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Prologue

 まずなによりも必要となるのは銃だ。種類はなんでもいい。大きくて、ゴツいやつを用意してくれたら、それなりの仕事はしてみせる。


 銃を使うのは暴力のため。一番手っ取り早い手段だから。暴力を使って生きていくことが何よりも明確で、僕が持つことのできた唯一のよりどころ。


 だから今もこうして、言葉もわからない遠い土地で僕は暴力を振るう。


 昔の偉い学者は言った。暴力は人間の根源的な欲望で、手段だったと。人は暴力を振るうことで食べるものや、住処を得ていたのだと。だから人は暴力を振るうと気持ちがいいし、やめられなくなる。


 人間の進化は言い換えれば暴力の進化だ。初めはその両手、石、槍、銃、大砲、そして権力。人の社会は暴力によって支えられ、暴力のために運営されている。


 きっと有史以来、いやもっと言えば人が人と言えるようになったその瞬間から、暴力がなくなった日は一日だって有りはしない。暴力は社会の一部で、ごく自然なもの。息をするように僕らは暴力を生み出し続けている。


 人は賢いのだから暴力はいけないだ、なんて言う奴だって、別に地球の裏側で行われる暴力なんて気にしてない。目に映る世界が綺麗ならそれでいいのだと勝手に満足する。


 暴力はいけないことだと綺麗事を言いながら、暴力に生かされ生きている。僕たちはそんな矛盾した生き物だ。それが人間だ。




 ●




 東欧の空気はその字面に反して乾いた寒さを有してない。今もこうして建物の屋上に腹這いになって曇った空の向こう側から届けられるやる気のない日光にじんわりと暖められながら、湿気に背を濡らしている。


 あまり好ましくない気候に、手汗で握ったままの狙撃銃が動いてしまわないか気にかけていると、隣から生真面目そうな声で、機械的な報告を同僚であるニコルがした。


「目標発見、数は一。十一時の方向、距離は400青い屋根の家、そのすぐ横の交差点。見えるか?」


 狙撃手の相方として測量計のついた双眼鏡を覗き込むニコルの淡々とした報告を聞くのは、腹ばいの姿勢で狙撃銃を構えた僕。


 狙撃地点として陣取った一軒家の二階から、ばかみたいに長いスコープを覗き込むと古い東欧の都市にありがちな石畳の街が広がる。指示された十字路を見ると動く人影があった。


 長い歴史の面影を残す石畳の平和な街並みにはそぐわない、暴力を象徴する近代的な装備を揃えた兵士がいる。敵対陣営に雇われた彼は、足元に置いた対戦車用の地雷を埋めるために、手に持ったシャベルで石畳を掘り返していた。


 遠くから銃口が狙っていることなど露にも思っていない彼は、雇われらしい気怠さでスコップの刃先を石畳に当る動作を繰り返し、周囲に硬いものがぶつかる甲高い音が響く。


 リズム良くスコップが石畳を削る音がして、それが不意に途絶えた。それまであった金属と石がぶつかる甲高い音ではなく、代わりに水でいっぱいになった袋が破れるような、肉の弾ける重たい音がその場に響いた。消音機能に優れた狙撃銃からは缶ジュースを開けるよりも小さな音が少しするが、頭に穴を開けた彼が聞くことはない。


 手に持った狙撃銃の引き金を引く。そんな手軽さで、人ひとりの命が終わる。銃は恐ろしい武器だ。スプーンを曲げるよりも簡単な力で、簡単に人を殺せてしまう。


「ゲットダウン、ワン。これで十五人目、いい調子ね。」


「……了解」


 横で同じように寝そべったままのニコルが人の死を数えて、それを報告してくれる。


 たった今、僕は人を一人殺した。数十年続いていた誰かの人生を、僕の手で無理矢理終わらせた。〈だが殺したのは僕の意思ではない。人格的責任は『オルタナ』にある〉


 でも、そんなことをした僕に、後悔だとか罪の意識が湧いてくることはない。映画館でスクリーンを眺めているような、目の前で起きていることが自分とは関係がない、他人事のような無関心に似てる認識が残るだけだ。


