第0.5話 「ギルド」
はい! ようやくの続編です……!
「ギルド」
リーダー:所属人数5人
・森田陽愛 魔術師(遠距離攻撃手)
・大劾瀬竜 銃士(囮役)
・時雨鴇 剣士(遊撃手)
・D-16 砲兵(主砲)
・深浦旭 聖職者(回復役)
能力者
・大劾瀬竜【永久機関】
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その後、「ギルド」メンバーの細小な情報(趣味や血液型、誕生日からなんと戦法や必殺技に至るまで)が事細かに記されている。が、それらを一瞥すると、男はその本から目を離した。黒いシャツを着た、目の赤い男だ。
男は再度、本の表紙を眺める。
「『ハンター大図鑑』か。朕の眷属の方がよほど優秀だな」
とだけ呟くと、人混みに紛れで消えた。
「たはー! 疲れたあ!!」
森田がソファーに倒れ込むと、その上に深浦が乗った。
「瀬竜がダンスパーティーだっていうから正装したのに…! どこがダンスパーティーなの?」
彼女の不満げな視線を受けて、事件の犯人は笑う。
「…………ほら、モンスターとダンス…」
「バッカじゃないの?」
そして撃沈した。
五人組ハンター集団、「ギルド」。活動を初めてもう二年になる。魔法に長けた森田や、近接格闘が得意な深浦、そして「ギルド」唯一にして最強(自称)の能力者の大劾、対モンスター兵器と称して大量破壊兵器を量産していた裏社会の工房を破壊したときに盗んだ機体、D-16と剣の達人の時雨。以上の五人が、「ギルド」のメンバーだ。
「でもまあ、普段よりもお金はかからなかったし、この件は保留にしといてあげたら?」
深浦に冷たい視線を喰らっていた大劾は森田の声に目を輝かせた。深浦も、森田の意見に反論はないらしくむぅ…、と唸りながらも矛を収める。
「……………その代わり」
ん? と、大劾が寒気を感じたように自分の肩を抱いた。
「大劾は来月減給ね」
「ギルド」の拠点に、悲鳴が響いた。
『…………それで、あなたの眷属の方が優秀というのは?』
「まず、大劾の能力についてだが。これは名前が違うな。そして、年齢詐称もしている。
なによりも大切なのは……、そのことを、汝は知っていた。裏切りのつもりか?」
くすっ。
と、電話の向こうでかすかに笑う声が聞こえた。
「なにがおかしい!!!!!」
『あぁ、すいません。そうですよ、知っていました。が、あなたなら大した問題ではないと思いましたので』
彼の言葉に妙に納得してしまうことに、苛立ちのようなものを感じてた。しかし、それでも彼は努めて落ち着いた口調で電話の声に尋ねた。
「それで、朕は次、何をすれば良い?
この世界を、創世神にして破壊神たる朕に明け渡してくれるのであろう」
と。
すいません……。次回から、本編がスタートします。
お待たせしました……。