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人の心の狩り形

作者: Fis


今日は二週間ほど前から待ちに待った金曜日だ。

この二週間、今日のことを考えなかった日は1日たりともない。


今日から俺は二泊三日で旅行に行くことになている。

それも俺1人ではない。

会社の同僚である柳 星香さんーーうちの部署での一番の美人さんーーーと一緒だ。


俺は今日から彼女と一緒に旅行に出ることになっているのだ。

本当に、思い切って誘って見て良かったと思う。最初は断られたらどうしようかという気持ちが強かったけど、承諾を得られてからは悩んでたことが馬鹿らしくなるほどだった。


本当、俺に彼女を誘うことを提案してくれた人事部の加藤には感謝しても仕切れないな。

本来なら1人寂しく行く予定だったのだが、これならかなり楽しいものになりそうだ。


ただ、一つ問題もある。

本来なら俺たちは今日の定時に退社し、その足で駅に向かい目的の場所に行くつもりだったのだが、それができないでいた。

今日に限って俺の隣の席に座る山下の野郎が体調不良で休みやがった。


そしてその上で前日のこいつの仕事にミスがあったことが発覚。

それも結構大事な仕事みたいだったらしく、俺はその尻拭いをさせられている。

どうして俺が、、、そう言いたかったが口に出すことはない。

柳さんも手伝ってくれているが、結構な時間になっていた。


結局、俺たちが会社を出れたのは今から全力で走って終電にギリギリ間に合うくらいの時間。くそっ!恨むぞ山下!!



俺たちは息を切らしながらも駅に駆け込む。

駅構内に入った俺たちは丁度

『間も無く、13番ホームに◯時⚫️⚫️分発の列車が参ります。危ないですからーーーーー』

というアナウンスを聞いた。


この時間帯に出ている電車は終電のこれ一本のはずだ。

それを理解している柳さんと俺は即座に13番ホームに駆け込んだ。


そしてなんとかホームに停まっている電車の扉が閉まる前に乗ることができた。

そこで俺たちは一番近くにあった座席に座り一息をついた。


そして少しして電車が動き始める。

その直後、別の電車が少し離れたホームについたのが見えたような気がするんだけど、、、疲れているのだろうか?













ガタ、ーーーガタと電車に揺られる俺はすぐに異変に気がついた。

気がついたのは次の停車駅を聞いた時だった。

どうにもその停車駅、聞き覚えがないのだ。


いや、旅行に行くのだから自分の知らない駅があるのは普通なのだから始めは気にしなかった。

だが、次の駅も、その次の駅も聞き覚えがない。

俺はこの二週間、予定に欠点がないか入念にチェックをしていた。

その際、電車の時間帯もちゃんと調べていた。

一応、山下のミスを予見したわけではないのだが何かしらのトラブルがあって会社を遅く出ることは予想できていた。


だから終電までの時間と停車駅を軽く確認していたのだが、先程から聞こえて来ているアナウンスはそのどれとも一致しなかった。



おかしいーーーー


乗る電車を間違えたか?

