表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
諸王の詩  作者: 天凛
2/4

ゴルトラーンの檄

漆黒の駿馬に跨りしは、焦土の如き肌を持つ王

その髪、解けば馬上より地の果てに届かんとするも 

今は編み束ねられ、腰に揺れるは征服者の誇りなり

殉教者アレファハーンの聖骸布を纏い 頭にはクレー族の古き慣習にして尊厳の源泉たる茨の冠を戴く

その名はベガロ、クレーの民を統べる者 グノロトーンを平らげし、勇猛なる征服者なり



王、ペンニ族との戦にあたりて、己の兵士たちにかく語れり。


汝、クレーの民よ、神は我らに道を示してくださった。

目指すは我らが宿敵ペンニ族の都市アガタなり!

この戦に得るもの、測り知れぬほどに大きい。

子々孫々に語り継がれん、尽きることなき栄光!  一千万の民を養うに足る金銀財宝! そして、とこしえに続く、神の聖なる祝福!

兵士よ!目に映るすべての命を殺せ!女を殺せ!子供を殺せ!老人も殺せ!鶏も、ヤギも牛も!たとえどんな生命であろうと殺しつくせ!

さすれば汝は全てを得るだろう!



すかさず兵士、歓呼の声をあげてこう応えり。


ベガロ王万歳!

神はそう望まれる!

神は至上なり!



大地は震え、黒鉄くろがねの波が押し寄せる 王の黒髪、編み目解け、戦風に舞えば それは死を告げる、巨大な鴉の翼の如し

黄金の都アガタ、その門は悲鳴と共に砕け散り 聖骸布を翻すベガロ、先陣を切って街を蹂躙せん


神の望みのままに!神の望みのままに!


剣光は閃き、沈まぬ陽の下で命を刈り取る 王の命に従い、慈悲は砂塵に打ち捨てられ 路地は鮮血に染まり、叫びは虚空へと消えゆく

鶏の羽ばたきも、幼子の泣き声も、等しく断たれ 富める都の金銀は、勝者の血塗られた手へと移る

一千万の糧、子々孫々の栄光、それは死骸の山の上に築かれり


夕刻、アガタを包むは、勝利の雄叫びと黒き煙 茨の冠を戴く征服者、灰の街を静かに見下ろし旗を掲げる。



神はそれを望まれた!神の望みのままに!神の望みのままに!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