1 人類の最終兵器
16歳、その日、学校で嫌な思いをした俺は帰ることにした。
普段こんなことはしないがいよいよ我慢も限界に来ていた俺は学校を無断で早退し秋葉原に来ていた。
ほしかったゲームでも買って帰ろう。
ゲームコーナーを曲がったとき
人間が巨大な獣にストロー状の口を使い血を吸われていた
ギィー!
異形が鳴き声をあげる
どう見てもチョパカブラだ
わぁー!
俺はいちもくさんに駆け出し店外へと出る
街を見ると大変なことになっていた
ギィー!
ぎゃぁぁぁぁぁぁ!
わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
ブチュンブチュン!
きゃああああああああああああ!
血吸いUMAの脅威を前に人々はなすすべがない
チョパカブラが100億匹はいるんじゃないだろうか?
大軍勢が都市を満たしていた
きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!
逃げる歩行者に波のように押し寄せるチョパカブラの大軍勢
次々ビルが倒壊していく。街はいたるところが火の海で車も衝突し交通は麻痺、そんな大惨事だ。
軍の戦闘機が押し寄せるがチョパカブラを前にまるで歯が立たず全滅していく。
戦闘が人類の敗北に終わるとチョパカブラの中でもひときわ神々しい存在が言った
我々は神の代行者だ。
人類を古代より導いてきた。
そして今日、貴様たちに天罰を下す。
度重なる環境破壊、戦争、同族同士で争う愚かな種にもはや地球をゆだねられない。
な、なんなんだ!あれは!逃げないと!
驚いている暇もなく走り出す
ズガガガガガガガガガガガガガガ!
すさまじい揺れが巻き起こるが何とか走る
地震だ!
わぁぁぁぁぁ!
悲鳴のする方を見ると小さくてはげた頭の目の大きな男が倒れていた。
大丈夫ですか!
足から血を流している。
捕まって!
ありがとう
見覚えのある顔だ。何日か前に電車の乗車を利用してさも後ろの人に押されただけなんですよと言わんばかりの動きをして左フックをあごに叩き込んできたおじさんだった。
あのときは時間がなくて吐き気がしていて無理に電車に乗ったためにつり革にぶら下がっていたそれを目の前に座っていたおじさんが恨み電車去り際にフックをかましてきたのだ
まさかこんな場所で会うとは、イラッとしたが助けることにした
肩を貸すと歩き出した。避難が遅れるけどしかたがない
同時刻、パリッとしたスーツを着た政府の重鎮たちが部屋には集まっていた。
核を撃ちますか!?総理!
いやそれではこの国を失うことになる。
飯田くん例のやつ使えるかい?
例の・・・あれを使うおつもりで!
ああ、かくなる上は我が国最強最大兵器、デリンジャーカノンを起動するしかあるまい!
で、デリンジャーカノンですか?総理?
デリンジャーカノンって何?
何?知ってる?
いや?
総理は机を拳で叩く
ドン!
これは・・・国家機密だ!
ウイーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
都市に立ち並ぶビルが地面ごと左右に離れていく。
実は都市の地面が左右に開閉するなど民間人は誰も知らない。
我が国の秘密の1つだった
全長1000mの惑星破壊レーザー兵器が地下からエレベーターで搬送され都心のど真ん中にガション!と音を立てて出現する
兵士が会議の場に駆けてくる
民間人の避難完了しました!
重役たちが次々に指示を仰ぐ
唇の厚い女は言った。総理!
ひげの男は言った。総理!
眼鏡の女は言った。総理!
鼻の高い男は言った。総理!
やりたまえ!・・・さらばだ!首都よ!
指示を受けた現地の兵士たちが起動キーを稼働させる。カノンに莫大な核融合エネルギーを充電していく
デリンジャーカノン!充電完了しました!
指揮官がうなづく
・・・照射!
照射!
すべては放たれた。
エネルギーの奔流が敵の化け物たちを駆逐して天空を切り裂く。そのエネルギーの余波で都市が崩壊していく。
その破壊は逃げ遅れた俺たちも例外ではない。
う、まぶし!
そして俺は白い光にのまれて蒸発した。