 同僚の頭が唐突に弾けたからだろう、近くにいた民兵たちがそれまでの作業を中断して、慌てた様子でその場から建物の影へと姿を消していくのがスコープ越しに確認することができた。


 戦場で働くというのは、命がけだ。通販サイトで商品を一つ購入するような手軽さで人の命が一日にいくつも奪われる。何よりも笑えないのは、そんな場所で戦っている者たちのほとんどがこの戦場とは無関係な人生を送っていた、ただ金で雇われた民兵なのだということ。


 無数の人々が自分の人生とは関係のない戦場で、命を賭けて兵士としての役割を演じていた。


 こうした役割を演じるのはとても簡単だ。体の中を泳ぐナノマシンが本当の人格の代わりに体を動かす仮想の人格--オルタナティヴ・マインドを、自分とは違う人格を作り出してくれる。あそこにいたのは自分だけど自分の意識じゃない。そんなふうに責任の矛先をそらして、うまく自分の人生を自分で演じている。


 もともと戦場での兵士の精神を守るために作られたこの技術は、今や民間にも広められて、仮想人格に自分の人生を外注することは珍しいことでもなくなった。自分の人生は無理に自分の力で生きていく必要はない。


 そうした裏方によって整えられた舞台のような戦場、資本主義による代理戦争の様相は21世紀のスタンダードな社会で、人間が複数人存在すればそこは一つの経済活動が起きうる場となる、いくつもある経済活動の一つだった。。


 昔、僕がまだ生まれるよりも前の時代。戦争は誰かの主義や主張、何かを守るための手段だった。誰かにとって戦争は必要な手段だった。今は違う。戦争という手段は利益のための手順へと変わってしまった。そしてその舞台を回しているのは雇われた誰かの代理人である、僕みたいな民兵だった。


 その実態に声を大にして批判する人たちはいても、しかし実際に行動するものは全くと言ってもいいほどいない。過去の世紀で、石油産業の足場を危ぶませる技術が黙殺されたように、戦争経済もまた資本という神様によって、それに従わない者たちを黙らせていた。この星は愛や正義などではなく、経済で回っていることを残酷にも形にしてしまった。


 誰が悪いのか、という話じゃない。代理戦争を起こす資本も、それに力を貸す企業も、それを演じる民兵も、そして間違っていると分かっていても他人事のように眺めているだけの民衆も、その全てが同罪だ。僕らは誰かの血で育った果実を食べて、明日をまたも誰かの血を畑に撒いている。


 そして収穫を口にする人たちも、幻想の人格に嫌なもの、辛いものを預けて、見たいものだけを見て、都合の良い現実を生きていた。




 ●




 慌ただしくなった別会社の民兵たちを眺めつつ、首筋に埋め込んだ通信機に指先を押し当てる。体の中に注入されたナノマシンが通信機としての仕事を始め、耳の中の骨を直接震わせてありもしない呼び出し音を僕の聴覚に聞かせる。


 呼び出していた相手は一度のコールで呼び出しに出た。よく知った酒にやけた声だ。


「こちら本部、戦車隊。どうした?」


「予定進路上に対戦車地雷を仕掛けているのがいたから、排除した。他も慌てているから、今のうちに押し通れば中央の広場を占領できるよ、父さん」


「了解した。足が速いのを向かわせよう。……それとだ、父さんはやめろ、仕事中だ、『シェパード1』。……いいな?」


 本名ではなく、戦場でのコールサインを名乗った義父に、短かくたしなめられてから通信が切られた。同時に民兵が撤退した街の中を重量の軽い戦車が通り抜けていく。


 父さんが率いる戦車中心の本隊が進行したのを確かめて、この場での仕事が終わったことを悟った僕らは動くことにした。戦車部隊が動くことで戦場の中心、前線が大きく動くことになる。


