人生ってつまらない
「人生って、つまんないな」
3年前、15歳の俺はこの町を一望できる高台からそう言った・・・
そして、今俺様はこの世界で最もバズっているSNS「フリーダム」に出会ったのだ!
説明しよう!「フリーダム」とは生配信をおこなう事で登録者を増やし、1万人に到着するとお金も稼ぐ事ができる夢の様なSNSである!
ちっちっちっ、ここまではそこら辺のSNSとは変わらない・・・
「フリーダム」の本当の面白さは、登録者の数がHPになっていて、誹謗中傷コメントなどではHPが減り、
応援コメントはHPが回復するんだなー!ちなみに、HPは手首につけるバンドに表示される。
ええ?HPが0になったらどうなるかって?それは、「フリーダム」から追放されてつまんねー人生をこの先永遠と送らなければいけなくなるんだよ!
俺様は生配信をやっているが、今の登録者は666人・・・
言われなくても分かってるよ、俗に言う底辺ストリーマーだよ・・・
それでも、俺様は生配信で飯を食っていけるように、今日もいつも通り生配信をつけた。
「やー!信者のみんな、俺様が近い未来世界を救うであろう、最高で最強のエンターテイナー!葛葉ラタ様だ!以後お見知りおきを。」
その後、俺様は一時間近く生配信をした後、バイトに行く準備をしていた。
俺様だって、登録者№1の女性ストリーマー「壱原アケビ」や、アイドル的存在の男性ストリーマー「黒猫ユリ」のような大人気配信者になれたらなーって何千回思ったことか・・・
ちなみに、俺様が一番面白いと思っている配信者は、登録者が80万人もいる「湊アイビ」だ!
世界一面白い男だと俺様は思う!
そんなこんなでバイト先に着いたのはいいものの、ハンバーガーを売るだけの単純な仕事。 うちの店は、個人商店なもんでメニュー数も少ない。
来る客もそこまで多くはないが、店長はうざいくらいに熱い男だ。
いや、逆に厨二病の俺とは相性が合うのかもしれない・・・
「夢は大きく!今日の目標は100個だー!死ぬ気ではたらけよー!いや、死んでもらったら困るか・・・どひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃー!」
な?今の言葉で大体店長がどんな人か分かっただろ?
「すみませーん」
おーと、お客さんか?今の時間は3時か。こんな時間に珍しいな・・・
「いらっしゃいませ。ご注文をお伺いします。」
「満月バーガーのセットを一つ、サイドメニューは三種のチーズサラダで、ドリンクはバナナジュースで。単品でチキンナゲット、フライドポテト、ハニートーストもお願いします。」
「以上4点で4000ポイントになります。ちょうどお預かりします。少々お待ちください。」
セットで2000ポイントとかどんな値段設定してるんだよ、あの店長は。
てか、この声どこかで聞いた事があるような・・・
「お待たせしました。こちら商品に・・・うわぁぁぁぁぁぁぁ!やっぱりそうだ!湊アイビさんですよね?!てかそうですよね!!!」
「えっ、えぇそうですけど・・・」
何でこんなところにいるんだよ!これって奇跡か?いや、運命か?いや、違うな、俺様が有名になるための軌跡だよな!?なぁー神様よ、こういう時に味方してくれてありがとうな。興奮が抑えれねえや・・・
「やっぱりそうだ!俺大好きなんですよ!もしよろしかったら俺とコラボしてくれませんか!?」
おい、俺よ。こんなチャンスは二度と来ねーかもしれねーぞ!
「そんな急に言われても・・・」
「何でもします!何でもしますからそこをなんとか・・・!」
「そこまで言うならいいですけど、ただ夜に用事があるから今すぐ家に来れるなら・・・バイトは何時までですか?」
「5時までっすけど・・・早上がりさせていただきます・・・店長!夢掴んできます・・・」
「おっ、おう!了解した!夢を掴み取れ、若き少年よ・・・」
おいおい、まじかよ!今から本当に湊アイビの家に行くんだよな・・・いつも配信で見ているあの紫の部屋を生で見れるのか?てか、その前に横に並んで歩いてる時点でやばいだろ!
「聞くの忘れてたけど、今登録者何人なんですか?」
「そんな事聞かないでくださいよー。まぁ、671人ですけど・・・」
「ブゥーーーーーーー!はっはっはっはーーー!面白れぇー!飲んでた水全部でたじゃねーか。よくそんな人数でコラボお願いしてきたな!もっと多いかと思って敬語使ってた俺が馬鹿みたいじゃねーか!」
「多かったらコラボなんてお願いしてませーん。てか、アイビさんって何歳なんですか?」
「こう見えて、俺って18歳なんだよね大人に見えるって?」
「ブゥーーーーーーー!ひっひっひっひーーー!なんだよ、俺とタメかよ。俺も水吐いちゃったじゃねーかよ!馬鹿みたいじゃねーかはこっちのセリフだよ!」
「はー!俺の方が登録者多いからこれからも敬語つかえよな!」
「黙れ!俺様とお前は同い年だからこれからはタメ語で行かせてもらう!」
「なんだよ、俺様って。ダッセー。」
「うるさい!」
そんなこんな話しているうちにアイビの家に着いた。そこには、今まで画面の前で見ていた世界が広がっていた。最高じゃねーか!でも意外と白が多い家なんだな。
「よし、ちゃちゃっと配信はじめるぞー」
「あぁ、わかった!」
「コラボ相手の欄に・・・名前は?」
「やっと俺様の名前が気になったのかねアイビ君!俺様の名前は最高で最強のエンターテイナー葛葉ラタ様だ!以後お見知りおきを。」
「わーかっこいいー」
「棒読みだよね!?」
「葛葉ラタっと。配信タイトルは・・・[ハンバーガー屋でコラボお願いされたんだがwww]これでいいか。それじゃ配信スタート!」
きたきたきたぁー!これで俺様の登録者も急増!今日で、一万人も夢じゃない!と思っていたんだが・・・なんかコメント欄荒れてないか?
(アイビ君の横の奴いらなくね?)
(湊の面白さが半減するから一人にして)
(葛葉ラタって誰だよ。早く帰れ。)
なんか、まずくないかこれ?
《HP減少中・・・HP減少中・・・間もなくフリーダムからログアウトされ永久通報されます・・・》
「ちょっと待ったーーーーーー!!!!!!!!!!!!」
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初めての小説なのでアドバイスなどをくれると嬉しいです。