう。

衣服コーナーを巡りながら日用品を買っていく。ミニデートと呼べるんじゃないか。

あはは・・・。

うまく笑い合えない、どこかぎこちない。

初めて行くメンバーだから打ち解けるのに少し時間がかかるようだ。

あはははは!

不意におもしろいことを言って場がなごむと

談笑している。

あ、もうこんな時間。今日は楽しかったわ。

と、三原さん

そうだね。おもしろかった。

と、三上さん

人の多いバス停まで来た。

ここが別れ道だ。

それじゃあ私たちはここでね。

ああ、おもしろかったよ!

またね!

バイーバーイ!

笑顔で手を振る三原さんと天真爛漫に手を振る三上さん

2人と別れて志道は歩いて行った。

夜の9時、辺りは真っ暗だ。いくつかの車の明かりが通りすぎる

そんなくらい時間でのできごとだ。

スーパーで買い物をした主婦が卵パックを買うと車に乗り込んだ。

帰ったら夕飯のしたくしないと

そう思い運転をすると

コケーーーーーー!

そんな空耳のような声が聞こえてくる

バックミラーを見ると

誰もいない。

そのまま走り続けていると

コンコン、窓ガラスをノックされる

横を見たときだった!

高速で移動する車の窓ガラスにベッタリと顔を張り付けた人ほどもあるニワトリの化け物が並走していた。

ガコーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!

いやああああああああああああああああああああああああああああああああ!

車を加速するも追いかけてくる

道を歩いていたら車を追いかける怪物を見た

あれは!助けなければ!

勢いに任せて駆けだす。

変身!

聖なる光に包まれてカブターへと変身、高速で走りぬける。

ほかの車の上をジャンプして距離を詰める。

カブターの目が緑色に輝き闇夜にラインを引いた。

はあ!

そしてニワトリ怪物に飛びかかり車上でもみ合いになる

カブター!

こいつ!この間の蛾の怪物の仲間、今度はニワトリか!

きゃあああああああああああああああああああああああああ!

恐怖にアクセルを踏み込むと車体がみるみるうちに加速、近場の倉庫へと突入して壁に激突した。

ゴシャーン!

大きな音がして、転がりこむように投げ出される。互いの距離が開く。

痛む体を震わせて何とか立ち上がるとニワトリ怪物も立ち上がった。

う、うう・・・。

車のドアが開くと主婦が頭から血を流して出てくる。

大丈夫ですか!

駆け寄ると

うわあああ!来ないでええ~!

恐怖して叫んでいる。

俺を見て怖がっているのか!

シャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!

きゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!

ニワトリ怪物が襲い掛かって来た

はあ!

肩で担ぐように受け止める。

シャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!

逃げてください!

後ろを振り向いて主婦にそういうと

あ・・・ああ、あなたこそ!負けないで!

そう激励をもらう

よっしゃああああああああああ!

ニワトリ怪物の突進を押し返すように一歩一歩踏み込んでいく。

そのまま左拳で何度も殴りかかった

はあ!はあ!はあ!はあ!

シャアアアアアアアアアアア!

ニワトリ怪物の拳を顔に受け吹き飛ばされる

うわ!

殴り飛ばされ勢いが止まらず体がゴロゴロと転がっていく。

つ、強い!

ゾニエル・・・ザルタスより強い・・・。

カタコトの言語で話をする怪物

ゾニエル?ザルタスとは別種の怪物なのか!

ニンゲン・・・食う・・・食う・・・。

きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああ!

させるか!

飛び掛かり首に腕を回し足を止める。

ここはもうダメです!逃げてください!早く!

は、はいいい!

腰をぬかしているのか主婦はよたよたと両手を突きながら逃げていく

小高い建物の上から謎の男がカブターを見物していた。

謎の男は言った。

くっくっくっ、まさかここで会うとはな、カブターを受け継ぐものよ。

中身の戦士はまだまだ未熟なようだが古代より続く貴様との戦いを思い出すと血がたぎるぞ。

その謎の男を見物する存在がいた。

俺である。

ジェノサイダーの超感覚なのか怪物の存在がわかり現場に駆け付けると志道が戦っていた。

状況を見守っていたら謎の男を見つけた。

そのとき謎の男の前に数名の女たちが歩み寄っていく。

それに気が付いた謎の男が言った。

ふん、ザルタス共め。カブターを狙ってきたか。

ゾニエル・・・ナニ・・・シテイル。

お前たちの縄張りだから近寄るな。ってことか。知性すらおぼつかない。動物共が!

