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4.婚約破棄はこんな感じでした 後編

「ふざけるな!」

そんな空気を一変させたのはブルータス殿下でした。


顔を真っ赤にしてシャルロッテを抱く手がギリギリと震えています。

「きゃっ、い、痛いです殿下、、」

そんなシャルロッテの声はブルータス殿下には届いていないでしょう。今の殿下は思い通りにならない現状にイラつき、その原因は何だ誰のせいだと責任転嫁先を模索しているでしょうから。


ほら。ブルータス殿下の私を見る目がまた深く、こちらを睨み付けています。どうやら私を断罪する為のこじつけを思い付いたようですね。


本当、わかりやすい方。御し易いと舐められ、操られるだろう事はわかっていましたよ?

国王陛下も、私達(・・)も。


ええ。こうなる事はわかっていました。なので今頃会議の結果が出る頃かと。噂の出所と精査、貴族派の勢力を削ぐ内部調査、全ては私達王族派の掌の上で。


ただ、想定外でしたのは、妹シャルロッテの行動。


「貴様が家の中では鬼畜な犯罪者である事を俺は知っているのだ!」

ブルータス殿下がシャルレーヌを指差し叫ぶ。

「ルティっ、それは二人だけの秘密にしてくれる筈じゃ?!」

狼狽えてブルータス殿下の袖を引っ張り、姉を指差す腕を下ろそうとするが下ろそうとしない殿下との攻防。

「ロティ。安心しろ。私が守ってやる。」

シャルロッテを抱く腰の手が尻を良々(よしよし)と撫でる。


冷めたシャルレーヌの目が更に零度に下がる。

愛称呼びですか、そうですか。


ダンッ

ブルータス殿下が大きく踏み出してシャルレーヌに迫る。引きずられるシャルロッテ。

「今この場を()って、貴様との婚約を破棄する!そして、シャルロッテ・フェロウズ公爵令嬢に求婚する、、シャルロッテ、私と結婚してくれ。」

ビタッ!とシャルレーヌに指差して婚約破棄を宣言し、シャルロッテに向き直ると(ひざまず)いてその手を取ってキスをした。


「きゃー!殿下素敵ー!」

「私にも求婚してー!いやー!」

「こっち向いてもう一度言ってー!」

黄色い嫉妬や羨望の声の中、シャルロッテはドヤ顔で微笑む。

「お受け致します、第一王太子ブルータス殿下。」

してやったり!と顔に書いてあります。


あーあ。宣言しちゃったわね。多分もうすぐお父様達がここへ乗り込んで来ると思うけど、まあ、少しの間だけでも幸せを噛み締めて?ちなみに、会場にはお父様達の密偵が潜んでいますから言い逃れは出来ませんよ?


呆れ果てた視線で口元を涼しく隠すシャルレーヌの態度が気に入らないらしく、ブルータス殿下は立ち上がり、またもダンッ、とシャルレーヌに向かって迫る。


「これで貴様はただの公爵令嬢だ!さあ!今までの非道を洗いざらいシャルロッテに謝るのだ!」

またも気持ちよさそうに指を差すブルータス殿下。


謝るも何も、全く身に覚えがありませんが。


「何だその涼しい顔は!言いたくなくば俺が言ってやる!貴様は王族の婚約者としての立場を利用して商会からドレスやアクセサリーを巻き上げシャルロッテに自慢していたそうだな!」

「第一王太子の婚約者であり、フェロウズ公爵家長子でもある私が身に付ければ価値が上がると、各商会の方から是非にと贈られたものならば覚えがございますが、そういえばシャルロッテがお姉様ばかりずるい!とお父様に泣きついていたらしいですが、私に身につけて欲しいと贈られたものを妹に譲ることなど出来ないと、殿下にはおわかりにならない?」

「、、、、。」

自分の元にもそういえば商団から贈られたものが、、と思い至ったのか押し黙るブルータス殿下。


「ならばアレだ!シャルロッテの俺に対する想いを知りながら、俺の婚約者になんかなりたくなかったけれど政治の為の結婚だと言ったらしいな!シャルロッテがもっと早く生まれて来れば良かったのだと嫌味まで!これは王族と、王族の婚約者に対する不敬だ!」

「シャルロッテを思えばこそ、好いて婚約に至ったのではない、王族や高位貴族であれば政治の為の結婚は至極当然であると申しました。早く生まれて来れば絶対にブルータス殿下の婚約者は自分だったのにと言ったのはシャルロッテです。まあ、そうでしょうねと私は申しました。それと、時系列を錯覚されているようですが、その時の婚約者はまだ私ですので、不敬にはなりません。」

「、、、、。」

カーッと一気にブルータス殿下の顔が真っ赤に染まっていきます。


あー。これ癇癪(かんしゃく)起こすやつだ。

落ち着かせるのすっごい面倒臭いやつー。もー。


「、、まだあるんだ、、まだもっといっぱい、、悪いのはあいつなのに、、」

ブツブツと独り言が始まった。

視線を左右にウロウロと漂わせ、シャルロッテを見る。

パッ、とブルータス殿下が思い付いた顔をした。


「お前が何でも許してしまうのが悪い!お前が優しくするせいで調子に乗らせてるんだ!」

どうだ!と自信満々の顔でシャルレーヌに指差すブルータス殿下。


これには流石に、今の今まで殿下ー!殿下ー!と声援を贈っていた黄色い声がピタリと止んだ。


は?という空気が漂っているが、ブルータス殿下は言ってやった!という顔である。


私には思い当たる節があった。

妹シャルロッテの口癖は2パターンある。

「お姉様ずるい!」と、「騙される方が悪い」だ。


シャルロッテが小さい頃は「お姉様が悪い」と泣くだけで大人達が良々と甘やかしていた。大人の撫でる手の中で舌を出して笑うシャルロッテを何度見たか、、。


ハッキリ言って、この「騙される方が悪い」という言い分が私は大っ嫌いだ。


騙す方が120%悪いだろ。バカが。

騙された方は優しさが(あだ)になってはいるが悪くはないだろ。ふざけんな。


あらら、失礼。言葉使いが乱暴に。ほほほ。

ちなみに、ブルータスという名前は、お前も婚約破棄かブルータス、と脳内ツッコミしたかったので付けました。

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