ノスタルジックバス 1
あなたは、バスに乗って乗り過ごしたら何も知らない場所についたなんてことは無いだろうか。
バスに乗っているといつもは降りない場所や、終点は未知の世界とも言えるだろう。
一人の少年はその世界を体験してしまうことになる。それは、少年にとって大きな影響を与えるようなそんな世界だった。
ある夏の晴れた日、蝉がうるさく鳴き続ける中祖母をなくしたばかりの少年は一人学校へ向かった。
「やべえ、遅刻遅刻!」、
「たける!バス乗り遅れちゃうよ!」、
「分かったって母さんうるさいから!」、
たけるは17歳高校二年生だ、受験を控えた中夏休みは集中授業を受けるため学校へ行っている。
「バスの時間は、げっ8:30に乗らないと遅刻だ!」
スマートフォンの時計には8:20分の文字が表示されていた。
たけるは額に汗を滲ませながらその足でバス停へと向かった。
「間に合ったーよかった!」
バスのドアの音とともにたけるは席についた。
「寝不足だったんだ、少しくらい寝てもいいよな」
たけるはウトウトしながらバスのクラッチ音とともに瞼を閉じた
「おにいさん、終点ですよ。ほらおきて!」
透き通った青年のような声が車内で反響している。
「ここは、どこ。ってえー!」
「もう終点です、ほらおりて」
たけるはぼやけた視界の中バスを降りた。
「ここは、どこなんだ。」
見たことない景色、静かで何も聞こえない森があたりを囲んでいる。
「てか!バス停!戻らなきゃ!」
焦りを感じたたけるは反対方向のバス停へと向かった。
「なんだって!次のバス17:00!!」
ここはかなりローカルなのかバスが来ないようだ
「とりあえず、やることないし、歩くか。」
目の前には砂利道が長々と続いており、あたりは緑の森が生い茂っている。
「夏なのにここはなんて涼しいんだ、ばあちゃん家みたいだな。」
祖母をなくしたばかりのたけるには悲しさとともになにか懐かしさを感じている。
「何だこの鳥居は、ぼろっちいな」
目の前にはひびの入った鳥居が立ち構えていた。
「小野里鳥居、なんだ小野里って」
村があるのだろうか様々な協会の名前まで入っていた。
「とりあえず、行ってみるか。」
たけるは、鳥居をこえ長い道を歩いた。
「やあ少年よ、どこから来たのだい」
少しかすれのかかった優しい声が聞こえた。
「え!?この辺に住んでる方ですか?」、
「わしはこの先の小野里っていう村にすんどってな、迷ったんかい少年よ」、
「バスに乗ったらここに来たんだ!こんなところあったなんて知らなかった」
「バス?なんだねそれは、そんな大層なもんここにはないよ」
「だったら!どうやって俺はここまで!」
「まあまあ、落ち着くんだよとりあえずきなさいな」
たけるはお婆さんについていくしかなかった。
「ここが小野里、そこにいる若い女の子あんたと同じくらいさ」
「あの子名前なんていうの?」
「たかこって言うんだよ、あの子はね昔っから甘えん坊でよくわしにおねだりしてたさ」
「たかこ、甘えん坊、ばあちゃんそっくりだ。。。思いこみすぎか」
「どうかしたのかい?」
「たかこさんとこ行ってくる」
「色気づきおって」
たけるはたかこのところへ向かった
「たかこさん?」
「はい!あなたは?」
「おれ!たける!よろしくな!」
「わたし、たかこっていいますよろしくお願いします」
とても礼儀正しい女の子だ。
「たかこもこの辺に住んでるのか?」
「はい。そこが私の家です、チューリップが好きで今球根を植えてたところなんです」
「チューリップ。ばあちゃんとよく見に行ったな。」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫!チューリップいいよな!手伝うよ!」
「ありがとうございます!こんなに沢山あるんで!」
微笑みながらそうたかこはいった。
「げっ、わ、わかった!」
少し驚きながら50はある球根をたけるは植え始めた。
こんにちはじゃがりこです。
この作品はたまたま椅子に座ってたらポッと浮かんで、書こう!と思って書きました。
まだまだ先のネタはありますが、好評ならば続きを書こうと思います。