でもあの時間には一本しかないはずだしなぁ。

俺はちらりと柳さんの方を見た。

彼女は何も言わない。多分だけど気づいていない。

旅行のプランは全てこちらに一任してくれたからだ。


どうしたものか。

確か予定では終点まで行くということだったし、彼女に不和を悟られるわけにはいかない。

予想外のことが起こっていると悟られ、帰られてしまってはひとり旅に逆戻りに加えて今後の仕事に支障ができるかもしれない。


とりあえず、終点まで行くしかないな。














終点に着いた。

これ以上電車は動かない。俺は仕方なく隣に座る彼女を連れて電車を出る。

終点の駅名は『入社いるが』やっぱり聞き覚えのない駅名だ。

本当、どうしてこうなった。


電車を降りた俺はさりげなく駅にあった運行表を軽く確認する。

その結果、やはりというべきかこれより先の電車はないことが判明した。

次に出るのは明日の朝だ。結構な田舎らしく、1時間に1、2本しか通っていないみたいだ。


俺はすぐに駅を出た。

無人駅だ。だからといって切符を返さなくていいわけでもない。

俺はポストのような切符入れに、1340円と書かれた切符を投入した。

柳さんもそれに習って切符を返す。





駅の外は割と田舎だった。

建物は見えるが、それと同じくらい緑も見える。

俺はてきとうに歩き始める。

柳さんはなんの疑問も不満も言わずに着いて来てくれた。本当に、いい女性だ。


俺は周囲を見渡しながら歩く。

当面の目標は寝床の確保だ。それができなければ俺のちっぽけな見栄は全て見透かされてしまうだろう。


見つかれ見つかれと思いながら、知らない道を歩く。

するとこれ幸いか、駅をでて割とすぐ、歩いて数分のところに一つの旅館を見つけることができた。

よかった、これでとりあえず体裁を整えられそうだ。

今日はここに泊まり、そしてこっそりここがどこなのかを携帯をつかって調べることにしよう。

俺は旅館に入る。


今は終電後でありかなり遅い。

今から部屋は取れるだろうか?旅館の扉を開ける時そう思ったが、中に入って見えた受けつオケと思われる場所に座る女将を見てその心配は杞憂であったと感じた。


「夜分遅くに申し訳ございません。部屋は空いていますか?」

俺は小さめの声で話しかける。


「はい、ございますよ。」

よかった。借りられるみたいだ。


「それならひと部屋お願いします。」

2部屋借りようと思ったが、ここは少し勇気を出してひと部屋借りる。

決してやましいことがあるわけではないが、知らない場所で不安なので一緒に痛かったというのはあるだろう。

「あ、それでお代は・・・・」


「お代は後でいただきますので、、、、そのお心だけで十分ですよ。それでは、お部屋の方に案内させていただきますね。」

請求はチェックアウト時か。





「それにしても、ありがとうございます。」

女将は俺たちが宿泊する部屋に案内を始める。その最中、急に感謝の言葉を述べられる。

それに俺は違和感しか覚えない。

どうしてありがとう?