 二階から飛び降りて、お邪魔していた空き家の横に駐車していた装甲車に直接飛び乗って屋根についている扉を開け、中に入ると運転をするフランクの背中と携帯ゲーム機をいじるトマスが目に入った。侍を思わせるポニーテールでまとめられた髪が、ゲームをして体を左右に揺れている。


 呑気にゲームに興じるトマスに視線を送りつけていると、こちらに気づいたらしいトマスが顔を上げて、視線が合う。


「よお。お疲れさん、ゴルゴ13。今日もなかなかの腕だったみたいだな」


 トマスは僕が日本人だからか、よく日本の漫画のキャラクターに例えて人を褒めたがる。だけど僕らの中で漫画を、それも日本のやつを多少なりとも知っているのは、日本人の僕くらいのものでみんなの反応は鈍い。


「働いているすぐ下で呑気にゲームなんかしている奴に褒められても嬉しくないよ。まったく……。ほらっ、早くライフルを渡して、あとゲームはセーブして切りなよ」


「そこでセーブする猶予をくれるのがお前の優しさだよな……。あいあいさー、……と」


 トマスに狙撃銃を乱暴に投げ渡すと、危なげなくそれを受け取り、空いているラックに納め、隣に立てかけてあったライフルをこちらに手渡した。後からやって来たニコルにも同じ型のライフルを手渡して、僕ら二人は観測・狙撃用の装備から、近距離戦闘の装備に持ち物を変えていく。呆れた顔でトマスを見る僕とニコルを、運転手のフランクがひらひらと刺青だらけの太い腕を振った。


「まあまあお二人さん、そう怒んなさんな。俺もトマスも、この後は前衛なんだ。今くらいは気楽にさせてくれよ。なあ、いいだろミコト」


 運転に意識を割いたまま、背中越しにフランクの陽気な声をかけられる。そして一言断って、装甲車のアクセルを目一杯踏み込んだ。その勢いに、僕らは座席に座らされ、それ以上食い下がることもしなかった。僕が口下手なのもあるけど、最年長の彼にはどうにもうまく丸め込まれてしまう。


 少し揺れる装甲車の中、フランクは鼻歌を歌いながら上機嫌そうに運転に集中して、トマスは注意したのにまだゲーム機にご執心、ニコルは渡されたライフルを横に置いて仕事熱心にウェアラブルコンピューターをいじり、僕は手持ち無沙汰だ。このままだとトマスのやつと同じで良くないと、一度これからの戦闘予定を確認するため、装甲車に配備されているタブレットを手に取った。


 戦場とは無秩序な混沌という概念は今世紀に入り消滅した。発達したナノマシン技術とそれを制御する人工知能がそれらを過去に変えた。戦場において出場している兵士の現在地、装備、残弾数、バイタルの情報はもちろん、オルタナティヴ・マインドの技術によって精神状態や、その時々の具体的な行動までも、ありとあらゆる情報がナノマシンに記録され、リアルタイムに人工知能によって処理される。


 だから今この瞬間に、この戦場で何が起きているのかは、こうした端末からごく簡単に確認できるものになった。同じ民間軍事会社『ピース・メーカー』に雇われている同僚たちはが地図上にアイコンとして表示されて、彼らが見聞きした情報や上空のドローンが収集した映像を総合した敵の行動予測が別のアイコンで表現されている。そしてこうした戦場の明瞭化、情報化は暴力が支配していた戦場に秩序だてられた統制をもたらした。


 今回の出撃前に行われた打ち合わせでの想定通りに戦況は動いていた。民兵業界、PMCの最王手である僕らの仕事は実にテレビに流れる広告通りの出来栄えだった。そんな戦況報告をぼんやり眺めていると、ニコルが気に入らないと言いたげな声を上げた。予想していないことが起きた合図だ。


