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血に塗れた銀狐が自身の幸せを見つけるまで  作者: 骸崎 ミウ
銀狐と炎猫の出会い
8/33

08

「さて、小鈴や。なにから聞きたい?」



「全部」



「いや、全部は多過ぎるんじゃよ…………。少し絞ってくれんか」



「なら、第5世代ってなに?私の身体の変化と関係あるの?」



私は祖父から話を聞くべく、人がいない談話室に行った。というか私、身体中が痛くて叔母に運んで貰ったが。



「第5世代は名前の通り、第4世代の次の段階の者を指す名称じゃ。現在世界に数百人のみ確認されておって、わかっていない部分が多いが、非常に強力な力を有しておるのはわかっておる」



そう言って祖父は説明を始めた。



第5世代の特徴として挙げられているのは2つ。まず1つは内面異能が2つになること。そして、もう1つは外見異能が幻獣又は妖怪やそれに類似した何かに置き換わり、身体の一部分に内面異能の効果が現れるというものらしい。



「お前の場合、元の外見異能が狐であった事から九尾に変化しておる。そして、その右手はお前の元の異能力である武器の具現化か新しく現れた異能力が表面化した物じゃ」



「………………私のもう1つの異能って、もう調べたの?」



「………あぁ。了承を取らなかったのは悪かったが、早急に確認せねばならなかったのじゃ。許してくれ」



「別にいいよ。それで?なんだったの?」



最近の医学であれば血を一滴採取するだけで、その人物が持っている異能力がわかってしまうのだ。



「お前に現れた異能は"金属を操る異能"じゃ。まだ、調べ始めたばかりで全容はわかっておらんが、今現在では全ての金属(・・・・・)又は金属が含まれている物(・・・・・・・・・・)を操ることができると検査の結果わかっておる」



つまり、私は金属が少しでも含まれていれば、それを意のままに操る事ができるわけ?



なにそれチートじゃん。



「まぁ、他の第5世代も元の異能と似たり寄ったりの異能力じゃからな。外見異能に関しても元のから派生しておる。何か質問はあるか?」



「特には。…………あぁ、でもやっぱり尻尾が重く感じる。あと邪魔」



「そりゃあ、8本増えて更に大きくなっておるからのぉ。髪飾りか何かで纏めたらどうじゃ?」



まぁ、そうするしかないか。ラグビーボールくらいの大きさだった私の尾は漫画に出てきそうなくらい大きくしなやかになっていて、9本になっている。



……………手入れ大変だなぁ。



「して小鈴。お前はこれからどうしたい?」



「どうって…………なにが?」



「今回、お前を狙って来たのは我が国の軍隊の一部の部隊でな。表向きはテロリストとして扱っておる。あぁ、そうじゃ。お前のあの行動は正当防衛として処理されておるから安心とは言えんが気にするな。……………問題はお前の力が露見してしまった事じゃ。これから確実に様々な事に巻き込まれてしまうであろう…………。儂は以前からお前と同じ第5世代の子供達を保護しておる。儂の権力を使えばどこか静かな所でのんびり過ごさせる事もできる。どうじゃ?」



私はそう言われて、考えた。



祖父に提案された通り、静かな所でのんびり過ごすのも悪くない。けど、それは…………なんだか嫌だ。



「それ以外だとどうなるの?」



「……………軍に特別入隊させ、儂直属の部下とする。じゃが、そうなるともう二度と今までの様な平穏な日常はあり得ないじゃろう」



「なら、それでお願い」



「………………良いのか?」



「私の異能力が攻撃的じゃなければ、最初を選んでいた。けど、私の異能力は戦いに向き過ぎている。なら、いっその事お爺ちゃんの部下になって、平和を守れるならそうしたい。私は、自分を必要としてくれる人の為にこの力を使いたい」



私がそう言うと祖父は私を抱きしめた。



「……………………すまない」



「いいよ、気にしないで。私が選んだから」



「いいや、もっと早くお前の事を話しておれば、この様な結果にはならなかった筈じゃ。お前が傷付かなくて済んだかもしれんのじゃ」



「………………………」



「本当に、すまない」



祖父はそう言って、終始謝り続けていた。



こうして、私のこれからの人生は決まった。

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