表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/25

no.13

「――井上さんがそこまで言うんだったら、付き合ってもいいけど。

でも、本当にそれでいいのか? 」


 篤武さんはアタシの目をじっと覗き込む。

 アタシは篤武さんの刺すような眼差しで、心臓が飛び出そうになってしまった。

「……いい、です……」

 どぎまぎとしながら、たどたどしい返事をする。


 篤武さんに返事はしたものの、アタシは彼の目をまともに見ることが出来なかった。

 

 ふわり。


 急に篤武さんの大きな手がアタシの頭を撫でる。


 アタシは緊張のあまり、目の前がちかちかした。

 足元がぐにゃりと歪んでしまったような錯覚に陥る。

 

 あれ、アタシ、今、立ってるんだっけ? 座ってるんだっけ?

 アタシの脳の奥はじわじわと痺れて、考えることを放棄してしまったみたい。


 でも、ひとつだけ分かってること。


 アタシ、篤武さんの『彼女』になったんだってこと。


――あれ? ――


 気が付くと、アタシは篤武さんの胸に寄りかかっていた。


「ご、ごめんなさい! 」


 アタシは慌てて篤武さんから離れる。


「急に倒れそうになるからびっくりしたよ」


 そうか、アタシ、うれしさのあまり気絶っぽくなっちゃったのか。

 恥ずかしさと嬉しさでアタシの鼓動が踊っている。

 

「ご、ごめんなさい。

ちょっと、よろけちゃいました。

それと、あの、よろしくお願いします!

とりあえず、打倒! 婚約者フィアンセ! です! 」


 アタシは右のコブシをグーにして、ガッツポーズをとった。

 篤武さんはアタシをみて、少しはにかむと同じくガッツポーズをとってくれた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