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短編童話シリーズ

SWEET CANDY

作者: 敬愛

 おばあちゃんっ子だったその子供は小さい時から甘いものをたくさん買い与えられていました。おばあちゃんは自分が小さい頃甘い物を食べたくても食べられなかったので、孫には思う存分好きな物を食べて欲しい一心でした。しかし子供は虫歯だらけ、太り始め、甘い物が食べられないと泣いても欲しがるようになりました。


 これじゃいけない。おばあちゃんは孫に自慢の大根と人参とわらびの煮付けを夕食に出してあげました。子供は一口食べるなり「苦くて固いよ」そう言ってお皿をひっくり返しました。おばあちゃんは陰でこっそり泣きました。「どうして飴とムチを使い分けられなかったんだろう」


 子供は大きくなっても甘い物ばかり好むようになり、過食になりました。甘い物が食べられないとイライラして家族に当り散らすようになりました。歯はボロボロ、糖尿になりかけていました。


 やがておばあちゃんは死にました。遺書が書きしたためられておりました「あの子があんな風になったのは私のせいです。ただ子供に好きな物を食べさせたい一心でお菓子ばかり買い与えていました。しかしそれは間違いでした。たとえ要求されても甘い飴ばかり与えず叱る事が大切でした。御免なさい」


 子供だった大人は「今頃気付くなよ。でもおばあちゃん嫌いじゃなかったよ」 

 そう遺体に話し掛けておばあちゃんの棺にたくさんのお菓子を入れました。

 「俺はもう甘い物を絶つからおばあちゃん思う存分食べて」


 彼は喉が渇いてまともに喋れず程なくして入院しました。

 「子供に戻ってスイーツ食べたいなぁ」そう栄養制限された病院食を食べながら呟きました。

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― 新着の感想 ―
[一言] この子は退院したらまた甘いもの食べてしまいそうですね。
[一言]  失礼しますm(__)m  楽しく読ませていただきました。  悲しい部分もあったけど素敵な物語だとおもいました。  楽しい時間をありがとうございましたm(__)m  これからも執筆活…
[一言] これも、とても良い話でした。 肉体的にハッピーかどうか微妙だけど、こころは ハッピーであるから、読者としてはハッピーである。 いつもながら音声で聞いたので、楽して把握した感があるのですが、…
2009/12/10 19:00 退会済み
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