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志乃と哲二と大和

大和目線──

いつだったか哲二から聞いたことがある。

"強く願えば叶う"って…

哲二の母さんの言葉だったっけな…

でも、本当に次の日会えるなんてな…

「おい、大和、あいつ!」

「昨日の?」

「おう!」

びっくりするほど人の良さそうな人。

「すいません。」

「はい?あ、昨日の!てつ!大丈夫?」

「まぁ…」

てつ?

「隣は友達?」

「まぁそんなもんです。」

「友愛の子?」

「そうですよ。」

「府中志乃って言います。名前は?」

「北野大和です。」

「大和ね!よろしく!」

「てか志乃さん高校生だったんすか。」

哲二名前呼びかよ。

「え、何だと思ったの?」

「てっきり同級生かと…」

「あー、稽古帰りだったしね!」

棒を振る仕草。剣道?

「大和、だれ?」

「あ、可愛い女の子。」

目線は柚木を捉えてる。

「っ!?」

柚木が私服なのに女の子だって気づいた?

「府中志乃さんだよ、昨日助けてくれた人。」

「そうなんだ…」

「なんて名前なの?」

「柚木…桜です。」

「なんて呼ばれてる?」

「柚木。」

「じゃあゆずだね!」

「ゆ…ず////」

「お前らそろそろ時間だろ。」

「朔!」

「だれこの人?」

朔の細い目が一段と細くなる。

「昨日哲二を助けてくれた人らしいよ。」

「へー、いいや。行くぞ」

「はーい。じゃあね!志乃さん!」

「ねぇ、どこ行くの?」

一瞬で疑いの目に変わる、勘はいいんだ。

「ケンカしに行くんでしょ。止めないけどさ。とりあえず今度みんなご飯いこ。時間あったらでいいから、いこ!」

連絡先を渡してきてじゃあと自転車で走り去っていった。

止めなかった…

あの人よく分からないな。

さて、哲二のケンカ便乗するか。


結果は圧勝。

隣の学区弱い。

だから圧勝。

ここの地域で俺らは四天王と呼ばれてる。

余裕すぎた。

朔と哲二は暴れたりない感じだな。

もちろん僕もだけど。

「なぁ大和、俺志乃さんに連絡する!」

「いきなりだと迷惑じゃないか?」

それでも嬉しそうに連絡する哲二を見て一緒に行こうかなと思った。

彼女がどんな人か見極めたいし。

志乃さんはいいよと言いとりあえず哲二と僕でいく。

「ごめんね、お金なくてさ」とコンビニでおにぎりを二個ずつくれる。

哲二の質問にもちゃんと答えてる。

一人の人間としてみてもらえてる。

友愛園の生徒なのに。


「おい、お前ら四天王だろ?」

あ、まずい、高校生だ。

「俺ら卒業してから手広くやってくれてるようだな」

ヤバイな、素人一緒だぞ。

視線は自然と彼女を見る。

その間にも哲二が腕を捕まれ、まさに一発触発状態。

「ねぇ、不良ってカッコいいと思ってるの?」

「は?」

「意気がってるけど実際弱いくせに」

煽るなっ!守りきれないぞ!

「お前!」

「殴ったら君たちが悪くなるよ、○○高校の一年の子達。」

「っ!」

私服なのになんで分かったんだ!?

「昼間からこんなことしたって逃げれると思ってないでしょ?うちはこの二人と話したいだけだから。その手離してくれる?後にしてよ、そういうの。」

おいおい、口だけで退散したぞ。

これはびっくりだな。

「で、話の続きしよっか!」

この人何者なんだ?

「かっけぇ!!あねごって呼んでいいっすか?」

哲二がなついた。

いや、既になついてたか。

「え、なんか恥ずかしいような嬉しいような…そんなすごい人間じゃないのにいいの?」

「いいんすよ!あねご!」


この人はなんだかすごい人だ。

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