「……ん、んん? --ねえ、みんな。これどう思う?」


「戦場管理マップ……? 民間船舶用の救難信号がこんな街中で? その周りに映ってるのは無人機?」


 彼女のデバイスの画面を見せられて、確かにおかしかった。


 彼女が僕に見せたのは通信兵用の、僕が持つのよりも高性能なウェアラブルデバイスの画面だった。みんなにも見えるよう投射機能を使って装甲車の壁に映した画面を彼女は指差す。僕たちの陣営を示す赤い点の集まりから離れて、救難信号を示す青い信号が存在を主張して揺れていた。そしてその青い点の周囲で無人機の群れが移動している報告が、ドローンによる写真付きでマッピングされている。


 困惑に押し黙る僕の代わりに答えたのはトマスだった。


「どっちも変だな。相手さん、言っちゃあ悪いけど貧乏PMCだろ? こんな数の無人機を用意できると思えないし、仮に持ってたとしても、今まで出してこなかったのも妙だ。しかも、その救難信号も船舶用で、街中で使うものじゃない。こりゃあ、なんかあるな」


「どうするミコト。小隊長はお前だ。どうするかはお前が決めろ。このまま前線に向かうか、それとも一度寄り道をするか」


 最年長のフランクが名目上リーダーの僕に指示を仰いで、少し車速を緩めた。無視してこのまま父さんたちに合流することもできる。でも地図上には予定になかったものが映っている。こういう時、何かと方針を決めてくれるのはフランクだけど、この場において階級は僕の方が上だから、彼は僕にチームの行動を決めろという。僕に判断を委ね、三人の視線が向けられていた。


 判断に迷った僕の意思に反応して、オルタナが提案をよこす。


 〈すぐに危機になる案件ではないが、しかし後々何かしらの危険を招くかもしれない。〉


 オルタナがささやく慎重な考えに組み伏せられ、僕の方針は決まった。幸いなことに、この後の僕らの仕事は撃ち漏らした敵戦力の掃討、要は遊撃だ。ならこれはその仕事から外れるものでもない。


「前線からは、しばらく外れることになるけど、無視するのも良くない。なら、この救難信号の出所を確認してから本体に合流しよう。良いかな?」


「リーダーはお前だミコト。私たちはただそれに従うだけだ。」


 勇ましいニコルの同意する声が、彼女のライフルの弾を銃室に込める音と共に、僕の背中を強く押してくれる。トマスとフランクも問題ないと動作で応えていた。


 フランクがハンドルを切り、遠心力が僕を座席に押し付ける。そんな重さを感じながら僕は前線の本隊にいる父さんに無人機撃破のために動くと、断りの通信を入れていた。本隊の攻略が順調ということもあり、警戒の意味でも僕らの単独行動は思っていたよりもあっさりと許可された。


 人のいない大通りを超え、僕らを乗せた装甲車は細い通りが多い非戦闘区域にやってきた。装甲車側面の見張り窓を開け、周囲を見渡すが父さんたちが戦っている銃声は遠く、周囲には銃を持った民兵も見当たらない。


 この静寂の街の中に所属不明の無人機がいる。そう手元のタブレットは伝えるが、目で見える範囲には何も見つけられず、信じていた情報の信憑性を疑わしいものへ変質させていく。どこかで情報の齟齬があったのだろうか、思い違いだったのだろうか。そう思うのと同時、後ろを監視していたトマスが叫んだ。


「後ろだ、『BB』だ。爆装してやがるぞ!」


「クソ!」


 トマスの声を聞くのと同時、彼のナノマシンを通じて無意識を誘導され、僕は手に持ったライフルそのものではなく、そのアンダーレールに装着したグレネードランチャーを掴む。振り返ると、腹に高性能爆薬を抱えた黒い機械の鳥、アーセナルメカニクス社製の無人爆撃機『Bombing・Bird』―通称、『BB』が、僕らの乗る装甲車を目がけ真っ直ぐに高度を下ろしているところだった。『BB』の速度は装甲車のそれよりも倍以上に早い。今ある距離も、次の交差路にたどり着く前に詰められるだろう。


