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諸王の詩  作者: 天凛
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白亜王ヴァレアンの歌


Ἐν τῷ νῦν καιρῷ, ὁ Βασιλεὺς ἡμῶν ἐποίησεν ἡμῖν ὥσπερ ὁ Πατὴρ Θεὸς ἡμῶν.

(今このとき、王は我らが父なる神がそうであるように、我らにそうしてくださった。)


Εἰ καὶ αἱ πίστεις ἡμῶν διαφέρουσιν, αὐτὸς ἡγεῖται ἡμῶν τῇ ἀληθινῇ ἀγάπῃ καὶ τῇ εὐγενείᾳ τοῦ αἵματος, οὗ ἡ ἀρχὴ παλαιά ἐστι καὶ δυσανάβαστος.

(我らの信ずる神が違えども、誠実なる愛とその辿ることさえ困難なほど古く、偉大なる血の正統性によって。)




いと若き日にヴァレアンは 至高の玉座を継承し 大司教のその手により 聖洞(せいどう)の冠を(いただ)けり その王の身は(やまい)に蝕まれ 石膏(せっこう)の如く白ければ 人々は(おそ)れを込めつつも 彼を「白亜の王」と呼びき


(しか)れど彼は我らの 唯一(ゆいいつ)の救世主なり グノーディアの恐るべき 「レタナーンの英雄」エラオネル その名はゲレンの教えを 信ずる万国に(とどろ)きて 勇士の心も凍てつくも 白亜の王のみはその恐怖に屈せず




エラオネルは(たけ)り狂い 我らがヴォルゴールを囲み 盟邦フレーナの山河(さんが)は 既に彼の手に()ちたり 地上の偉大なる主の代理人 聖都ルームは我らを見放し 今や孤独なる戦いの 火蓋(ひぶた)は切って落とされぬ


敵将はヴォルゴールの道にて 我らを弱きと(あざわら)うも 白亜の王は強者を アレアンブルの地に召喚(めしだ)せり これぞゲレンの民に訪れし 至聖(しせい)なる戦いの時なり 主のために苦しみ戦うこと 王のために死すは正義の使命なり


遥か(いにしえ)に 主ゲレンが肉の姿にて 歩みしこの大地をば 永遠(とわ)に守り抜くがため 白亜の王は聖なる地を あまねく知り尽くし(たま)いて 神より授かりし智徳をば (いくさ)の庭に振るいけり




Εὔχομαι τῷ Βασιλεῖ τῷ Λευκῷ, μήτε φοβεῖσθαι μήτε κάμπτεσθαι, ἀλλ᾽ ἐν εἰρήνῃ εἶναι.

(我々は白亜の王のために祈る。どうか恐れず、挫けず、安らぎのうちにあらんことを。)


Καὶ ὁ Κύριος τοῦ Λετανᾶν εὔχοιτο ὑπὲρ τῆς νίκης αὐτοῦ.

(そしてどうか、レタナーンの主が、彼の勝利のために祈られんことを。)


Οὕτω γὰρ, εἰ καὶ ἑτερόδοξοι, καλῶς ἄρξει ἡμῶν καὶ ἐπὶ τὴν κοινὴν ἐλπίδα βαδιοῦμεν.

(かくすれば、たとえ信ずる神は異なれど、彼は我らを良く治め、我らは共通の未来へと歩むであろう。)




白亜王ヴァレアンは 忠義の(つわもの)を引き連れて かつて神が歩みし モンテヨルデの丘に立ちぬ エラオネルの軍勢は 我らの接近に気づかず いまだ無防備なる姿を 陽光の(もと)(さら)したり


王は白き馬上より降り 裸足(はだし)にて乾いた土を踏み 丘の(いただき)に至りて 敬虔(けいけん)に跪きたり 天の陽光に焼かれども 変わらぬ白き肌は輝き 神はその至純(しじゅん)なる祈りに 奇跡を以て応え(たま)


王は再び馬に乗り 先陣を切りて駆け出せり 「神はそれを望まれる!」 その声は雷鳴のごとく 加護を得し兵らは続き 巨大なる波と()して エラオネルの陣営に 死を恐れず突撃せり




ヴァレアン王万歳! 我らが白亜の王よ ヴォルゴールの主よ その栄光は永遠(とわ)にありけり 如何(いか)に神がその体を 呪いにかけ(たま)うとも その魂は至高なる 寵愛を(たまわ)りぬ!


モンテヨルデに兵を率い 戦い抜いた猛者(つわもの)たちは 神の国にて久遠(くおん)の (ほまれ)を授かりぬ 彼らはエラオネルを打ち 大いなる勝利を掴めり すべては我らが神の御名(みな)(たか)めんがために!


ヴァレアン王万歳! 我らが白亜の王よ ヴォルゴールの主よ その栄光は永遠(とわ)にありけり 如何(いか)に神がその体を 呪いにかけ(たま)うとも その魂は至高なる 寵愛を(たまわ)りぬ!


モンテヨルデに兵を率い 戦い抜いた猛者(つわもの)たちは 神の国にて久遠(くおん)の (ほまれ)を授かりぬ 彼らはエラオネルを打ち 大いなる勝利を掴めり すべては我らが神の御名(みな)(たか)めんがために!




Ὁ Βασιλεὺς ὁ Λευκὸς τὸν ἥρωα ἐνίκησε, καὶ ἡ εἰρήνη ἐπανῆλθεν εἰς τὴν Βολγόρην.

(白亜の王は英雄を打ち破り、ヴォルゴールには平和が戻った。)


Ἀλλὰ τὸ σῶμα αὐτοῦ ἐξασθενήσαντος, ἡ ψυχὴ αὐτοῦ ὑπὸ τοῦ Θεοῦ εἰς οὐρανὸν ἐκλήθη.

(しかし彼の身体は衰え、その魂は神によって天へと召された。)


Ἡ Βολγόρη ἄνευ βασιλέως ἐν ταραχῇ ἐγένετο καὶ ὑπὸ τοῦ Ἐλαονήλου κατεπόθη.

(王なきヴォルゴールは混乱に陥り、ついにはエラオネルによって併呑された。)


Ὅμως ἡμεῖς βοῶμεν·

(それでも、我らは叫ぶ。)


Ζήτω ὁ Βασιλεὺς Βαλεριανός!

(「白亜王ヴァレアン万歳!)


Ὁ Θεὸς ἐλεήσαι τὴν ψυχὴν αὐτοῦ!

(神が彼の魂に慈悲を与えんことを!」)


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