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第48話 美少女がドレッシングを振るだけの動画!

「こ・・・こうですか?」

「もっと真剣に!」


何故かキリッとした顔でそう告げるナナシの言葉にドキッとしたルリエッタは真剣な表情でドレッシングを振る。

円柱の形をした白色の木で出来た入れ物に入ったドレッシング。

蓋を外さなければこぼれないがこんなに振る必要は無いのは誰の目にも分かるだろう。

だが・・・


「こ・・・これは・・・」


スケさんは気付いていた。

骨だけの体なのに何故か前屈みになっている。

思春期か!


細長い物体を美少女が真剣に手で振っている。

たったそれだけの光景にも関わらずそれはとってもエッチな光景であった。

何気にスケ母が真っ白の頬を少し赤く染めている事からもそれが何を表しているのか気付いたのかもしれない。


「な・・・ナナシ?ルリエッタに何させてるのさ?」


意味が全く分からないリルが尋ねてくるがナナシは笑顔でもう一本のドレッシングを差し出し告げる。


「リルもやってみればわかるかもしれないよ」

「う・・・うん・・・」


何故か少し頬を赤く染めてナナシからドレッシングを受け取りそれを振り出すリル。

利き手で握ったドレッシングを振り続ける美少女2人・・・

何だこれは・・・


「象形文字って文字が世界にはあるんだよ」


突然ナナシが誰に告げているのか分からない口調で説明を開始する。

まるで悟りを開いたかのように天井を見上げながら語るその姿をリルとルリエッタは不思議そうにドレッシングを振りながら見詰める。


「動作や形を絵から文字へと変化させた古代の文字で字からその光景を想像させる文字なんだ・・・」


ナナシの説明はそこで何故か終わってしまった。

そして、ずっとドレッシングを振り続けているルリエッタは疲れてきたのか呼吸が少し荒くなりだした・・・


「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」


それに何故か更に前屈みが深くなるスケさん。

だがそのルリエッタの手をナナシが止めた。


「お疲れさん、ルリエッタのお陰で色々と助かったよ。ほらっこのサラダにそのドレッシングをかけて食べると良いよ」

「あっ・・・はい、ありがとうございます」


そう言ってナナシが差し出したサラダにルリエッタはドレッシングをかける。

今さっきまで自らの手で振っていたドレッシングをかけてそれを自ら食べるのだ。

そう考えたスケさんはもう限界であった。


「しんぼうたまらぁーーーん!!!!」


いきなり立ち上がり飛び掛るようにジャンプしたスケさんの顔面にリルが振っていたドレッシングを投げつける!

レベルが低い為にその動きは非常に遅かったが呼吸の荒いルリエッタしか見えていなかったスケさんはそれを顔面に食らって料理の上にひっくり返る・・・


「あぎゃっ?!」


テーブルの上に残っていた料理がスケさんの体でひっくり返り酷い事になっていた。

見事な事にスケ母だけは自分の料理を素早く回収し被害を免れていたのであるが、料理の殆どは食べられる状態ではなくなっていたのだ・・・


「スケさん、お前借金追加な」

「そんな殺生なぁ~」

「ほらっルリエッタ、君の分だよ」


さり気なくナナシが取り分けておいた料理をルリエッタに差し出す。

少し困り顔を見せるルリエッタであるがナナシは笑顔で告げる。


「俺の頼みを聞いてくれたんだ。きっちりとお礼はさせてもらうよ」

「で・・・でも・・・」

「えっ?なにっ?アーンして欲しいの?」

「えっ・・・いえいえいえいえいえいえそんな!!だ、大丈夫ですよ!食べます!食べますって!!」


慌てながら顔を真っ赤にしてナナシから受け取った料理を食べるルリエッタ。

その姿にナナシは笑顔を見せ、大きく溜め息を吐いたリル。

明るく楽しく騒がしすぎる夕食はこうして終了したのであった。












「す・・・凄いぞ・・・凄いぞナナシ!」


嵐はナナシの動画を作成し早速ユーデューブ上にアップしていた。

アカウントが変わった旨を記載して先日から上がったナナシの異世界動画は着実にカウントを稼いでいたのだが今回の・・・

『美少女にドレッシングを振らせる動画』

をアップした瞬間からどこぞの掲示板で話題になったのか物凄い速度でカウントが回りだしていたのだ!


「アップ後1時間で15万再生突破か・・・これは100万再生硬いぞ!」


新しいアカウントで新しい口座も開設し動画の観覧数の分だけ月に一回お金が振り込まれる形に戻した嵐は、控えておいたメモからナナシへお金を送金する方法も既に出来上がっていた。

お金が振り込めれば嵐がナナシと連絡が取れなくても見れてると言う事が伝えられるのだ。

暗い室内に1人暮らしの嵐は引きこもりニート猫まっしぐらな感じではあるが町内でもトップクラスの金持ちになるなんてご近所さんは知りもしないのであった。













「はぁ~美味かったわ~」

「最後にスケさんがあんな事しなけりゃもっと食べれたのにな・・・」

「ごめんて、しゃーないやん!ホラッノリって大事やん?」


真っ直ぐに4つ並んだ部屋の2番目の部屋に敷かれた布団でナナシとスケさんは並んで横になっていた。


「それはそうと、レベルは転生しないと本当に上がらないのか?」

「あぁ、無理やで。自分前は魔法使えたんやろ?だったら分かるやろ?区が変わると魔力を操る事も出きんくなるさかいな」

「そっか・・・」


ナナシはスケさんの言葉に平静を装いながら内心驚いていた。

それはそうだろう・・・

ナナシはこの区内であっても魔力を練る事が出来るのだから・・・

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