 あと50メートルも走らないうちに『BB』の爆薬が装甲車に落とされる。手元のグレネードランチャーに込められた榴弾を抜き出し、素早く別の弾を装填する。時間との勝負に急ぎ、『BB』の風切り音が間近になった。だけど勝負はそこで片付いた。


 装填の終わった銃口を『BB』に向けて狙いも大味に、引き金を軽い力で引いた。その動作は銃身に込められていた弾を撃ち出した。放たれた弾に『BB』は素早く反応する。総重量40kgの機体を支える人工知能は、ハイスピードカメラから得た視覚情報を元に回避を選択して、亜音速で飛んでくる弾丸の軌道を算出、その回避軌道に向けて体を操作した。


 だけどその1秒にも満たない神がかり的な科学の集大成がみせる生き物を超えた行動は徒労へと変わった。すんでのところで避けられた弾丸は突然『BB』の頭部側面で破裂、爆薬の炎に代って眩い光が黒い機体を白く染めた。


 光の正体は電磁パルスが生み出すプラズマの輝き。プラズマが生み出した高圧電流は『BB』の人工筋肉を痺れさせると同時に、電子基板にほんの一瞬だけ、何一つ入力のできない空白の間を作らせた。空中で常に繊細な機体操作を要求される『BB』にとってそんな些細な空白は文字通り命取りに他ならない。機体の操作が遅れたことで『BB』はそれまで乗っていた風の流れそのものによって地面に叩きつけられた。


 それまでの速度もあって轟音と共に地面を転がる『BB』。それを銃で狙う撃つことで黒い機体が爆発して装甲車の轍に燃える人工物が残るだけだった。


 爆音を後方に残して、僕らに危機が去って安堵をする間もない。


「正面! 『鳥足』だ!」


 運転をしていたフランクが叫んだ。装甲車が向かう先、道の向こう側から上半身のない人型が群れをなして迫っていた。先ほどの『BB』と同じアーセナルメカニクス社が作った無人兵器の一つ、『鳥足』こと、ガン・ランナー。その量産兵器が太い人型の足で歩き、本来胴体があるはずの部分に銃座を搭載して、機関銃やバズーカ砲の銃口を装甲車に向けて走っていた。


「面舵一杯で曲がるぞ。しっかり捕まっておけ」


 慌てた警告と同時に装甲車がスピードを一切緩めずにハンドルを右にきり、現れた細い路地に幅が広い車体をねじ込んだ。装甲の薄い『BB』と違い、『鳥足』には先ほどと同じ対策は効果が薄く、距離を置いて応戦した方がいい。道路に沿って並んだ住居の壁を削りながら装甲車の速度を落としていく。


 十分に下がったのを見計らってから、フランクを残して僕とニコル、トマスは銃を構えて飛び降りた。


 トマスが煙幕手榴弾を投げ、小さな爆発をともなって路地が煙で充満する。煙の中で『鳥足』たちはプログラムに従って安全確保のために立ち止まり、周囲の様子をカメラで見渡していた。光増幅式の暗視カメラを使って、そんな間抜けな光景を見ている僕とニコルは遮蔽物に身を隠しながら正確に『鳥足』たちの股間に着いたカメラを打ち抜いていく。視覚を失った『鳥足』たちが、むやみやたらに動き回ろうとしたところで、一網打尽にするような爆発が彼らを包んで破壊した。


「走り回ってる他の『鳥足』どもには装甲車を追わせてる。先を急ごうミコト」


 後ろから無反動砲を担いだフランクがやって来る。フランクが手に持った無反動を使って『鳥足』たちにトドメを刺したようだった。ナノマシンを使うと、装甲車を『鳥足』がアヒルの子のように追跡しているのが、網膜に直接表示されていた。目下の脅威は去ったようだ。向かうべき救難信号に向けて、僕らは急ぎ足で行動を始めた。

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