「ありがとう?なんで?」

柳さんもそれが気になったみたいで、俺が聞くより早くに声を上げる。

それに対して女将は笑いながら答えを言った。

「なに分、あまり客が来ませんからね。久しぶりのお客さんですので、娘が喜びます。」

娘、いるのか。

しかしそれなら納得だ。駅名からそもそも聞いたことないし、旅行者なんて来そうにない。

それなら旅館に客はほとんど来ないだろう。


俺がそう結論づけていると、目的の部屋についたのか女将が足を止める。



「ここでございます。」

部屋の襖がスーと滑らかな音を立てて開かれる。

部屋の中はごく一般的な旅館といったものだった。


「すぐに寝るのであればお布団を敷きましょうか?」

どうしようか?夜も遅いしすぐに寝ることには変わりないのだが、、、


「お願いできますか?」

少し悩んだ結果、俺はその言葉に甘えることにした。

俺の言葉を聞いた女将は部屋に入り、押入れの襖を開ける。

その中には布団が入っており、女将はそれを慣れた手つきで床に敷いていった。

あっという間に寝床が用意される。

「女将さん?あれは?」

その途中、柳さんが何かに気がつき押入れの中を指差した。

それにつられて俺もそちらを見る。


そこには一つの人形が置かれていた。色白で、黒髪

和服を着ている人形ーーーーいわゆる日本人形だ。

特に珍しいものではないが、強いて言うなら尊な場所にあるのが珍しい。


「あれですか?あれはーーーー娘ですね。」

少し迷うようにそう言う女将。

おそらくだが、娘が遊んであそこに置いていってしまったと言うことなのだろう。



「それでは、私はこれで失礼させていただきます。」

そして布団を敷き終えた女将はすぐに部屋を出ていってしまった。

それを見送った俺は少し安堵のため息をつく。


はぁ、一時はどうなることかと思ったが、案外なんとかなるものだな。


「さて、、、夜も遅いし今日はもう寝ようか。」

俺はそう提案する。今日はこれ以上何かをやる気にならなかったからだ。


「そうね。そうしましょう。」

柳さんもそれに異論はないようだった。

俺たちは先ほど敷いてもらった布団にそれぞれ横になる。

部屋の入り口側に俺、押入れ側に柳さんだ。

俺は部屋の明かりを消す。


「じゃあ、おやすみ。」


「また明日ね」

寝る前、俺たちは軽く挨拶をして瞼を閉じた。




















俺は深夜、ギシ、ギシという音を聞いて目を覚ました。

なんの音だろうか?

音の発生源を確認すると、どうやら柳さん側からなっているみたいだ。

ただしなんの音かはわからない。

まさか床とかどこかに軋みができているのだろうか?


そんなことを考えながら、音の正体を探る。



音はすぐに鳴り止んだ。

そしてすぐに別の音。今度は襖をスライドさせる音だ。

滑らかに押入れの襖が開く。そしてそれは三十センチほどで止まった。


?????

「柳さん?」

小さく問いかけてみたが、返事はない。

帰ってくるのは彼女の寝息だけだ。呼吸音を聞く限り、ちゃんと寝ているみたいだけど・・・


ならなにが押入れを開けたんだ?

俺は謎の現象に首をひねる。

すると突然、、、、グシャ、、という音が隣から聞こえて来た。

一瞬、俺の体がビクッと震える。

そして何かを引きずるような音がし始めた。


その音は俺の方に近づいて来て、そして俺の上を通って部屋の外に出て行く。

俺は動けなかった。


俺の上を通ったものは生暖かく、そして大きく重かった。

俺は言い知れぬ悪寒に見舞われ、震える。だが、どうしてもここでこうしていてはいけないと思った。

俺はこっそりと部屋の外、音が出ていった方向を見る。


暗くてよくは見えないが、何かを引きずって曲がり角を曲がる何者かの影が見えた。

とっさに俺は部屋に戻り、そして入り口の襖を閉めた。


そして部屋の明かりをつける。



暗い闇の中から、明るい部屋になったことで一瞬俺は目がくらみ顔の前に腕を持ってくる。

そして目が慣れてから部屋の中を見てーーーーそして絶句した。


柳さんはいなくなっていた。

そして彼女が眠っていた場所には、代わりと言わんばかりに赤々としたシミが布団の上に付いている。


そしてそのシミは俺の布団の方に、そして部屋の外まで続いていた。

じゃあさっきのはーーーーー


先程の音の正体が明確になっていく。

グシャという音は彼女が殴られたか何かした音、引きずられていたのはまんま彼女だ。

そして俺の上を通ったのも・・・・


うっ、少しだけ吐き気がしてくる。


しかしどうして?


理由がわからない。そして誰がやったかもわからない。

女将?他の人?そう考えるが、そもそも誰もこの部屋にはいなかったはず。

部屋の状況に恐怖心を覚えながら、なにがあったのかを俺は必死で考える。


そうだ、そういえばあの音の前、襖が開いた。

俺は襖の方を確認する。


そこにはーーーーー布団が入っているだけだった。

それ以外、なにも特徴的なものはない。


何もーーーーない?

そういえば、、あの人形は?

