第4話 人知恵
パクっ。
アリをくわえ、胸部と腹部の間が口の輪郭にくるように調整。
ガブッ。痛っ!コイツ、噛みやがった……。
『戦闘体力【1/5】』
不味い不味い不味い!なんか意識もうろうとしてきた気がするし、よし!
グチャグチャ!ガリッ。
急いで噛み砕く。もちろん腹部は口の外に出るようにするけど。なんか、甘くない海老みたいな感じか?繊維が多いし、味がねぇ……。
『戦闘体力【3/5】
生存体力【3/5】』
あ。やっとちゃんと回復した。てか、食べ物を食べたら両方の体力回復するのか。口の中のさっき噛まれた傷もなくなってるし、だいぶん便利な機能だ。
『【顎力Lv2】を獲得しました』
あ、またアリいる。
パクっ。
ガブッ。
『戦闘体力【2/5】』
痛っいなあおい!あんた卵食うから口の力めちゃくちゃ強いし!
『【斬撃耐性Lv1】【微弱再生Lv1】を獲得しました』
さっきのように腹部だけ残してアリを食べる。ちなみに、後のために硬いアリさんの顎は飲み込みません!
『【思考Lv4】【消化Lv1】を獲得しました』
『戦闘体力【4/5】
生存体力【4/5】』
よし。これで準備は整った。アリの蟻酸タンク(腹部)が2つ。
そして、ここは兄弟たちが生まれて腹を空かせて集まっている場所。だけどお互いが硬い殻に覆われてるから食えないよなぁ!!じゃ、
ほい。
近くにいた一匹のフィナーリザンドの前に蟻酸タンクを2つ置き、陰に隠れる。
パクっ。パクっ。
よし!あんたら腹空かせてるから食うよね!
ピクッ!ビクビクッ!ピク……。
蟻酸を摂取したフィナーリザンドが毒で動かなくなる。よし!ま、兄弟だけど、食物連鎖だ。諦めろ。
トントン。叩いても動かない。よし、これちゃんと死んでるな。
ズッズッ――。
『【強力Lv1】≪魔物討伐≫を獲得しました』
フィナーリザンドを口で岩陰に運ぶ。俺と同サイズだし、3日位食に困らんな。アリにとられたくもないからちょっと岩の隙間に空間を作るか。
モキュモキュ。
『【掘削Lv1】【隠密Lv2】を獲得しました』
ボコッ。モキュモキュモキュモキュ。
出来た!俺とこれが入る位の部屋!ちなみに天井は岩!ヨシ!
ズッズッズッズッ。
食糧を運び込み、入り口を閉じる。外はもう暗いし、寝るか。
『【睡眠Lv1】を獲得しました』
――スキル何でもあるんだな。
起きた。外どうなってるかな。
あ、明るくなってるわ。
よし、食うか。
ここで昨日のアリの顎が登場するぜ!!
ザクッザクッ。
口でうまいことアリの顎をくわえ殻の隙間に入れると、結構きれいに切れる。これ、【顎力】役にたってたりするのか?
『【顎力Lv3】を獲得しました』
お、このタイミングでか。ホントに役にたってるのかもしれん。
下半身をうまく切って肉を出し、頭を下げる。命に感謝して、頂きます!
パクっ。
モキュモキュ。モキュ。
こいつも繊維多いし味はない……。不味くないだけいいのか?味がないってだけだし。俺、生前めちゃくちゃ味つけてたのか?
『個体名・??がLv2にレベルアップしました。
戦闘体力【8/8】
魔力【9/9】
生存体力【8/8】
物理攻撃力【9】
物理防御力【9】
魔法攻撃力【8】
魔法防御力【8】
素早さ【8】
【スキル】
【解析】【吸着Lv2】【顎力Lv3】【思考Lv4】【斬撃耐性Lv1】【微弱再生Lv1】【掘削Lv1】【退避Lv1】【隠密Lv2】【睡眠Lv1】【遠視Lv1】【強力Lv1】【消化Lv2】
≪称号≫
≪セカイへの挑戦者≫
≪魔物討伐≫』
結構上がってるなぁ。相変わらずめちゃ低いけど。
『称号≪魔物討伐≫により、僅かに成長に上方補正がかかっています』
へぇー。あ、そういえば。
【鑑定】さん、【消化】ってアリの蟻酸処理できる?
『可能です。おそらく今蟻酸を摂取したとしてもダメージを受けないと思われます』
やっぱそうか!ヨシ!あれ?毒耐性と消化って何が違うの?
『処理できる幅が違います。言ってしまえば【消化】はほとんどの毒を無効化出来ません。蟻酸は非常に弱い毒のため、消化が可能です』
オッケー。じゃあ、これ食い終わったらアリさん食べることにしよう。じゃ。
3分の1ほど食べて、俺は眠りにつく。
『【睡眠Lv2】を獲得しました』
個体名・??【Lv2】【フィナーリザンド】
○○の未受精卵から発生する、最弱クラスの魔物。基本は○○に補食されるため、詳しい生態は不明。身体は殻に覆われているが、強度はほぼない。
戦闘体力【8/8】
魔力【9/9】
生存体力【8/8】
物理攻撃力【9】
物理防御力【9】
魔法攻撃力【8】
魔法防御力【8】
素早さ【8】
【スキル】
【解析】【吸着Lv2】【顎力Lv3】【思考Lv4】【斬撃耐性Lv1】【微弱再生Lv1】【掘削Lv1】【退避Lv1】【隠密Lv2】【睡眠Lv2】【遠視Lv1】【強力Lv1】【消化Lv2】
≪称号≫
≪セカイへの挑戦者≫
≪魔物討伐≫