10 カフェテラス戦 リバースクロッカー インセクター最終強化装置
公田は通学路を近道するとおしゃれなカフェテラスの前で怪物が暴れていた。
うわあ!
思わず腰を抜かしてしゃがみこんだ。
周囲で写真を撮っている人が大勢いる。
えええ~。
うわ、すげ!すげ!
キモッ!
ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!
バコン!
真っ白いパラソル付きの机が横なぎに破砕され。
往来の人々はザルタスとゾニエル怪物の抗争を経験しながらいまだどこか他人事のように感じていた。
それは公田も同じだ。
ただ公田はナマズザゾニエル怪物に襲われた経験から怪物の恐ろしさを身に染みて知っていた。
ついに人間が殺害され
いやああああ!いやああああああああああああああああああああああああああああああ!
人々はそこでようやく現実なのだと認識する。
以前見た。ナマズの怪物とも違う。コウモリの幹部怪物だった。
背中にランドセルに似た機械を背負っており、そこからコードが伸びて首のマフラーにつながっている。
コウモリザルタス怪物は人の言葉でしゃべった。
スルピリドマフラー、ゾニエル怪物の本拠地から強奪した。ジェノサイド強化装置、これほどとは。
赤く発光したマフラーのことだろう。
ふん!
コウモリの怪物の首からマフラーが伸びると鋭利な一撃となってテーブルを切り裂く。
さらに新たに現れた部下とおぼしきコウモリ怪物たち、全員それぞれが赤、青、緑、紫、黄の5色のスルピリドマフラーを光らせていた。
シュン!シュン!シュン!シュン!シュン!
スルピリドマフラーがいくえにも飛び交い逃げまとう人々の背を切り裂いていく。
きゃあああああああああああああああああ!きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!きゃああああああああああああああああああああ!
たくさんの悲鳴が上がった。
コウモリの怪物がこっちを振り向く。
こ、殺される!
フアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!
サイレンを鳴らして目の前にバイクが現れた!
警察だ!
警視庁のマークが描かれた見たこともない鋼鉄のアーマー、中に人いるのは見てすぐにわかった。
大丈夫か!
は、はい!
そう一声かけてから男は怪物のほうを見た。
このメカカブターでお前たち怪物を止めて見せる!
メカカブター?
見ればアーマーの両目が目が青く光る。
まるで機械の怪物のような見た目をしていた。
それこそ警察のシンボルマークがなければ味方だと信じられないかもしれない。
メカカブターが全長約50cm、重さ約2・2㎏のリボルバーを構える。
対怪生物用の特殊弾丸13号弾だ!くらえ!
ダン!ダン!ダン!
怪物の胸で弾かれる弾丸、ピーナッツを投げつけたようなダメージだ!
そんな!効かない!
なんだ?それは?
コウモリ怪物は小首をかしげながら笑っているようだ。
ふん!
飛び掛かりメカカブターを殴り飛ばす
うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!
まるで急ブレーキをかけたときに窓を突き破って車外に投げ出されたマネキンのように吹っ飛ばされていく。
背中から大量の火を噴き出してグッタリすると動かなくなるメカカブター。
ちょ、ちょっと刑事さん!しっかりして!
コウモリ怪物の赤いスルピルドマフラーがメカカブターを斬り飛ばし、大量の火花が散る。
メカカブターは成すがままにゴム人形のように空を飛んでいき、何も抵抗できず壁に叩きつけられ、さらに大量の火花を散らせた。
そこまでだ!
ジャンプして現れた男が固形物を握り締めると手のひらを反す
ダブル変身!
瞬間的に変身した戦士が瞬間的にさらに変身すると異形の戦士が姿を現す
コウモリ怪物たちは、ただじっ、と相手を見た。
インセクターを強化するために作られた装置の技術を応用して変身したこのリバースクロッカーなら!ザルタスめ!家族の仇だああああああああああああああああああああ!
「「シャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」」
リーダーであるコウモリ幹部怪物を中心に赤、青、緑、紫、黄の5色のスルピリドマフラーが光りリバースクロッカーに襲い掛かる。
ごばあああああああああああああああああああああああ!
一方的になぶられるリバースクロッカー。
な、なぜリバースクロッカーであるはずの俺がこうも容易く!
リバースクロッカーが言った
く、死にたくない。死にたくないいいいいいいいいい!
腰のカプセルを手に取ると腕のシリンダーにセット
アイテムチョイス!
電子的な音声がカプセルから発するとカプセルが射出され
なんと怪物が召還される。
ウガラアアアアアアアアア!
シュン!シュン!シュン!シュン!シュン!
うなり声をあげた次の瞬間、バラバラに両断されてしまった。
そのままスルピルドマフラーがリバースクロッカーに襲い掛かる。
シュン!シュン!シュン!シュン!シュン!
そんな!う、うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!
決着がつき、無残に倒れるリバースクロッカー
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そのときだった!
ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!キキー!
バイクをうならせ俺が現れた。
現場には
機械でできたカブターが寝ていた。
そして見たこともない戦士
公田もいる。
機械できたカブターはメカカブターと言ったところだろう。
警視庁のマークがついているので警察のものだろう。
マークがなければ危うく怪物として攻撃していたかもしれない。
そしてこの見慣れない戦士だがもう死んでいるようだ。
ちょうどいい。お前の力、もらうぞ!
俺は異形の戦士に近づくと変身装置をわしづかみにして剥ぎ取る。
変身装置を通して脳にこの装置の名称と性能、開発背景の情報が送り込まれた。
インセクターを強化するために作られた装置の技術を応用して変身したこのリバースクロッカー。インセクターの最終強化装置か。
そんな俺を不思議そうに見るのはコウモリザルタス幹部怪物とその配下たち。
以前、はからずもダニキングから俺を助けてくれた存在だ。
しかし手は抜けない。
全身の力を感じ取り精神を集中させる。
ぬん!
大気が震えた。
足の周りが砕け散り、周囲のカフェテラスが吹き飛び。タイル張りの地面が浮遊すると腹に赤、青、緑、黄、そして中央にひときわ大きなカムイの大自然の緑の光が灯る。
手の中に六角形の謎の固形物が現れ、それを目の前に構えた。
首に1000のドッグタグを下げる
腰から下げた4つのキーホルダーが体に4重に装着され
変・身!
体から出た28つの光がすべてを吹き飛ばすと光に包まれ中からが姿を現す
頭部が縦横縦横無尽な角のある体が赤、青、緑、黄の四色の宝石の輝くと首のドッグタグが胸から両腕にかけて広がり鎖のように巻き付いていき両腕両足のXリングが赤、青、緑、黄から4つ光る鎧へとチェンジする
ルビーサファイアエメラルドイエローダイヤジェノサイドヘラクレスコーカサスアトラスギラファノコギリアルキメデスヒラタパラワンオオククワガタカブトイン
セクター1000ドッグタグゼロワンツースリー・XXXXXリングカムイリバースクロッカーフォーム
カブターの28まわり大きくなる
握りしめた拳を見つめる。
コウモリ怪物たちは俺がどれだけ脅威的な存在かを本能的に感じ取り一歩足を後ずさった。
俺が腕を組んでその場に立ち。こう言った。
来い!
「「シャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」」
コウモリ怪物の指示にしたがい下級コウモリ怪物たちが襲い掛かって来た。
右から飛びかかって来たコウモリ怪物を片手でつかみ投げつける。
さらに俺は前方に走ってからジャンプしてコウモリ怪物の背中に回り込みふところに飛び込むと素早く殴る。
シャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
それだけでコウモリ怪物が回転しながらぶっ飛ばされ絶命させる。
ぬん!
タッタッ、とスキップするようにジャンプするとカットするように殴りつける。
シャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!
ドゴン!
コウモリ怪物はダンプカーではねられたように横に吹っ飛び、きりもみ回転すると後ろにいた2体のコウモリ怪物にぶつかりもろとも壁に叩きつけられ絶命する。
これで4匹
残すは幹部のみだ。
着地したと同時
ぬん!
左手首をくるりと回転させアッパーを繰り出す。
ぐぶああああああああああああああああああああああああああああ!
上方へと2m半ほど跳ね飛ばされるコウモリ怪物
首のマフラーが赤く発光を始める。
それだけで危険を察知した俺は
ぬん!
そのままジャンプして縦回転しながら空中を移動、コウモリ怪物の背後に回り込み背中からマフラーをわしづかむと
ぬん!
ぐああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!ぶえええ!
首の骨が折れコウモリ怪物は絶命した。
あと始末はお前たちに任せよう
拾ったばかりのアイテムを起動させる。
アイテムチョイス!
行け
投げ捨てるようにカプセルを10個まとめて投げつけるとカプセル怪物たちがあふれだす。
10体のカプセル怪物たちが5体のコウモリ怪物たちの亡骸を捕食していく。
バキバキグシャー!
俺はコウモリ怪物たちの遺体から新型兵器を奪い取る。
マフラーに触れた瞬間、情報が伝達され、この武器の名称、使い方を教えてくれる。
スルピリドマフラー、ゾニエル怪物の本拠地から強奪した。ジェノサイド強化装置か。
こ、これは・・・体が・・・熱い・・・。
独りでにスルピリドマフラーが首に巻きつくと、体の中を力がかけめぐる。
スルピリドマフラーが吸収され俺はまた新たな力を手に入れた
首に赤、青、緑、紫、黄の5色のスルピリドマフラーが首にからみついた。
変幻自在のスルピリド兵器だ。ザルタス怪物のように機械的な動力源はいらない。
それだけ身の内の力が豊富だからだ。
俺はバイクにまたがると帰路についた