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第21話 半丁賭博に七志突入する!

金品を使用してのギャンブルは刑法で罰則を受ける場合があります。

遊びでやる分にはいいですが注意しましょう。

「おっおいっ本当に行くのか?」


七志とボブはボブの父から教わった賭場の前に来ていた。

ナナシの事は気に喰わないボブではあるが流石に予想外すぎる七志の行動に焦りを覚えていた。

悪ぶっていても実は良いやつなのである。


「あぁ、今日でこの賭場ぶっ潰すぜ!」

「・・・はぁ?」


呆れたボブを放置して七志は建物の中へ足を踏み入れる。

そこは未成年でも金さえ持っていれば参加できるこの世界ならではの賭場であった。

現代日本なら昭和の初期にヤクザが経営する店が乱立していた様な雰囲気の中、七志とボブは中の様子を眺めながらボブの父から聞いた話を思い出しつつ相違が無いか確認する。

基本的には貼り出されている紙に全て記載されているのだが曖昧な表現で誤魔化される可能性を視野に入れじっくり確認するのは日本人の性だろうか?

と言っても確認しているのは七志ではなく念話で指示を出している嵐であるが・・・


「おう、坊主も混じるのか?」


強面の男が声を掛けてきた。

この世界では誰もが魔法を使える、下手すれば大人よりも凄い魔法使いの子供の場合も在るので子供だからといって馬鹿にはしない。


「ちょっと様子見ですね」


七志の言葉に男は鼻をフンと鳴らして視線を場へ戻す。


「はい、7.5.1の半!お客さん銀貨19枚ね」

「へへっあんがとよ」


この賭場では9割返しと呼ばれるルールが採用されていた。

これは客が賭けた丁半が当たっていたら掛け金を190%にして返金するシステムである。

残りの1割は場代としてここで働く人間の給金などに当てられる。

この方式で行くと同じだけ勝ち負けが繰り返されたら客は損をするシステムである。

だが店側が出している条件は、掛け金を自由に客側が選べるのと参加不参加の自由である。

これで勝てる時にだけ参加をする方法が取れるので客側が有利と考える事もできるのだ。


「ふむ・・・大体親父さんの話してくれた通りだな」

「おいナナシ、9割しか戻ってこないならどれだけやっても負けるのは確実じゃねーか」


ボブの言う事は正しい、基本的にギャンブルは客側が負けるように出来ている。

だが七志の脳裏に念話で嵐が興奮した様子で話しかけている事で七志の顔に笑みが浮かんでいた。

それを見て恐怖を感じたボブは立ちつくし七志は次の勝負から参加する事にしたのだった。


「おっと坊主最低銀貨10枚からだが払えるのか?」

「ご心配なく」


そう言って七志は銀貨を10枚まるで手から生み出したかのように出現させ場に置く。

それを見て誰もが驚く・・・


「収納魔法だと・・・」


そう、収納魔法はかなり高度な魔法なのだ。

それを使えるという事を見せる事で男達にとって七志は高位の魔法使いだと誤認させる事にまず成功した。

子供相手なので誤魔化されてしまうのをこれで防いだのだ。


「それじゃあまずは・・・半に掛けますね」


七志が半の所へ出した銀貨10枚を動かす。

この世界の銀貨10枚は日本円で1000円、現在の七志と嵐の稼いだ金は既に700万円を超えている・・・

そして、七志は念話で嵐に指示されるままに行動を開始する・・・

その後、勝ったり負けたりを繰り返し七志は暫し真面目にギャンブルを楽しむ。

しかし、この場に居る誰も気付いていなかった。


「んじゃあ次こそはもう一度半に銀貨40枚!」

「兄ちゃん2連敗しているのに強気だねぇ~」


正面でニヤリと笑う男がサイコロを振る。

結果・・・


「4.5.5の丁!兄ちゃん残念だったな」


七志初めての3連敗であった。

しかし、七志の顔には笑みしか浮かんでおらずその口から再び宣言が出て銀貨が出てくる・・・


「んじゃあ次こそ来るでしょう、半に銀貨80枚!」


それでも大した額ではない、実際に横の太った男は金貨5枚も賭けているからだ。

だが後ろに居るボブだけはそれに気付いていた・・・


(ま・・・マジか・・・こいつ一体なんなんだ・・・)


実は七誌と嵐は前回のボブの親父さんの説明回を動画にした時にコメント欄でこのギャンブルの勝利方法を募集していた。

観測者である嵐の世界の二人の動画を見ている人数は世界中で既に100万人を軽く超えている。

それだけの人間が集まれば勿論いい知恵を出す者も出てき、その中で嵐は一つの提案に目を留めた。

そして、それこそがこのギャンブルの必勝法なのを確信した嵐は七志に指示を出しその通りに行動させていた。

全ては二人の思い通りに動いているのであった・・・

現実世界での丁半賭博は参加者の間での賭け金の移動が行なわれるので主催は参加料だけ徴収する形が一般とされてます。

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