どうやら3人組のほうは全員ザルタス怪物と呼ばれる勢力のようだ。そして反対側のがゾニエルと、覚えておこう。

ザルタス怪物たちのリーダーが手をかざせば

左右の側近らしき部下たちが人からクラゲザルタス怪物とヒラメザルタス怪物へと姿を変える。

粘膜らしき皮膚組織がぬめぬめと光に乱反射したグロテスクなモンスター共だ。

そして中心のリーダーも伊勢エビザルタス怪物に姿を変えた。

変身しないままのゾニエル怪物にザルタス怪物たちが襲いかかる。

ヌルルルン!

クラゲ怪物の毒触手が伸びる

謎の男はそれを受け止めると引きちぎり、

ゴロロン!

ヒラメ怪物のアッパー攻撃を

しゃらあ!

腕を踏みつけて防止する

つ、強い!

瞬く間に2体のザルタス怪物が腕を折られ寝転がっている。

痛みからかヌルルン!ゴロロン!と悲鳴をあげている

余裕で手招きをして挑発する謎の男がゴキブリ怪物へと姿を変える。この間のゴキブリ怪物だ!

どうした?来いよ!

はあ!

伊勢エビ怪物が襲い掛かる!

それと互角に渡り合うゾニエル怪物が数手拳を交わす

その強さ、やはり幹部か!

はあああ!

戦闘好きそうな笑みを浮かべるゴキブリ怪物と獣となって襲い掛かる伊勢エビ怪物、凶暴な二人が激突する

はあ!

二つの強い衝撃が二人の距離を一気に引き離す。

ゴキブリ怪物は伊勢エビ怪物を人差し指で指さすと

お前の命・・・いつか・・・。

そう言って後方へとジャンプすると落ちていく。退散したのだ。

あとには伊勢エビザルタス怪物だけが残った。

一方でカブターはいまだ戦っていた。

はあ!

カブターの危機にカブトムシの角がついた強そうなバイクがひとりでに現られる。

こいつは!乗れってことか!

カブターがバイクを乗り回し抵抗している。

一度逃げ去るように遠のいていくと

キキー!

ターンしてブルルウウウウウウウウ!ブルルウウウウウウウ!

とエンジンをうならせると

キキー!ブウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウン!

急発進、突撃していく

緑の閃光がバイクの角の先に宿る。

はああああああああああああああああああああああああああああ!

カブタースラッシュがさく裂しニワトリ怪物を貫いた!

シャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!

大爆発が巻き起こるとカブターが勝利したのだ

戦いを見届けた伊勢エビザルタス怪物の前にジェノサイダーへと変身した姿で参上する。

頭部が縦横縦横無尽な角のある体が赤、青、緑、黄の四色の宝石の輝く鎧へとチェンジする

ルビーサファイアエメラルドイエローダイヤジェノサイドヘラクレスコーカサスアトラスギラファノコギリアルキメデスヒラタパラワンオオククワガタカブトインセクター!

体格がカブターの18まわりほど大きくなった姿だ

伊勢エビ怪物は言った

・・・インセクター!・・・違う・・・!

伊勢エビ怪物が両手をかざすと泡ビームが飛んで来る。それらはすべて胸にぶつかるがむなしく散っていった。

焦っているのか?

くっ、来るなあああああああああああああ!

何度も威嚇する伊勢エビ怪物

ぬん!

軽く伊勢エビ怪物を蹴り吹き飛ばし壁に激突させる。

うがあああああ!

悲鳴をあげ血反吐を吐く伊勢エビ怪物、一撃での絶命は避けたようだ。

ぬうううううううううん!

ジャンプして飛びかかり空中で右拳を引き一気に解き放つ

ギガアアアアアアアアアアアアアアアアア!

ゴムボールのようにバウンドして地面に叩きつけられる

口から青い血を吐きながら伊勢エビ怪物は言った

貴様・・・なぜ我らが秘宝、Vストーンを持っている・・・。

Vストーン?この宝石のことか?

それはザルタスの・・・秘宝・・・。

ゴフッ!

そう言い残し伊勢エビ怪物は絶命した。

どうやらこの宝石はザルタスの秘宝Vストーンのようだ。

それだけではない。ゴキブリ怪物は伊勢エビ怪物のことを幹部と言っていた。この怪物がザルタス怪物の幹部なのだとするとザルタス怪物の組織が存在することになる。

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