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血に塗れた銀狐が自身の幸せを見つけるまで  作者: 骸崎 ミウ
新たな同胞との出会い
20/33

2ー2

〜防衛拠点A〜



防衛組が警戒するなか、"それ"はやってきた。



『ドカーーーーーーンッ!!!』



鳴り響いた爆音は冷たい空気を揺らして防衛拠点の窓ガラスをビリビリと鳴らした。



「来たぞッ!!熱源500度ッ!! 《イフリート》だ!!」



極寒の銀世界に爆音を響かせてやって来たのはヴィラン役の片割れである燐だった。



見る者に元気を与える笑顔を浮かべるその美人と言える顔には獲物を捉えた猛獣の様なギラギラとした笑みを浮かべている。そして、手には刃が高温により白熱化した巨大なチェンソーがあり、雪煙を上げながら防衛拠点へと爆走していた。



「タマ寄越せやーーーーーーーッ!!!!」



燐はそう叫び、防衛拠点の厚さ1メートルはあるだろう鉄扉を両断して突入した。



ちなみにタマとは各防衛拠点に配置されている球体のことで防衛組はそれを守る為に撃退する必要がある。



「早く抑えろッ!!保護対象がぶった斬られるぞッ!!」



「無茶言うなよっ!?あんな暴れ猫に正面切っていけるわけねぇだろ!!」



そんなこんなで凄まじい熱を発しながら防衛拠点内を走り回る燐は内部をめちゃくちゃにしまくった。



「やっぱぶっ壊すのは楽しいねぇ!あははっーーッと!?」



笑いながら破壊活動をしていた燐は突如自身の頭上から威圧感を感じ、慌てて後退した。



ーーーと次の瞬間、燐が先程まで立っていた場所の床が爆散して何かが飛び出してきた。



「な、なにごとッ!?」



「余であるぞッ!!」



慌てる燐に飛び出してきた何かはよく通るソプラノ声でそう叫んだ。



そして土煙が晴れた先には少女がいた。



背は150センチくらいで髪は肩口まで切り揃えた灼髪、顔立ちは髪と同じ色のぱっちりとした灼眼を備えた活発そうな童顔。体格は背丈に似合う少女そのもの。そして額からは黒曜石の様に黒く美しい2本の角が生えており、手には2メートル程の巨大な大鉈が握られていた。



「誰だお前は!」



燐は突然の乱入者に向かってそう叫んだ。



「よくぞ聞いてくれた!我こそは第5世代で1番怪力である鬼神の彩芽(あやめ)であるッ!!同じ熱を操る力を持つ猫又の貴殿と一騎討ち願うッ!チェストーーーーッ!!!」



彩芽(あやめ)と名乗った鬼娘はそのまま燐に向かって大鉈を兜割りの要領で振り下ろした。燐はそれを自身のチェンソーで受け止める。



その衝撃により床には燐達を中心に小さくないクレーターが発生した。



「ちょッなんつー馬鹿力ッ!?ちびっこのくせにっ!」



「にゃははッ!!正面から受け切られたのははじめてだぞ!もっと楽しもうぞッ!!」



「………………いいよ。久しぶりに暴れてやるかッ!!」





そうして2人の楽しそうな笑い声と共に爆発音が響き渡り、防衛拠点は粉々に粉砕された。



のちにその防衛拠点にいた軍人達は口を揃えてこう言った。



『女って怖えぇ………』

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