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no.3

 ――足が疲れた。

 アタシは見ていた雑誌を元の場所lに戻すと、本屋を出て行った。


 ホントはコンビニとか、マックとかミスドとかに行きたかったんだけどね。

 財布持ってないと、こんなに世の中って不便なんだなぁ。

 

 仕方がないので、駅のベンチに座る。

 待ち合わせの時間まで、あと30分。


 何もすることがなくて、アタシは取り合えずケータイをいじる。


 最近ダウンロードしたゲームをやって暇をつぶそうと思ったけど、

 アタシ、運にも見捨てられたみたいで、

 初めて一分もしないうちにケータイの充電がなくなり、画面は真っ暗になった。


 ――めんどくさがらずに、毎日充電しとけばよかった。

 こういうのを「後悔先に立たず」とか言うんだっけ?


 アタシは仕方なく、ぼーっとベンチに座り。

 道行く人を眺める。


 みんな目的があるんだな。

 忙しそうに歩く人をみて、アタシはぼんやり思った。


――5時50分――


 アタシは腕時計で時間を確認した。

 そろそろ待ち合わせ場所に行かなくちゃ。


 改札口の向かいの壁にアタシはもたれかかった。

 仕事って言ってたから、スーツとか着てるんだろうか?



 ……どんな服装か聞いておけばよかった。

 

 アタシは田辺という人の情報を何も持っていないことに今更気が付いた。

 ケータイに番号あるから安心って思ってたし、

 わざわざ聞く必要もないかな? と思ったけど、

 ケータイが使えない今となっては、自分の浅はかさにがっかりする。


 どのオジサン?

 

 アタシは近くを歩いているサラリーマンを見つめる。


 でも、

 違った。

 

 彼らは私を見て、眉をひそめたり、

 勝手に照れたりしている。


 時計はもう6時10分。


 仕事って言ってたから、ちょっと遅くなるのかもしれない。

 だいたい、6時頃って言ってたし。


 それから、ずいぶん待ったけど、田辺って人は来ない。


 アタシはため息をつき、時計を見る。


 時間は6時55分をさしていた。


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