俺が少しの間呆然としていると、旅館の廊下をこちらに向けて歩いてくる音が部屋の外から聞こえて来た。

柳さんか?そう思ったが、足音は妙に軽い。


もし周りに音がなければ、気づかないほどの足音だ。

ただ、俺はその足音に恐怖を感じた。

このままだとまずい。

あれがここに来たらまずいと思った。


気づいた時には俺は部屋の入り口を旅行用に持って来た荷物を駆使して固定していた。

カバンの中に入っていた硬いものを突っ張り棒のように使ったのだ。


そして足音は部屋の前までやってくる。


ガタっ、部屋の入り口の襖が揺れる。

ここに入ろうとしてそれができなかったみたいだ。

それからもガタガタと襖は揺れるが、開く様子はない。


足音は去っていった。


よかった。諦めてくれたみたいだ。

そう思い、俺は状況を確認した。気づけば俺の体は汗でびっしょりと濡れている。

その汗は冷たく、暑いから書いているというわけではないということを感じた。

息も結構荒くなっている。


俺はまずはそれを整える。

冷静にならなければ、正常な判断はできない。


はぁーーーはーー、はーー、、ふぅ、、

よし、結構整って来たな。


ある程度呼吸が戻って来て、この部屋に何が起こったのかを考えようとした時、突然襖に何かが突き刺さった。

ザクッと切り裂くような音とともに、部屋の外から襖に鉈が刺さったのだ。

諦めて帰っていったと思った足音、それはいつの間にか戻って来ていて、ここをこじ開ける物まで持って来ていたのだ。


突き刺さった鉈は強引に引き抜かれる。

襖には大きめの穴が開いてしまった。

そしてその穴から、こちらに向けて覗くように目が向けられる。



「みぃ、つけたぁ!」

鈴のような高い声。どこか幼いその声は、心底嬉しそうなトーンでその言葉を紡いだ。

そしてそれは俺に恐怖を与えるには十分すぎる不気味さがあった。


俺を確認した『それ』はどこか作り物のような目を穴から離し、今度は次々と鉈を振り下ろし始めた。

くそっ、破壊して無理やり入ってくるつもりか。


どうするべきか考えるが、どうすればいいのかの答えはでない。

俺が行動を起こさない間も、『それ』は次々と襖に傷を作っていく。

『それ』に力はないのだろうか?


大人なら数度叩くだけで壊れそうな襖だが、『それ』は何度も叩きつけて壊している。

それに打点も低い。

まるで、襖の外にいるのが小さな子供であるといっているようなものだった。






そしてついにーーーー襖が壊された。

『それ』は部屋の中に入り、中を見渡した。


「あれぇ?いなぃ」





俺は部屋の窓から逃げ出していた。

何も考えずに、部屋に入ってこようとする、俺に近づいてこようとする『それ』が怖くて逃げ出した。

走る走る走る。


とにかく走って、走り続けて、そして気づいたらあの無人駅にたどり着いていた。

心臓がばくばくと音を立てる。かなりの間走ったような気がするが、思ったより走っていなかったみたいだ。


だが、体の方は長距離走の後のように疲弊しきっている。精神も同様。

俺はこれ以上動ける気がしなかった。

俺は駅のホームの椅子に膝を抱えるように座った。


早く朝になってくれ。早く明るくなってくれ。

暗くなれば『あれ』が追いかけてこない保証はなかった。だが、今はとにかく暗いことが怖かった。

携帯電話を置いて来てしまったため、明かりをつけることも時間を見ることもできない。


俺は震えていた。


ずっと震え続けていた。



どれくらいの時間が経った?多分、それほど経っていないが、俺からしたら何日もここにいた気分だった。

ついに、朝日が顔を出した。


やった、やった!!

俺は心の底から安堵した。そして駅の時刻表を見た。

始発は朝の5時みたいだ。

それなら明るくなり始めた今ならすぐだろう。


俺の期待を裏切らず、電車はすぐに来てくれた。


方向も昨日俺たちが来た時とは逆、つまりこれに乗れば帰れるはず!!


俺は迷わずに乗車した。

そして窓際の席に座る。他の乗客はいない。早朝だからな。

他に人がいればもう少し怖さを紛らわすことができたんだけど、高望みしても仕方がない。


電車はすぐに動き出す。

電車が動き、その速度を増すにつれて俺の中の恐怖感が失われて行く。

するとともに柳さんのことが気になり始める。


彼女は大丈夫だろうか?

