世界が変わる時
大和目線──
そしてそんな中柚木が捕まった。
「柚木っ」
三人の想いは一つ。柚木を助ける。
理由もたった一つ…家族だから。
バラバラだった想いはひとつになり、バラバラだった三人の道は一つになった。
木刀を握り最後のケンカをしにいく。
相手は昔俺らが支配地域を削った相手。
うかつに知らないヤマでケンカをしにいくなんてな…
高架橋の下、相手は20人近い。
暴れても暴れても柚木までたどり着かない。
「四天王も終わったな。」
サイレンの音が遠くから聞こえる。
でも体も動かない。
視界も歪み、霞み、記憶はそこで止まっている。
相手は大半は逃げていき、僕と哲二と朔は救急車で運ばれたらしい。
柚木も襲われかけたらしい。
大きくやりすぎた。
補導された。
何も残らなかった。
それどころか傷しかない。
朔と柚木も後日辞めようという話になった。
でもそんな問題を起こした僕らは公立高校が受け入れてくれるわけもなく私立進学が決まった。
「なぁ大和ー」
「どーした?」
上のベットから降ってくる哲二の声
「俺定時にするよー」
まだ高校悩んでたのか
「駅のところ?」
「おう!」
「なら柚木と僕も一緒だね」
夏休み、三者面談があるからそろそろ志望校決めとけという話だった。
「朔は?」
「朔は一応公立の夜間も受けるって」
「公立行けんの?」
「朔は頭いいから大丈夫でしょ」
「なるほどなー、朔は勉強すげぇもんな…」
朔は元から勉強は出来るから夜間にしなくても合格はすると思う。
施設の園長さんはやんちゃを止めて高校行くと決め猛勉強している僕たちを否定はしないでいてくれる。
施設内でも批判的意見は多いのにありがたい。
問題集とかはあねごのおさがりをもらった。
あとは学校から買わされたやつ。
あねごいわく英語は教科書丸暗記するぐらい覚え込めって話で朔以外の三人はすでに英語でつまずいてた。
特に僕は英語苦手だな…と教科書を眺めてた。