第11話 目標を作ろう
【解析】、ねえ、何がどうしてこうなったん?
『洗脳の解除に成功したことで、ドミノ倒しに成長しました』
HPとМPはわかるんだが、LPってなんの略だ?
『ライフポイントです』
基本的意味は同じだよね……。
『はい』
あぁ……これからどうしようか……。
『主は何を望みますか?』
あ、うん。えーと。――これは少し前に考えたことだけど2つかな。1つ。人間との良好な関係を結ぶ。今のところは無理だろうから成長しないとだ。ま、人間の姿にはなれたらいいけどそれは難しいかな。2つ。本物のドラゴンになる。龍血っていうスキルがあるなら、龍族っていうスキルがあってもおかしくない。そして、俺にそれがない理由は俺が――本来生き残る筈の生き物じゃないからだ。
『おそらくですが、2つ目の方が早く達成出来ると思います。それには主が一番理解があると思いますが』
わかる。多分1つ目が先に達成出来たなら俺はその次の日に食われている。何も力を持っていない魔物など奴等には経験値としか思われない。でも、どうやったら2つ目を達成出来る?
『成体の雄のドラゴンを喰いましょう』
ん?何でだ?
『ドラゴンを殺せる力を持っている所まで達すれば、おそらく私もだいぶ成長しています。それなら、【解析】で精子を保存し、そのときの状態にさらに染色体を加えた姿にすることが可能であるかもしれません。まぁ、その時には進化して【解析】でないかもしれませんが』
――おおすげえ。でもなぁ。いや、でも、ドラゴンってあいつだよ?俺をいくら小さく見積もっても20メートルはあるよ?
『あんな訳のわからない経験値の稼ぎ方をするようなドラゴンです。あれはおそらく恐ろしい年月生きています。あそこまでヤバいものを倒す必要は無いでしょう。雄だから雌より小さい可能性もあります。逆に大きい可能性もありますが』
うん……。そういえば……あれ?今の俺の性別って何なの?
『ありません。染色体の数からして種として生存出来ませんし、生殖器もありません』
まぁ……。そうだよね。俺転生前バイセクシャルで不登校だった部分もあるからそこまで傷つかないけど……。そうかぁ。
『傷ついてますね。それは2つ目の目標を達成するまでとっておくとして、では1つ目と2つ目の目標を達成するためにどうしましょう?』
小さいまま強くなる。出来れば2メートルより小さいまま。人間に変身出来るようにするなら、そうしないとダメな気がする。あと俺どんくさいからでかくなると注意散漫になって死にそう。でかくてのろまなヤツよりも小さくて速いヤツの方が強いって言うし。
そういえば進化ツリーとか見れないの?
『進化がある前提なんですか……。情報がないのでわかりませんが、次の進化先もLv10になったら判明するようです』
あ、うん。まあ、そこまで優しくないか。
『【解析Lv3】を獲得しました。じゃあ、今どうしましょうか?』
個体名・??【Lv5】【種族名・フィナーリザンド】
HP【28/28】
MP【28/28】
ⅬP【28/28】
物理攻撃力【29】
物理防御力【29】
魔法攻撃力【38】
魔法防御力【38】
素早さ【50】
【スキル】
【解析Lv1】【吸着Lv2】【顎力Lv10】【並列思考Lv5】【斬撃耐性Lv3】【微弱再生Lv5】【自動HP回復Lv1】【自動MP回復Lv1】【土操作Lv6】【電気魔法Lv5】【電気魔法耐性Lv5】【微弱毒作成Lv3】【微弱毒耐性Lv3】【掘削Lv2】【隠密Lv5】【睡眠Lv8】【遠視Lv5】【強力Lv4】【消化Lv7】【強殻Lv6】【強骨格Lv2】【疾走Lv5】【演算Lv5】
≪称号≫
≪セカイへの挑戦者≫≪魔物討伐≫≪同族喰い≫≪解き放たれしモノ≫≪龍血≫