第1話〜残酷な現実〜
〜前回のあらすじ〜
最後の通学路を楽しんでいたら爆発音がした。
レイが不安を感じながら電車を降りる。アルーラも一緒だ。
「あの爆発音は俺の家の方角から聞こえてきた……なんなんだ一体……」
「わかりませんが……とにかくイヤな予感がします……」
レイたちは歩く。
家が見えるところに来たが、たくさんの人が高級住宅街を調べている。
警察官の制服を着ていたり、武器を持っている人もいる。
「な……なんだこりゃ!!」
「これは……人が転がって……ま、まさか死んでいるんですか!?」
たくさんの住民が転がっている……道路の所々に血が飛び散り……
家の扉は破壊され、周りが黒焦げになっていることから爆弾が使われたのかもしれない。
アルーラは目をそらして口を塞ぎ、レイは固まってしまう。
「おい、少年……少年?お前を呼んでるんだよ。」
「お……俺ですか?」
警察官の制服を着たおじさんが話しかけてくる。
「君がレイ=レインロードかね?」
「は……はい、そうですけど……」
おじさんは険しい顔をする。
「そうか。で、残念な知らせがあるんだが……率直にいう。
ラーズ=レインロードそれと……リリー=レインロード、
つまりお前の両親は死亡した。」
「え? 今……なんて言ったの?」
「何度でもいうぞ。お前の両親は死亡した。」
「え?」
レイはイマイチ状況を理解できない。後ろで聞いていたアルーラも同様だ。
「えーと?レイ君の両親は死んだ……ってこと?」
「そういうことだ。何度も言わせるな。これを伝えるのは辛いんだぞ……」
おっさんの顔を見て本気だと察したレイは膝から崩れ落ちる。
なんでこんなことに……俺が悪いことをしたのか?訳が分からない。
「まぁ……災難だったな。イセライ王国犯罪取締に関する法律第16条によってラーズ=レインロードから自動的に相続された住宅は半月ほど住んじゃいけない。悪いが決まりなんでね」
なぜこんな仕打ちに合うのか。なぜあんな事件が起きたのか。
もはや運命すら感じる。たまたま両親の休日と事件の発生が重なった。
なんなんだ一体。クソが。いいことをしていればいいことが起きるなんて嘘だったんだ。
「レイ君……とりあえずまぁ……うん……
家を使えない15日間私の家に居候すればいいから……」
もはや何も言うことが思いつかない。
思いついても声帯が仕事をしない。
アルーラに連れられるままアルーラの家にお世話になることになった。