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ダブルマザー  作者: 山水
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2人の母親がいるという事

私には母親が2人いる。




母親と私と3人暮らし。




それは私が生まれる前からそうだったと聞かされて。




私は別に教えられたわけでもなかったけど、私を産んだ母親を「ママ」、一緒に育て

てくれてる母親を「お母さん」と呼ぶようになった。






2人の母親が私の両手を握ってくれて、一緒の布団に寝てくれて。


行事ごとは絶対どちらかが出てくれて。


どっちが好きかと言われても決める事が出来ないくらい大好きで。






でも、小学校に入学してクラスの男の子から2人の母親をレズってからかわれてから、私は「お母さん」と呼ぶ事をやめた。


ママだけ、ママと呼び、お母さんはめぐちゃんと呼ぶようになった。






小学校高学年になり、母親が2人いる事がとても恥ずかしくなった私は、ひたすら隠

すようになった。


周りにはめぐちゃんを親戚の人と言い、外でも2人が手を握ったり、私にハグする事

を拒みだした。






そして中学になり、私は完全にめぐちゃんと口をきかなくなった。


母親は1人でいい。


2人いるから、変だと言われるんだ。






そんな私をめぐちゃんは責める事はなく、いつも優しかった。




だから余計に私は拒絶した。


他人だから何も言わないのだと。


血のつながりがないから、私の事はどうでもいいのだと。






自分に父親がいない理由を聞いた事はない。




でも、もしかしたらママがめぐちゃんを選んで私のお父さんを捨てたかもしれない。




そう考えると嫌悪感さえ湧きあがった。






なんで私の家庭だけ他と違っちゃったのかな。




私もお母さんがいて、お父さんがいて。




そういう生活がよかったのに。





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