第四話「折り紙」
今日でGWも最終日となったわけで俺とアズハは最後の休みを満喫・・・するわけでもなく部屋でゴロゴロしていた。まぁ文字通りゴロゴロしているのは俺だけでアズハは折り紙をしている。
「なんかできた?」
アズハがずっと難しそうな顔をしてたので話しかけてみると「これ・・むずかしい・・・・」といってアズハは俺があげた本を持ってきた。
「鶴か、じゃあちょっと貸して・・・」
俺がそう言うとアズハはクシャクシャになった折り紙を俺に渡した。たぶん自分なりに頑張ったのだろう。
「ここがわかんない・・・」
そう言ってアズハが指さしたのは羽の部分だ。なるほど、俺も昔ここに苦戦した思い出がある。
「ここはこの部分を折り曲げるとわかりやすいよ・・・」
とりあえず昔俺が母親に習った方法で教えてみると、アズハは俺の脚に乗って「頑張る・・・」と言いもう一度鶴に挑戦した。最近気づいたのだがアズハには「人の近くにいたい」という思いがあるようだ。だからこの一週間俺とアズハはトイレ以外はほとんど一緒にすごした。まぁ風呂に入る時に「一緒がいい・・・」と言われたときは焦ったが、小学校低学年を一人で風呂に入れるのも危ないかと思いOKせざるを得なかった。
つい一週間前まで別々の世界にいた俺達があの場所で偶然出会い、今はこうして一緒に暮らしている。俺はこの一週間が楽しくて仕方なかった。三年前に両親を亡くしずっとこの家に一人だった俺にとって、俺と同じく親を亡くし虐待されているアズハが放って置くことができる存在じゃなかったのだろう。だから俺はアズハを引き取り家で育てると言い張ったんだ。あれから一週間しかたってないにも関わらず、今俺の脚に座っているアズハはすでに俺のかけがえの無い存在だった。
「・・・できた!」
俺が色々考えてるうちにアズハは鶴を完成させたらしい。その鶴は決して綺麗とは言えなかったが、アズハがとても一生懸命に折ったことは見てわかった。
「お、上手いじゃん!」
俺がそう褒めると、アズハがこっちを向いて小さな声で何か言った。
「・・・え?」
よく聞こえなかったので俺が聞きなおすとアズハは「あげる・・・・」と小さな声で言い俺に鶴を差し出した。
「え、いやせっかく作ったんだから自分で大事にしなよ」
俺がそう言うとアズハは「お兄ちゃんのために作ったやつだから、お兄ちゃんにあげる・・・」と真っ赤になりながら俺に言った。
「その本に「鶴は大切な人に送るものだ」って書いてあったからお兄ちゃんにあげたかったんだけど、ダメ・・・・?」
そう言った後アズハは手を引っ込めようとしたが、俺はその手をつかみ「ダメなわけねぇよ。一生大切にする」と言って鶴を受け取った。それを見たアズハは嬉しそうな顔で「ありがとう・・・」と言い、また真っ赤になりながら部屋から飛び出していった。走る途中で小さくガッツポーズをして・・・。
俺はアズハからもらった鶴を大切に胸ポケットにしまい「今日のお昼ご飯はアズハの大好きなホットケーキにしよう」と考えながら、上機嫌で台所へ向かった・・・・。
こんな未熟な文章に付き合ってくれた方ありがとうございますw
とりあえず話はひと段落(^^;)
次の話からは学校が始まって新キャラ登場させたりアズハに友達作ったりとテンションがあがると思います。まだまだ未熟者ですが話が進むにつれある程度文章能力を上げていきたいと思いますのでどうかお付き合いくださいませ^^;
あと、この間評価くれた人ありがとうございました。なんかやる気が沸いてきました(笑)。更新遅れ気味ですが次回はもうちょっと早めにうpしたいと思います。
よかったら評価や感想いただけると嬉しいです(誤字脱字指摘も^^;)。それではまたw