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最終話

夕刻


下校するスクールバスに()られながら、ウィリアムは衝撃的な事実を整理していた。


『人類の危機としか言いようがないな。』


校長との面談は目の()めるような体験であり、この日は彼にとって間違いなく特別な一日となった。


ウィリアムはこの戦争の真実が、ロシアの一方的な侵略などではなく、ロシアの正義とウクライナの正義のぶつかり合いである事を理解する。


『それにしてもマスコミが正義と信じて発信している報道が、結局人類を世界大戦へと誘導しているなんて考えもしなかった・・・マスコミが善悪の判断を間違えば、人類を生存の危機に(おちい)らせる事すら可能だったんだ。』


ウィリアムは現代におけるマスコミの力と、その恐ろしさを初めて実感する。


『ネットもテレビもロシア批判一色だ。この状況で例え何かを言ったとしても、黙殺(もくさつ)されるか極論(きょくろん)扱いされるかのどちらかになる。だからマスコミは頼りにならない。では一体どうすればいいんだ・・・』


校長はウィリアムに「答え」を示さなかった。


『校長は世の中全体が間違った方向に進んだ時、それを止めるのが()()()困難か、良く分かっているんだろうな・・・しかしこのままでは大きな不幸が訪れるかもしれない。』


「答え」が簡単に出ない事は理解している。しかしウィリアムは(あきら)めて傍観者(ぼうかんしゃ)にはなりたくなかった。


『とにかく考えよう。そして自分なりの「合」を見つけよう。』


決意を固めた若者を乗せたスクールバスは、夕暮れの街を進んで行くのだった。


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