終わりの始まり
私と姉は仲が悪い。もちろん両親とはうまく行っていない。
不出来で無愛想な私と優秀で愛想のいい姉、周囲の扱いが変わるのは当然のことで。
成績や運動神経だけならともかく、外見も性格も姉のほうが抜群にいいものだから、友達の数も段違いだ。
もちろん両親の扱いだって違っていて、二人の口癖はいつも『お姉ちゃんはあんなにすごいのに』。
そこから『どうしてこんなにひねくれてしまったんだ』と続く。
そんな環境でどうやってまっすぐ育てばいいんだ――と私は逆に聞きたい。
私だって頑張っているのに………。
なんで?なんで私を見てくれないの?
私をちゃんと見てよ。ちゃんと褒めてよ。
…………………私の努力が足りないの?
だったら、もっと頑張るから。
だからちゃんと見てよ、ねぇてばッ!
…………………………………
……………………ザクリッ
「──────がふっ」
胸を貫く痛みに意識が戻る。
目の前には血塗れでその綺麗な顔を恐怖で歪めた姉がいて、その手には無骨な剣が握られており、その剣は私に突き刺さっていた。
「───ぁう、なん、でぇ」
自然とそう口から出ていた。
……………………本当は姉が好きだった。
私の憧れであり、壁であり、目標であり、天井だった。
貴女が見てくれたから、貴女が私を見てくれたから私はここまでやって来れた。辛い時も苦しい時もやって来れた。
大切だから、私は今まで隠していた力を使って貴女を助けようとした。敵を薙ぎ倒して、貴女が傷つかない様にした。
全ては認めてもらう為に。
けど、貴女は違ったみたいだ。
貴女は私を恐れた。私のこの姿を見て、私の異能力を目の当たりにして、私を拒絶して自身の剣で私を刺した。明確な殺意を持って。
「───ッ!───ッ!」
もう、耳が聞こえない。何か言っているみたいだけど、わたしにはもうかんけいない。
あなたはわたしをころした。あなたはてきだ。
…………やっぱり、わた、しは、ひと、り、ぼっち、なん、だ、──────
あぁ、─────さむい、なぁ………………
かしゃんっ
何かが割れる幻音がした。