助けを待っているのではないだろうか?そう考え、それ以上は考えないことにした。

俺はもう2度とあそこには行きたくない。


はぁ、本当なら幸せな旅行になるはずだったのになぁ・・・







少しの間電車に揺られていると流石に退屈になってくる。

だが、荷物は全部おいて来てしまったので暇つぶしの道具すらない。

俺は外の景色ーーーーみたくもないがーーーを見て時間を潰していた。

そこでふと、俺の目は窓枠に落ちた。



そこには落書きがあった。

金属でできた窓枠を、針金で削ったかのような細い線でいくつもの文字が書かれていた。


(どこにいても、こういうことをする奴はいるもんだな。)


俺はそう思いながら、暇を紛らわすためにそこに書かれていることを確認していく。


ーーーーー直ぐに、俺の顔は青ざめた。


『ニガサナイ』『アナタノココロモチョウダイ?』『まだ、代金を支払ってもらっていませんよ』『ニゲチャダメダヨ』『ドウシテニゲルノ』『マダモラッテナイ』『ココロヲ。モラッテナイ』『ドウシテタスケテクレナカッタノ』『ドウシテワタシガツレサラレルノヲミテタダケナノ』


まるで呪詛のように書き連ねられた言葉。

そのどれもが、俺に向かって言われているような気がした。

いや、気のせいだ。これは落書き、ずっと前に書かれた言葉だ。

俺には関係がない。


そう思い、俺は窓枠の文字を睨みつけた。

すると


『アナタノウシロニ、私はいるよ。」

文字が増え、声が聞こえた。

とっさに振り返る。


そこには『それ』が、襖の中にあって、いつの間にかなくなっていた日本人形がいた。

そしてその人形は鉈を大きく振りかぶっておりーーーーーー俺の意識はここまでだ。
















「なあ、山下知ってるか?」


「なんだよ加藤。」


「いや、高田と柳さんの話だよ。」


「あぁ〜、あの2人は残念だったよな。旅行に行くって楽しみにしてたのに、電車に轢かれちまってよ。残業をさせたのが俺っていうんだから少しだけ罪悪感を感じちまうわ。」


「それなんだけどよ。実はあれ、事故じゃなくて他殺なんじゃないかって話だぜ。」


「は?」


「俺の知り合いに警官のやつがいるんだけどさ。そいつに聞いた話によればおかしなことがあったらしい。」


「おかしなこと?」


「ああ、なんでも足りなかったみたいだぜ?」


「足りなかった?何が?」


「色々なものがだよ。まず荷物がどこにもなかったみたいだ。それに加えて、柳さんの頭部には殴り跡もあったんだと、」


「へぇ、それは穏やかじゃないな。」


「それに、2人とも心臓がなくなってたって話だぜ。」


「よく電車に轢かれた死体でそこまで分かるもんだな。やっぱり警察ってすげえわ。」


「だよなぁ、まぁ、ここだけの話二つの死体が結構離れた場所にあったっていうのが謎で詳しく調べたみたいだ。」


『間も無く、13番ホームに◯時⚫️⚫️分発の列車が参ります。危ないですからーーーーー』


「あ、電車、来たみたいだぜ。」


「っと。やっとか。全く、あいつら2人がいなくなってしまったからその穴が埋まるまで俺たちは残業続き、、、もし他殺だったっていうならそいつに責任取ってもらいたいところだな。」


「本当に、な。」


「じゃあ、ここに座ろうか。」


「そうだな。まあ、ほかに誰もいないからどこで見いけど。」


「ん?」


「どうした山下。」


「いや、こんなもの見つけた。」


「へぇ、日本人形か。誰かの忘れ物かな?」




普段はファンタジーものの別の作品も書いていますので、気が向いたら読んでいってください。

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― 新着の感想 ―
[一言]  犠牲者が増えていく、ラストの来やすそうな会話の裏には……オーソドックスなホラーでした。もうちょっとひねりが欲しかった気も致しますが、なかなかに雰囲気が出ていたと思います。  
感想一覧
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