黒のゲーマーは拠点へ向かうそうですよ
陸翔はプロ―トタートルの背にいた。
プロ―トタートルの背中には、様々な環境の大地がある。
現在陸翔がいるのは、亀の東側は草原エリアになっている。
地面には草が生い茂り、風もとても心地よく吹いている。
周りには、陸翔が契約したモンスターや木の実がなってる木がたくさんある。
陸翔ははさっきのクラスメイトとの戦闘の事もあり、ただ呆然としていた。
自分はあんなに弱い相手の事を恐れていたのかと、自分に自分で呆れていた。
そんなことを考えていると、隣からユリカが声をかけてきた。
「ご主人様……大丈夫?」
ユリカは心配そうに顔を覗き込んでそういった。
「うん? あぁ大丈夫だ」
陸翔は反応が遅れ、曖昧に返してしまった。
そうだ今はそんな事を考えてる時じゃない。
今は現状を確認することが大切だ。
そのためにはまず中央の拠点を目指すか。
そう決断すると、陸翔はユリカに言った。
「ユリカ、まず中央に向かうけどいいか?」
ユリカはいいたやいなやすぐに返答した。
「ご主人様がそういうなら」
ユリカは自分を肯定してくれた。
「ありがとう、じゃあさっそく」
陸翔は中央へ向かうため、それにあった召喚獣を呼び出そうとした。
陸翔が詠唱を始める。
「我、そなたと契約せし物なり、契約に従い、今召喚に答えよ!」
【召喚:ペガサス】
下から魔法陣が現れる。
その魔法陣からに背中に翼がはえた白い馬が、現れた。
陸翔を見るやいなや、じゃれついてきた。
「相変わらずだな、お前」
ゲームの中でもこっちでも変わらないペガサスの態度に安堵した。
ある程度じゃれついた後ペガサスに言った。
「今回も中央まで乗せてもらえるか?」
ペガサスはいつも通り、背中に乗れとアピールしてくる。
自分とユリカは、ペガサスの背に乗る。
乗ったと確認したペガサスは、走り出した。
ある程度安定したところで、後ろを振り返るとユリカが顔をふくらませて怒っているようだった。
「ユリカ? どうしたんだ?」
ユリカは小声でつぶやいた。
「私もご主人様と遊びたかったな」
「え、なんていったの?」
風が強すぎて、陸翔は聞き取れなかった。
「なんでもないです!」
ユリカはそう言うとそっぽを向いてしまった。
何か悪いことでもしたかなぁ? そんなことをペガサスに乗りながら考えていた。